🔴【第1話から読む】自宅開催のママ会「わが家でもう10回」→チリツモでつのる“モヤモヤ感”|おもてなしは当たり前?
里香は、断れなかった自分のせいで家が「都合の良い公民館」になったと自覚し、次こそ断る覚悟を決める。自宅開催の当日、ママ友の1人・静香が里香のジュースを勝手に取ろうとした瞬間、里香はついに「真面目な話がある」と2人に切り出して…。
不甲斐なさでいっぱいになる
優一に背中を押されてから、私はずっと考えていました。どうやったら角を立てずに、でもハッキリと自分の気持ちを伝えられるだろうか。
「里香が優しいから甘えられてるんだよ」
優一のその言葉が、耳から離れませんでした。そう、私が悪いんです。断りきれず、笑顔で「大丈夫だよ」と言い続けてしまったから、彼女たちにとっては「わが家」が、無料で使えて、飲み物も豊富で、後片付けも最低限で済む、都合の良い場所になってしまったのでしょう。
そんな風に考えると、静香ちゃんや雅子ちゃんへの怒りよりも、自分の不甲斐なさに対する情けなさが先に立ちました。私は、友達付き合いを維持するために、自分を犠牲にしていたのかもしれない。もう、そんな我慢はしない。
ランチ会は当然わが家
そして、次の遊びの予定日が来ました。次は持ち寄りランチ会にしよう、とのこと。
静香:「ね、次も里香ちゃんちでいい?」
雅子:「うちも、たつやが里香ちゃんちのおもちゃで遊びたがってて…いいかな?」
里香:「うん、わかった。じゃあ、次の日曜ね」
私はその場で「無理」とは言えず、一度は承諾してしまいました。しかし、私はこの日、静香ちゃんと雅子ちゃんに、これまでの正直な気持ちを言うと決めていたのです。
そして迎えた当日。いつものように、テイクアウトのランチを持ち寄り、和やかに遊びがスタートしました。
このままじゃだめだ。勇気を出す決意
ランチの後、静香ちゃんの子どもたちが、また封印していた爆音のおもちゃをクローゼットから勝手に出そうとした時でした。
「あ、それ、さくらが起きちゃうからやめて!」
私はすぐにそう言って、おもちゃを棚に戻しました。静香ちゃんは「はーい」と軽く返事をするだけで、特に自分の子どもたちには注意しません。そして、静香ちゃんが冷蔵庫を開け、私のストックのジュースを取り出し、「里香、これ飲んでいい?」と聞いた瞬間。私はついに口を開きます。
「ちょっと待って、静香ちゃん」
私は、意を決して声を出します。2人は一瞬驚いたように私を見つめます。
「あのさ、ごめんね、ちょっと真面目な話なんだけど……」
私の声は、少し震えていました。この一言で、私たちの関係が変わってしまうかもしれない。そう思うと、胸が苦しくなりましたが、それでも言わなければ、私はずっとこのモヤモヤを抱えたままになってしまう。私は、優一に言われたように、自分自身のために、正直になることを選びました―――。
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あとがき:我慢の糸が切れる瞬間
里香さんが「友達と距離ができてもいい」と腹を括った瞬間が描かれます。
自分の声が震えるほど不安を抱えながらも、優一さんの言葉を胸に真剣な話を切り出す里香さんの姿は、自己肯定へ踏み出す勇気の大きさを物語っています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










