🔴【第1話から読む】人手不足の喫茶店でママ友を採用→かえって増えてしまった【悩みごと】|ママ友を雇ったらもめた話
主人公・りほとママ友・みやこ、それぞれの子どもが2人が働くお店へやってくることに。そこでみやこは、自分の子どもの前で見栄を張ろうと画策しているようで…。
無邪気でかわいいお客様
翌日のお昼。学校を終えてまっすぐりおんとみつるくんが元気に店にやってきました。
「りおん、学校お疲れ様。みつるくんも、よく来たわね」
私が声をかけると、みつるくんは「ママが働いてるところ見せてくれるって言ってたから」と楽しそうにしていました。りおんは慣れた様子で、カウンターの端にあるいつもの席にランドセルを置きました。
みつるくんは、エプロンを締めてテキパキと(あるいはそのように見せて)動く母親の姿を見て、目を輝かせました。
「わあ、ママ、かっこいい! お店の人って感じ」
「そうよ、ママはここでお仕事頑張ってるの」
みやこさんは胸を張り、得意満面な顔で息子に笑いかけました。その姿だけを見れば、理想的な働く母親に見えるかもしれません。
しかし、その足元にあるゴミや、拭き残されたテーブルの汚れを、彼女は全く気に留めていませんでした。
しばらくは常連のお客様が続き、私はカウンターの中でコーヒーを淹れ、みやこさんは注文を取るという役割分担で動きました。みつるくんは、みやこさんがお客様から「ありがとう」と言われるたびに、嬉しそうに拍手をしています。
「ママ、かっこいい!」
みつるくんの純粋な言葉が、店内に響きます。内心それに、日頃の彼女を知る私は胸を痛めていました。
ピーク時を過ぎ、少し客足が落ち着いたころ。せっかくだからお店のまかないで子どもたちにおやつを用意しようと考えました。
「2人とも、おなか空いたでしょう? 何か好きなものを注文していいわよ。サービスね」
私がそう言うと、りおんは嬉しそうにメニューを開きました。
「ママ、私はいつものミックスジュース!あとはオムライスがいいな」
「僕はね……」
みつるくんは、メニューに大きく載っている写真に指を止めました。
何もかもが予想通りの展開
「これ! ホットケーキがいい! ホイップクリームとイチゴがいっぱい乗ってるやつ!」
それは、ルミエール自慢の「特製厚焼きホットケーキ」。メレンゲをていねいに泡立て、弱火でじっくりと時間をかけて焼き上げる、少し技術のいるメニューです。 いつもは私が作っているのですが、ふとあることを思いつきました。それはほんの少し意地悪かもしれないものの、みやこさんを変えることができるかもしれない…そんな希望でもありました。
「OK!じゃあ、りおんのは私がやるから、みつるくんのは、ママに作ってもらおうね」
私が提案すると、みやこさんは一瞬、顔を強張らせました。
「えっ、私? りほさんが作ったほうが早いんじゃない?」
「みつるくん、ママの作ったホットケーキがいいよね?」
「うん! ママのホットケーキがいい!」
こうなると、みやこさんも引くわけにはいきません。
「……わかったわ。みつるのために、特別においしいやつを作るね」
経験は嘘をつかない
みやこさんは気合を入れるように腕まくりをしました。
しかし、私は知っていました。彼女がこの1年、ホットケーキの注文が入るたびに「時間がかかるから」と言って私に押し付け、自分では一度も真剣に練習してこなかったことを。しかし作り方を教えてはいるので、彼女に一任しても文句を言われる筋合いはないのです。
彼女はボウルに材料を入れ、雑に混ぜ始めました。メレンゲの泡立て方も不十分で、フライパンの温度管理も適当です。
「みやこさん、火が強すぎるよ。もう少し弱めないと、外だけ焦げて中が……」
さすがに見かねて声をかけると、みやこさんはこちらを睨んできました。
「大丈夫、わかってるから」
彼女は私の助言を拒絶しました。息子が見ている前で、私から教えを請うのがプライドに障ったのでしょう。
しかし、調理台からは次第に香ばしい匂いを通り越し、焦げたような匂いが漂い始めました。みやこさんは焦ってフライパンの中身をひっくり返そうとしましたが、生地が十分に固まっておらず、ぐちゃりと崩れてしまいました。
「あっ……!」
みやこさんの悲鳴に近い声が上がり、りおんとみつるくんが心配そうにキッチンを覗き込みました―――。
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あとがき:見栄の代償?
自分の子どもの前で見栄を張りたい気持ちはわかりますが、さすがにこれはまずいのでは?と誰でも予測できます。
これまで面倒な仕事から逃げてきたツケが回ってきているのかもしれません。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










