🔴【1話から読む】不倫?純愛?子連れ再会で見せつけられた友人たちの“狂った距離感”
里奈とのやりとりを拓也の妻に見られ、修羅場が発生。それでも、2人は完全に連絡を絶っておらず、奈緒の胸にはいやな予感が広がっていた。
「前と変わらない」の意味
拓也の奥さんとの修羅場の後。里奈と私とのやり取りから、拓也の話題は消えた。
子どもの話、習いごとの話、スーパーの特売の話──いつもどおり。それが逆に不気味に思えた。
(本当におわったのかな……?)
半信半疑だった。でも、こっちから聞くのもこわい。
(もし、まだ続いていたら?もし、私が口を出すことで関係がこわれたら?)
そんな中途半端な立場のまま、数週間が過ぎた。
ある日、公園で偶然、里奈に会った。子ども同士がすぐに走り寄る。里奈は自然な表情で笑っていた。
「このあと時間ある? 近くでご飯でもどう?」
「……うん、いいね。行こう」
ことわれなかった。むしろ、今日は聞かなきゃと思った。
ファストフードのテーブル。子どもたちは早々に食べおえて、遊具で遊び始めていた。そのスキに、私は切り出した。
「……拓也とは、どうなってるの?」
里奈の手が一瞬止まる。でも、すぐに笑った。
「普通だよ。前と変わらない」
「……前と変わらないって?」
「連絡もしてるし、公園もたまに一緒になるし」
私は息をのんだ。
「……距離置くって言ってなかった?」
里奈は少しだけ眉をひそめた。
「でもさ、やましいことしてないし。奥さんも、あれ以来何も言ってこないし…ただ話してるだけだよ?」
里奈は開き直ったように、拓也との近すぎる距離感を正当化した。その口調や表情に、罪悪感や危機感は微塵(みじん)も感じられなかった。
「私たち、"心の支え"なだけだし、ね」
その言葉で私の中の何かが切れた。
ついに爆発した本音
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「それがダメなんだよ!」
言った直後に自分でもおどろくくらい、里奈に怒号をあびせていた。周囲の視線を感じたが、もう抑えきれなかった。
「“心の支え”って何?既婚者同士がそれ言って、何もないわけないじゃん!」
里奈の顔がこわばる。
「奈緒に何が分かるの?」
その一言に胸が痛んだ。分からない。でも──
「子どもたち、あそこで一緒にたのしそうに遊んでるよね?」
私は、遊具で遊ぶ子どもたちを指差した。無邪気に笑い、たのしそうに遊んでいた。
「この前みたいに…バレたらどうなる?今度こそ家庭、こわれるよ?里奈の子も拓也の子も、傷つくかもしれないんだよ?」
里奈はだまって視線を落とす。でも、完全には折れない。
「……大げさだよ」
その言葉が決定打だった。
「大げさじゃない!」
私ははっきり言った。
「もう家族を巻き込んでるの!拓也の奥さんに電話させた時点で…もう当事者でしょ?」
一瞬の静寂。里奈は何も言わなかった。
傍観者ではいられない
その夜…まよった末、私は拓也にも連絡を入れた。正直、ふるえていた。でも、止められるのは今しかないと思った。
「電話なんてめずらしいね、どうした?」
いつもは話しやすく感じる拓也の口調も、今はいら立つ要素でしかなかった。
「突然ごめん。里奈と拓也の友人として、2人のことが大切だから言うね」
そう前置きして、私は深く息を吸った。そして、淡々と伝えるべきことを伝えた。
「里奈から、拓也との関係とかトラブルのこと聞いてる。お互いに家庭があるよね?2人の都合で家族を巻き込まないで。特に、子どもたちのこと…ちゃんと考えて」
淡々と話しつつも、自分でも分かるほど、その語気には静かで強い憤りが感じられた。拓也はだまったままだった。
「もし、2人が本気で一緒になるって言うなら…せめて、筋を通して。きちんと整理してからにして…」
そう言い切った後、しばらくの沈黙が続いた。
余計なことした?友だちをうらぎった?でしゃばりすぎた?そんな不安が込み上げてくる。でも、何もしないほうがもっと後悔する気がした。
鼓動が落ち着き始めたちょうどその時、拓也の声が沈黙をやぶった。
「……ごめん、ちゃんと考える」
私は通話を切った。スマホを置くと、一気に力が抜けて、興奮が冷めていく。「やるべきことは、した」そう思いたい。
でも、2人との関係は、もう前と同じじゃないかもしれない。
もしこれで、縁が切れたら?10年来の友人…。子ども同士のつながり。全部、こわれるかもしれない。
くらい部屋で、私は静かに泣いた。
私の行動が正しかったのかは、正直、分からない。でも、もう傍観者ではいられなかった。この先、2人がどんな形になるのか、想像するのがこわかった。
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あとがき:介入する勇気と、その代償
友人の問題にどこまでふみ込むべきか。止めることで関係がこわれるかもしれない。けれど、何も言わなければ、もっと大きな傷を残すかもしれない。
正義感なのか、ただの自己満足なのか─その境界線は簡単には分かりません。それでも奈緒は傍観者でいることを選びませんでした。大人の友情は、ときにきびしさを伴います。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。










