🔴【第1話から読む】家族ぐるみで付き合うママ友【朝6時にアポなし訪問】→ヤバすぎる理由に硬直｜距離感がおかしいママ友
幼稚園で他のママ達にあらぬことを吹き込んでいたママ友と正面からぶつかりあったれいこ。ママ友の悪事をぶちまけると、周囲はあからさまにざわつき始めて…。
ママ達に悪行がバレたママ友が取った行動とは？
私の声は震えていたかもしれませんが、幼稚園の門の前に響き渡りました。 あけみさんの顔はみるみるうちに真っ赤になりました。周囲のママさんたちが「えっ、朝6時？」「スクショ晒し？」とざわつき始めます。自分の悪事が露見し、周囲の目が冷ややかなものに変わっていくのを感じたのでしょう。あけみさんは何も言い返せず、唇を噛み締めました。 そして、ちょうど挨拶を終えて出てきた娘を引き取ると、逃げるように去っていきました。
残された私は、肩の力が抜け、その場にへたり込みそうになりました。ともこさんが背中をさすってくれ、「大変だったね……」と声をかけてくれた時、ようやく涙が滲んできました。
それから数日後の週末のことです。 わが家のインターホンが鳴りました。モニターを見ると、そこにはスーツ姿のあけみさんの夫と、気まずそうなあけみさんが立っていました。手には大きな菓子折りを持っています。 夫と2人で玄関に出ると、あけみさんの夫は深々と頭を下げました。
「この度は、妻がとんでもないご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません！」
驚く私たちに、彼は事情を説明してくれました。あの日、娘さんが「ママ、今日すごく怒られてたよ。悪いことしたの？」と、父親である彼に告げたのだそうです。 不審に思った彼があけみさんを問い詰め、すべてが明るみに出たのです。
「朝早くにそちらへお邪魔していたのも……妻は『れいこさんに誘われた』と言っていたんです。『れいこさんが朝が都合がいいって言うから』と……」
あけみさんの夫は、苦渋に満ちた表情でそう言いました。 私は呆れてものが言えませんでした。あけみさんは、自分の非常識な行動を正当化するために、夫にまでウソをついていたのです。
関わりのなくなったママ友…だけど、これでよかった
「SNSの件も確認しました。本当に……なんてお詫びをしていいか……。課長のご家庭に、こんな失礼なことを……」
彼は私の夫に対しても、顔向けできないといった様子で詫び続けました。私の夫は「プライベートで、しかも君の問題ではないし謝ることじゃないよ。ただ、れいこはだいぶ参っていたようだから、今後は気をつけてやってくれ」と、真剣な表情で言いました。
隣にいたあけみさんは小さく「すみませんでした」とだけ。その顔には「謝ることの悔しさ」「事が大きくなった焦り」が見えました。だから私も、何も返しませんでした。
それでもあけみさんの夫は、何度も頭を下げて帰っていきました。その背中はとても小さく見えました。
その日を境に、あけみさん一家とは疎遠になりました。幼稚園で見かけることはありますが、声をかけることはありません。SNSの投稿も見かけなくなりました。
子ども同士も、今は自然と別のお友達と遊ぶようになりました。息子があけみさんの娘の話をすることもなくなりました。
こうして、私のこの街での「モヤモヤ」は、一応の解決を見ました。 窓の外には、変わらず穏やかな街並みが広がっています。夫の職場は近く、生活は便利で、街自体はとても住みやすい場所です。 けれど、私は学びました。
「家族ぐるみ」という言葉の響きは美しいけれど、そこには個人の境界線を曖昧にする危険が潜んでいること。そして、どんなに近い関係であっても、違和感を覚えた時には勇気を持って断る大切さ。
あけみさんとの一件は辛い経験でしたが、この街で本当の意味で自立して生きていくための、高い授業料だったのかもしれません。これからは、自分のペースで、本当に心地よいと思える人間関係を、少しずつ築いていこうと思います。
あとがき：生活を守るために、仲良くする人は選ぶべき
ついにあけみさんの夫まで出てきて、お詫びする事態になってしまいました。家族ぐるみの穏やかな付き合いのはずが、こうなってしまうなんて想定外だったことでしょう。
そりの合わない、自分の常識と合わない人とは距離をとること。それが自分の心を守る鉄則ということですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
