🔴【第1話から読む】人手不足の喫茶店でママ友を採用→かえって増えてしまった【悩みごと】|ママ友を雇ったらもめた話
人手不足の喫茶店でママ友・みやこを雇ってしばらく。彼女の勤務態度に悩まされている日々の中、ついに一際大きな事件が発生してしまいます―――。
同僚の失敗を罵る棚上げ主義
ある火曜日の午後、事件は起きました。ランチタイムの喧騒がようやく収まり、店内には数組のお客様が残っているだけでした。レジを担当していた田中さんが、青い顔をして私のところにやってきました。
「店長、申し訳ありません。お会計でミスをしてしまいました……。1,000円少なく受け取ってしまったようです」
田中さんは深く頭を下げ、今にも泣き出しそうなほどでした。普段から誰よりも真面目に、そしてていねいに仕事をしてくれている田中さんです。しかし人間であれば誰しもミスはあります。
「いいんですよ、田中さん。誰にだって間違いはあります。次から気をつけましょう。差額は私が調整しておきますから、そんなに自分を責めないで」
私が優しく声をかけると、田中さんは少しだけ安堵した表情を見せました。しかし、その光景を見ていたみやこさんが、突然冷ややかな声を上げました。
「え~りほさん、甘すぎるんじゃない? お金のことって1番間違えたらいけないところですよね」
みやこさんは作業していた手を止め、田中さんの目の前にやってきます。
「田中さんってベテランなのにね。気が緩んでたんじゃないですかね?」
田中さんはいたたまれなくなり、その場でポロポロと涙をこぼし始めました。それを見たみやこさんは、心配するどころかこう言うのです。
「やだ~いい歳して泣くんですか?みっともないですよ」
「みやこさん!」
私は強い口調で割って入りましたが、みやこさんは「私は正しいことを言っているだけ」と言わんばかりの表情で私をにらみ返してきました。
私のことまで馬鹿にしてる?
私は泣きじゃくる田中さんの肩を抱き、今日はもう上がるように伝えました。彼女を裏口から見送った後、店内には私とみやこさんの2人きりの、重苦しい空気が流れました。
「……みやこさん、さっきのはないよ。ミスをしたのは良くないけれど、あそこまで罵る必要はないはずですよ」
私が静かに問うと、みやこさんは鼻を鳴らして答えました。
「りほさんは気が弱いから。店長が厳しく言えない分、私が代わりに言ってあげたのに」
その言葉に、私は胃のあたりが熱くなるのを感じました。彼女は私を助けているつもりなど毛頭なく、単に自分より立場の弱い人間を叩いて優越感に浸り、さらには店長である私をも「気が弱い女」として見下していたのです。きっと私の誘いに乗ったのも「りほさんの職場なら適当なことができる」という下心からだったのでしょう。
ママ友という関係性が、いつの間にか彼女の中で「対等」を通り越し、店の中でのパワーバランスを歪ませていました。
普段からうまく手を抜き、私がいなければスマホをいじり、仕込みの重労働からは逃げ回っている彼女。そんな彼女が、ミスをした同僚を「店員失格」と断じる矛盾に、私は吐き気がしました。 私は彼女に何も言えなくなり、ただ黙って洗い物を始めました。流れる水の音だけが、今の私たちの壊れた関係を象徴しているようでした。
「明日、学童がお休みだから、りおんにお店に来てもらおうと思って」
私は、自分自身の心を落ち着かせるように、翌日の予定を告げました。学童がお休みの日は、カウンターの隅で宿題をしながら私の仕事が終わるのを待つのが、りおんとのルーティンでした。 学校からこのお店は我が家と違い目視できるくらいに近場にあるので、わざわざお迎えに行く必要もないのです。
「あら、そうなの? 実はみつるも、明日おばあちゃんが病院の日で、居場所がないの。一緒にお店に置かせてもらってもいい?」
みやこさんの声は、先ほど田中さんを罵倒した時とは打って変わって、明るいママ友のトーンに戻っていました。その変わり身の早さに、私はさらに深い溜息を飲み込むしかありませんでした―――。
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あとがき:リスペクト不足にも程がある
年上の先輩を、傲慢な言い方で泣かせてしまうママ友・みやこ。同僚である以前に、ママ友としての関係すら断ちたくなってしまいますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










