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結婚式場見学を義母に知られ、当然のように同行を宣言される芹那と夫。当日、義母は義妹と義弟まで連れてきて、試食会は家族5人で分けることに―――。
夫婦で悩む義母の介入
はじめまして、芹那、31歳です。夫の太一も同い年で、私たちにはもうすぐ4歳になる長男のそらがいます。そらは本当にかわいくて、私の癒やし。普通の毎日を、普通の家族として送っている...つもりなんですけどね。
実は、私たち夫婦の一番の悩み、それは義母の「乱入グセ」なんです。もう、なんでもかんでも首を突っ込んできて、正直、困り果てていました。悪気がないのはわかるんです。わかるからこそ、強く言えない。この、「悪気がない善意」が、私には一番厄介なのです。
結婚前からその兆候はあった
思い返せば、この「なんでも乱入」の兆候は、私たちが結婚する前から始まっていました。
「ねぇ、太一くん。そろそろ式場見学に行かない?」
「ああ、そうだな。来月、試食会フェアを予約してみる?」
そんな私たち2人の会話を、太一くんがたまたま実家で話した時でした。その日の夜、義母から私に直接電話がかかってきたんです。
「芹那ちゃん、式場見学のこと、太一から聞いたわよ。私も一緒に行くからね」
...え? 試食会もあるから2人でゆっくり話したかったのに。でも「義母様は遠慮してください」なんて、結婚前の嫁が言えませんよね。
「ありがとうございます。うれしいです...!」
「こういうのは経験者の意見が大事なの。私も太一の母として、あなたたちの最高の式場を選びたいのよ」
.結局、私たちは義母の分の席を式場に追加してもらい、予約を3名に変更しました。
勝手に式場見学へきた義母たち
そして迎えた当日。太一くんと二人で予約時間ちょうどに式場に着くと、ロビーのソファに見慣れた顔が。
「あら、太一、芹那ちゃん。遅いわよ~!」
義母が、ニコニコと手を振っています。まるで試食会の主役は義母のようでした。
試食会が始まると、義母は「このフカヒレスープ、薄いわね」「このお肉はちょっと固いんじゃない?」と、料理に厳しい評価を下していきます。声が大きくて気まずくなり、私は料理の味がわからないほど恥ずかしかったのを覚えています。
結局、式場を検討するどころか、私たちは義母をもてなす一日になってしまいました。このころから、義母の首を突っ込む姿勢にはモヤモヤしていたのですが、こんなの、長い結婚生活の中では序の口みたいなものでした。
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あとがき:善意の仮面を被った「支配」の始まり
結婚は、二人の新しい生活の始まりです。それなのに、式場選びという一番楽しいはずの準備に義母が乱入するなんて…。芹那さんの疲労は想像に難くありません。「家族みんなで決めるのが当然」という義母の言葉は、一見するとわが子思いの「善意」ですが、実際は新しい家族の決定権を奪う「支配」の始まりでした。
新郎新婦ではなく、義母が主役になってしまったこの日、芹那さんが感じた「戦い」の予感は、この後の展開を象徴していますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










