🔴【第1話から読む】「夜はこれからよ!」深夜にカラオケ!?→独自路線すぎる義母にドン引き|ばあばハイな義母
我が子と実家に帰省中、「孫に会いたい」という理由だけで義母に呼び戻されそうになった主人公・リナ。夫が義母をしっかり叱ってくれたものの、モヤモヤした気持ちのまま帰省の最終日に。迎えにきた夫から聞いた、義母の様子とは…?
「役者」な夫、義母に一泡ふかせる
連休が終わるころ、ハジメさんが車で私と赤ちゃんを迎えに来てくれました。久しぶりに会うハジメさんの顔は、少し憔悴しているようにも見えましたが、私と赤ちゃんを見て、すぐに優しい笑顔に戻りました。
車の中で、ハジメさんは義母との件について、私に改めて詳しく語ってくれました。
「リナ、本当にごめん。母さんのわがままのせいでリナにもストレスを与えてしまって…」
私はハジメさんの言葉に、静かに耳を傾けました。
「俺からも母さんに連絡して『母さんのわがままのせいで、リナは精神的に参って熱を出した』って伝えたんだ」
ハジメさんは、真剣な表情で言いました。ハジメさんが、私と私たちの家庭を守るために、強い意志を持って義母と対峙してくれたことが伝わってきて、私は心から安心しました。
そして、ハジメさんの言葉は、実際に大きな効果を発揮したようでした。義母は、さすがにかなり驚き、そして反省したそうです。「まさか、自分の言動がリナさんを追い詰めていたなんて」と、心底ショックを受けていた、とハジメさんは言いました。
義母はもともと愛情深い人です。今回は孫の誕生で舞い上がってしまい、周囲への配慮ができなくなっていたのでしょう。義母本人もそのことに気づいてくれたようでした。
義母の明らかな変化
それ以来、義母からハジメさんへ、赤ちゃんに会いたいという連絡はこなくなりました。義母が初孫の誕生を心から楽しみにしていたことはよく理解しています。ですが、出産直後はもう少しだけ気遣ってほしかった。ただそれだけのことだったのです。
しばらくたつと、あまりにもしょんぼりとして連絡してこない義母を気の毒に思う気持ちも芽生え始めました。
リナ「たまには赤ちゃんの写真を送ってあげてね」
ハジメ「いいの?」
リナ「私からじゃなくて、ハジメさんが送ってくれるならいいよ」
そう私が提案し、今では時々ハジメさんが義母に赤ちゃんの写真や動画を送って、近況を伝えています。義母もそれを見て、静かに孫の成長を喜んでくれているようでした。
ようやく始まった、「適切な距離」への歩み寄り
そして生後1か月と少し経ったころ、私の体調が安定したころに赤ちゃんのお宮参りの日を迎えました。
さすがにこの晴れの日に義母を避けるわけにはいかず、私たちは義実家と、私の実家と合同でお宮参りをすることに。正直、内心はとても複雑でした。義母と顔を合わせることに、まだ少し抵抗感があったからです。
しかし、お宮参り当日、ハジメさんと一緒に待ち合わせ場所に着いた私に、義母は近づいてきて、深々と頭を下げました。
「リナさん、本当にごめんなさい。私の気遣いができていなくて。あの後、ハジメから話を聞いて、直接謝りたかったの」
義母の目には、涙が滲んでいるように見えました。その心からの謝罪の言葉を聞いた瞬間、私の心の中にあった重い石が、スーッと取り除かれたように感じました。私は義母の目を見て「大丈夫です。もう気にしていません」と、心からそう思える言葉を返すことができました。
今では、義母は適切な距離を保ちながら、赤ちゃんを可愛がってくれる、良いおばあちゃんでいてくれています。私たちを頻繁に呼び出すことはなくなり、初節句やお食い初めなど、イベントの時には思い切りお祝いしてくれます。
私自身も、義母に対して抱いていた苦手意識が薄れ、感謝の気持ちを持って接することができるようになりました。
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あとがき:思い知ってから分かることもある
義母は、きちんと伝えればわかってくれる人だったのですね。人と人の適切な距離感は、とても難しいもの。善意からくるものであれば尚更ですよね。
結局、よい距離感を保つために必要なのは「話し合い」と「気遣い」ということなのかも。家族の距離感について学びがあるお話でした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:きさらぎ










