主人公・沙羅は、夫・拓真のことが大好きでした。しかし、ある日突然に拓真の不倫が発覚。深く傷ついた沙羅ですが、平謝りする拓真を見て「生まれてくる子どものためにも再構築したい」と考えます。しかし、夫の「もうしない」という決心を聞いた、わずか3日後の夜。沙羅は、自宅近くの道で、見覚えのある拓真の車を見つけてしまうのです。
妊娠中の妻と、二度目の裏切り
ある晩、私と夫・拓真の夫婦関係は、不倫発覚によって大きく揺らぎました。不倫相手は拓真の会社の同僚。拓真は「もう二度と裏切らない。転職するし、女性とも今後一切関係を持たない。だからどうにか許してほしい」と平謝りするばかり。
私は妊娠中で、生まれてくる子どものパパである拓真と、この1度の不倫で離婚する決意はできませんでした。私の両親は私から不倫の話を聞いて再構築に猛反対しましたが、私は必死に家族を説得し、拓真の改心を信じようと努めたのです。だって、拓真が好きだったから。
「拓真は本来は私をしっかり愛してくれていた。もう絶対過ちは犯さないはず」
私はそう信じていたのです。
話し合いの翌日、親友夫婦に会う予定があった私は、涙ながらにこの日のできごとを聞いてもらいました。親友・綾乃は激怒して「慰謝料ぶん取って別れたらいいのに!」と言いましたが、友人の夫・悠介が「沙羅が決めたことならいいんじゃないの?でももう次はないね」となだめてくれました。2人は学生時代に同じ部活に所属していた仲間で本当に気の置けない相手です。
2人に聞いてもらって落ち着いた私は、なんとかこれからも夫婦関係を続けていこうと、少しは気持ちを整理したつもりでした。それなのに…。
拓真の「もうしない」という誓いを聞いてからわずか3日後、綾乃と悠介に会ってからはほんの2日後の夜のこと、私はとんでもないものを見てしまいました―――。
夫の「絶対」の嘘
私は職場に忘れ物をしてしまい、車で会社に向かう途中でした。自宅からそう遠くない薄暗い通りを走っていると、見慣れた車種とナンバーの車が目に入りました。それは、拓真の車です。
車は、煌々とネオンが輝く建物のエントランス付近に停まっています。その建物は、ラブホテルでした。
私は、頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けました。信じたくない、これは見間違いだと何度も自分に言い聞かせました。しかし、何度も見慣れた拓真の車であることは間違いありません。
私が近くに車を停めて様子を見ていると、車はホテルの駐車場に入り、中から拓真と女が出てきました。拓真のスマホの写真で見たことがある、あの不倫女です。
「嘘でしょう…まさか、また同じ相手と?」
私の心は、絶望と裏切り、そして怒りに支配されました。つい昨日まで「生まれ変わる」と言っていた夫の言葉が、すべて嘘だった。その事実に、全身の力が抜けそうになりました。
しかし、その場を立ち去るという選択肢は、私の中には微塵もありませんでした。ここで引き下がれば、自分は永遠に愚かな妻で終わってしまう。私は、震える手でスマートフォンを握りしめ、二度と引き返せない復讐を決意したのです―――。
🔴【次の話を読む】ラブホ前で夫と不倫女を目撃→妻が呼び出した“最強の助っ人”|不倫夫をラブホテル前で待ち伏せした話
あとがき:復讐への秒読み
この第1話では、二度目の裏切りが発覚した瞬間の沙羅の心理が描かれています。拓真が誓いを立ててからわずか3日というあまりにも短い期間での裏切りは、沙羅の心を深く傷つけ、愛憎の念を抱かせます。
沙羅がその場で逃げ帰るのではなく復讐を選んだことは、彼女の心の中の変貌を示しています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










