🔴【第1話から読む】「子育てなんてまっぴら」子無し宣言する同僚に、妊娠報告しづらいワケ|マタハラ同僚の話
産休前日、えみこ以外の同僚が送別会を開いてくれました。自分を思う同僚の言葉に元気をもらったゆきえは、負の感情に囚われず、家族の幸せを守り抜くことを強く誓います。
送別会に感謝
産休に入る前日、職場で仲がいい人たちが送別ランチに連れて行ってくれました。
「ゆきえちゃん、体に気を付けてね」
「無事に産まれたら、赤ちゃん見せてね」
「無理しちゃだめ。しっかり休んで、たまには職場に遊びに来てね」
誰一人として私の年齢を口にしたり、皮肉を言う人はいなくて、プレゼントまで用意してくれていた。その温かさに、私は涙があふれそうでした。これまではえみこの言葉にびくびくするばかりで、優しい人たちの言動に気づくことができなかったのかもしれないと思うと後悔がつのります。
マタハラ同僚の過去
その送別会のランチの最後、1人の同僚がえみこのことで口を開きました。
「えみこさん、かなりゆきえさんに当たりが強かったでしょう?」
「え、ええ、まあ…」
急な話題にびっくりした私は、うまく言葉が出ませんでした。
「私が妊娠した時もああだったんだけどね、あとでえみこさんの同期に聞いたら、彼女はもともと妊活を頑張っていたみたいなの」
「え!?」
子どもなんていらないと大声で公言するようなえみこが?私は驚いて言葉が出ませんでした。
「事情はよくわからないけど、彼女は子どもを諦めてね。『子どもはいらないんだ』って周りに主張するようになったんだって」
深い事情はわからないし、知る必要もないと思うけれど、彼女の心には葛藤があったことが容易に想像できました。
「そうだったんですね…」
「だからといってあんな態度取って言いわけじゃないけど、こういう問題って複雑だよね」
聞くと、この同僚も同じようにえみこの態度に悩んだまま産休に入ったそう。今は復帰して元気に働いています。彼女の態度に引っ張られそうになることはあるけれど「自分と相手の問題は別」と割り切って、今は気にしないようにしているようです。
えみこのことで悩んでいるのは自分だけじゃなかったことに少しホッとしつつ、えみこの知らなかった一面には驚きました。えみこにはえみこなりの、葛藤があったのかもしれません。
自分と相手の境界線をきちんと引いておくこと
えみこに関する話が本当なのかはわかりませんし、ただの噂かもしれません。でも、仮に真実だったとしても、だからといって人を傷つけていいわけではありませんよね。
私はこれから大切なわが子を産み、幸せに育てていきます。えみこもえみこなりの幸せがつかめるよう祈ります。
今回のことで学んだことは、自分と他人の問題には境界線をきちんと引いておくべきということ。そうすれば相手のマイナスな思いに引き込まれて疲れ果てることもないし、自分が落ちこむときも誰かを巻き込む必要がないと気づけるはずです。
自分の目の前にある自分だけの道をしっかりと見つめ、幸せに向かって歩いていきたいと思ったできごとでした。
🔴【第1話から読む】「子育てなんてまっぴら」子無し宣言する同僚に、妊娠報告しづらいワケ|マタハラ同僚の話
あとがき:優しい先輩たちの光と、夫の推測
最終話は、ゆきえが職場での冷たい空気を払拭し、温かい人間関係の中で救済される場面から始まります。先輩たちの優しさが、えみこの悪意と対比され、「光」としてゆきえを包み込みます。
そして、えみこの言動の裏にあったかもしれない事情も判明しました。ゆきえが「相手と自分の問題には線引きする」と決意するラストは、最も現実的で、前向きな「解決」として物語を締めくくります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










