🔴【第1話から読む】シングルマザーに告白してきた同僚→丁寧に断ったら【地獄】の展開に|職場にいた逆恨み男の末路
中村さんという職員の助言で、香苗は退職を決意。ハラスメントの証拠と診断書を突きつけ会社を辞めることに―――。
優しさが心に染みわたる
「私、もう、どうしたらいいか分からなくて。子どもたちに八つ当たりするのも、もうやめたいんです…」
気づけば、私は職員の中村さんの前で、すべてを話し終えていた。途中、声が詰まって何度も言葉を失ったけれど、中村さんは一度も口を挟まず、ただ黙って、私の話を聞いてくれた。 話し終えると、彼女はそっと私の背中をさすってくれた。その手の温かさが、どれだけ心に染み渡ったか。
「よく頑張ったわね、宮田さん。本当に、よく耐えてきた。あなたはもう、我慢しなくていいのよ」
中村さんの言葉は、私が誰にも言えなかった本音を代弁してくれた。
世界が変わったような感覚
「私、実は以前はハローワークで働いていたの。あなたのケースは失業手当を受けられるはずだし、ハラスメント事由ならそのほかのサポートもあるはずよ」
そう言って、中村さんは私のために、具体的な公的支援の情報を調べてくれた。 ハラスメントを理由に退職した人がサポートを受けられる制度や、スキルアップ期間の手当など、私が知らなかったことばかりだった。
「あなたは1人じゃない。助けを求めてくれてありがとうね。まずはあなた自身が無理をするのをやめて、元気になりましょうね」
その言葉が、私の心に光を灯してくれた。どん底でもう無理だと思っていたけど、諦めないで一歩動いたら、こんなにも世界が変わるんだ。
助けを求めることは悪いことじゃない
私は、その後すぐに退職届を提出した。上司は引き止めたが、私は加藤さんの度重なる嫌がらせと、私の診断書を提出した。
「加藤さんからの業務時間外のLINEです。公衆の面前で貼られた付箋の記録も。これは、私への個人的な好意を拒否したことに対する報復行為で、ハラスメントです。このことを労働基準監督署に相談する準備もできています」
私の毅然とした態度と証拠を前に、上司は青ざめた。会社が労働問題を外部に持ち出されることを、最も恐れているらしい。
数日後、私は会社を辞めた。そして、退職からさらに数週間後、パートの山下さんから連絡があった。
「加藤くんは懲戒処分になって、地方の関連会社に異動したよ。宮田さんへの嫌がらせもバレて、部署内でも総スカン!」
その知らせを聞いた瞬間、私の胸に詰まっていた重い塊が、一気に溶けて流れていくのを感じた。彼は、自分の行いの報いを受けた。私を追い詰めた悪意は、結局、自分自身の社会的信用を根こそぎ奪い去ったのだ。
私はその後、公的なサポートを受けられることになり、興味があった分野の職業訓練を受けることにした。 今は、朝から晩まで精神的にすり減る代わりに、未来につながる知識を学ぶ日々。子どもたちとも笑顔で生活できている。りゅうやとみづきの笑顔が、私の支えだ。
助けを求めることは、悪いことじゃない。一歩踏み出し、手を伸ばし、そして正当に立ち向かえば、必ず誰かが手を差し伸べてくれる。子どもたちのために、そして、私自身のために。私は今、新しい自分を生き始めている―――。
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あとがき:手を伸ばせば、必ず道は開ける
中村さんとの対話を経て、香苗は被害者でいることをやめ、自身と子どもたちの未来のために立ち上がりました。上司に証拠を突きつける毅然とした態度は、過去の「大人の対応」とは真逆の、「自分を守るための闘い」です。加藤さんが懲戒処分を受けた報は、悪意が社会的に認められないという当然の結末であり、読者に爽快感を与えます。この話は、ハラスメントに苦しむ人々に対し、「助けを求めることは恥ではない」「法制度や公的支援を頼るべき」という強いメッセージを残し、困難を乗り越えた新しい人生の始まりを温かく描いています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










