公園での集まり。由美子の娘・望が激しい癇癪を起こす。その様子を見た通りすがりの女子高生が「ああいう子、マジで無理」と吐き捨てた。それは、由美子が冴香に言い続けてきた言葉。因果応報のブーメランが彼女を襲う。
公園でママ友たちと遊ぶことに
その日はよく晴れた土曜日でした。広い芝生広場に、数組の親子が集まりました。
私はハジメと相談した通り、由美子ちゃんとは適度な距離を保ち、他のママ友たちと会話を楽しんでいました。壮一は相変わらず、犬のように走り回って楽しそうにしています。
由美子ちゃんは、どこか不満げな様子でした。私が自分を避けていることに気づいているのかもしれません。彼女は時折、遠くにいる壮一を指さしては「相変わらずねえ」と、聞こえるような声で独り言をつぶやいていました。
おやつの時間に事件は起きた
そんな中、事件は起こりました。 おやつの時間になり、みんながシートに集まり始めた時のことです。
望ちゃんが「もっと遊びたい! チョコがいい!」と、突然激しい癇癪を起こしました。彼女の癇癪は一度始まると長く、地面に寝転がって手足をバタつかせ、鼓膜を突き刺すような高音で泣き叫びます。由美子ちゃんは顔を真っ赤にして「もう、恥ずかしいからやめなさい!」と怒鳴りましたが、望ちゃんの勢いは増すばかり。
その時、すぐ横の遊歩道を、高校生くらいの女の子3人組が通りかかりました。 彼女たちは、地面でのたうち回る望ちゃんと、それを怒鳴りつける由美子ちゃんの姿を、冷ややかな目で見つめていました。
「……うわ、すご」
一人の子が、ボソッと呟きました。
「ねえ、私、子どもって基本好きだけどさ……。ああいう子、マジで無理だわ」
「わかるー。あんな風に泣かれたら、私なら絶対無理。親も大変だね」
彼女たちの声は、静まりかえった公園に、はっきりと響き渡りました。 それは、由美子ちゃんがいつも私と壮一に向けて放っていた言葉と、まったく同じ「無理」という断絶の言葉でした。
不意に言われた「無理」にママ友の表情が変わる
由美子ちゃんの動きが、ピタッと止まりました。彼女は顔をこれ以上ないほど真っ赤にし、女子高生たちの背中を、般若のような形相で睨みつけています。
でも、彼女たちに反論することはできませんでした。なぜなら、彼女たちはただの「通りすがりの第三者」であり、感じたことを口にしただけだったからです。
私はその光景を、少し離れた場所から見ていました。由美子ちゃんが受けた衝撃は計り知れません。自分が一番信じ、誇りに思っていた「手のかからない娘」が、赤の他人から「無理」だと切り捨てられたのです。
私は、由美子ちゃんの震える背中を見て、ふと思いました。
(ああ、これが彼女が私にずっと味合わせていた感情なんだ)
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あとがき:鏡合わせの「無理」という断絶
物語が大きな転換点を迎えます。由美子ちゃんがこれまで無自覚に振りかざしてきた凶器が、全く同じ形で自分と愛娘に突き刺さった瞬間です。女子高生の言葉は残酷ですが、それは由美子ちゃん自身の写し鏡でもありました。自分が他人に味わわせていた「拒絶の痛み」を、守るべき我が子が受ける側になった時の絶望。皮肉な運命のいたずらが、彼女の価値観を根本から揺さぶる衝撃的な展開となりました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










