🔴【第1話から読む】「キスもハグもない」「私、家政婦なのかな」→乾ききった友人の【告白】|レスを理由に不倫する友人
人づてに香苗の離婚を知ってから数か月後、変わり果てた姿の香苗を見かけた朱莉。あえて声をかけることはせず、自分の幸せを守り抜くことを改めて心に決めるのでした―――。
孤独に歩く友人を発見
それからさらに数か月。 私は雨の日の街中で、偶然香苗を見かけた。 以前の派手な服ではなく、どこか疲れた様子の彼女は、1人でコンビニ袋を提げて歩いていた。
一瞬、声をかけようかとも思ったけれど、やめた。 今の香苗にかける言葉はないし、何か言えば追い打ちになってしまいそうだと思った。そのくらい彼女が失ったものは、あまりにも大きい。 大切だったはずの夫の信頼、子どもとの毎日、そして自分自身への誇り。
不倫相手だった男性とも、慰謝料問題で破局したらしいと、共通の友人・美智子から聞いた。 「お互いに補い合っている」なんて、ただの幻想に過ぎなかったのだ。
セックスレスでも、再構築はできるはず
私は家に帰り、玄関で迎えてくれたかえでを抱きしめた。
「おかえり、ママ!」
「ただいま、かえで。いい子にしてた?」
「うん! パパと絵本読んでたの!」
奥から一成が顔を出す。
「おかえり、朱莉。夕飯、ハンバーグにしたよ」
「ありがとう、一成」
私たちは、完璧な夫婦ではない。 今でも時々喧嘩もするし、育児に追われて余裕がなくなることもある。でも、何かあった時は、真っ先に相手の目を見て話す。 逃げずに、向き合う。 その積み重ねが、私たちの足元を固めてくれている。
香苗が言っていた「魔がさす」という言葉。今なら少しだけ、その危うさがわかる。人は誰でも、暗闇の中に1人でいれば、遠くに見える小さな火に引き寄せられてしまう。 でも、その火が自分を焼き尽くす毒火であることに、燃え上がるまで気づかないのだ。
幸せは守っていくもの
大事なことにきちんと向き合っていれば。 勇気を持って、最後の一線を守り抜いていれば。 彼女の隣には今も、子どもたちの笑い声があったはずだ。
日常は、当たり前じゃない。 私も、今当たり前にある温もりを離さないように、しっかり夫と娘の手をにぎる。 私たちはこれからも、対話を諦めない。たった1人の伴侶と愛すべきわが子と幸せに生きていくために、目の前の幸せを大切に生きていきたい。
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あとがき:幸せという名の、終わりのない戦い
「幸せは守るもの」。この一言に、本作のメッセージを込めました。一度築いた関係も、メンテナンスを怠れば容易に崩れてしまいます。朱莉が最後に選んだのは、派手なときめきではなく、温度のある日常でした。
香苗の影を心に刻みながら夫の手を強く握る朱莉の姿からは、家族を大切にし続ける決意がうかがえます。隣にいる人の目を見て、言葉を紡ぐこと。その大切さを再確認していただければ幸いです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










