🔴【第1話から読む】最低男と妹の「運命の出会い」彼氏のスマホは真っ黒で
忠告を無視して純一と会い続けるかなでに対し、サツキは「口出しをしない」と決める。本人が心から嫌いになるまで待つしかない――。つらい決断を下した家族は、彼女がボロボロになって戻ってきた時の居場所を守り続ける。
妹を想っての苦渋の決断
「もう、何も言わないことにした」
私はリビングでため息をつきながら、母に告げた。
あれから、かなでは何度か純一と会っているようだった。貴重な20代。その1分1秒がどれほど価値のあるものか、26歳の私には痛いほどわかる。そんな嘘つきの30歳男に費やす時間は、ドブに現金を捨てているようなものだ。
「浮気と嘘は一生治らない」――これは人生の真理だと言ってもいい。
母と見守る約束をする
でも、かなでは頑なだった。周りが何を言っても、今の彼女には届かない。恋愛は本人の自由。強制的に引き離したところで、彼女の心が納得していなければ、また同じような男に引っかかるだけかもしれない。
「サツキ、本当にそれでいいの?」
母が心配そうに私を見る。
「お母さん、今のかなでには何を言っても逆効果だよ。自分でも『やめたほうがいい男』だってことは分かってるんだから。それでも好きっていうのは、もう本人が痛い目を見て、心から嫌いになるまで待つしかないんだよ」
私は、自分自身に言い聞かせるように言葉を続けた。
「ちょっとだけ、見守ってみよう。かなでが本当にボロボロになって帰ってきたとき、私たちが全力で受け止められるように準備しておこうよ」
母は寂しそうに「そうね……」と頷いた。
妹の様子を気にしつつ…終わりが近づいてくる
それからの数か月、家の中には妙な緊張感が漂っていた。かなでは時折、楽しそうに帰ってくることもあれば、部屋にこもって泣いている夜もあった。 私はそのたびに、口を出しそうになるのを必死で堪えた。
「最近どうなの?」という言葉すら飲み込んだ。
ただ、かなでが好きな料理を作ったり、仕事の合間に話題のスイーツを買って帰ったりして、「ここはあなたの味方だよ」というサインだけは出し続けた。
大好きな妹だからこそ、これ以上傷ついてほしくない。でも、大好きな妹だからこそ、彼女自身の力でこの依存から抜け出してほしい。 私は祈るような気持ちで、その時が来るのを待った。
まさか、その「終わり」が、これほどまでに残酷で、かつ「スッキリ」する形で訪れるとは、その時の私たちは知る由もなかった。
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あとがき:愛しているからこそ、突き放すという究極の優しさ
身内がダメ男にハマっている時、無理に引き離そうとすると逆に絆を強めてしまうことがあります。サツキが選んだ「見守る」という選択は、実は一番エネルギーが必要で、忍耐がいること。妹の20代という貴重な時間をドブに捨てている姿を見るのは、姉としてどれほど苦しかったでしょうか。スイーツを買い、味方であることを示し続けるサツキの姿に、真の家族の絆と、深い愛情を感じずにはいられません。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










