整備士の夫・義彦を誇りに思う幸恵だが、シングルマザーのママ友・里奈の言動に頭を悩ませていた。里奈は「友達価格」を盾に義彦へ個人LINEを送り、距離を縮めてくる。夫は仕事だと割り切るが、幸恵の不安は募る。
育児の戦友だったはずのママ友
「ねえ、義彦さんって本当に頼りになるよね。うらやましいな、幸恵ちゃん」
公園のベンチで、ママ友の里奈さんは自虐気味に笑いながらそう言いました。私、幸恵(31)は、2歳になる娘の楓を追いかけながら「仕事だからね」と苦笑いして答えるのが精一杯。
私の夫、義彦(32)は地元のカーディーラーで整備士兼営業をしています。真面目で腕も良く、職場での信頼も厚い自慢の夫です。
一方の里奈さんは、楓と同じ年の子を持つシングルマザー。最初は「育児の戦友」として仲良くしていたはずでした。
夫の客でもあるママ友の様子に違和感
ところが最近、彼女の態度に違和感を覚え始めたのです。
「この前もね、車の異音が気になって義彦さんにLINEしちゃった。すぐ見てくれるって言ってくれて、本当に助かる。あ、もちろん『幸恵ちゃんのご主人割引』でお願いしちゃったけど!」
里奈さんは悪びれもせず、勝ち誇ったような顔で言いました。私の胸の奥がチリッと痛みます。 彼女とは以前、ちょっとした育児方針の違いから少し距離を置くようになりました。今は正直、苦手なタイプです。それなのに、なぜか彼女は私に対して異常なまでの対抗心を燃やし、事あるごとに私の領域に踏み込もうとしてくるのです。
「……里奈さん、仕事のことはお店の公式LINEか電話で通してほしいな。夫も家では休ませてあげたいし」
私が努めて冷静に言うと、里奈さんは大げさに肩をすくめました。
「えー、冷たいなあ。友達じゃない。それに義彦さんも『困ったらいつでも連絡して』って言ってくれてるんだよ? 幸恵ちゃん、ちょっと束縛激しすぎない?」
その言葉に、反論できずに黙り込んでしまいました。
気持ちを伝えても受けとってもらえない
その日の夜、帰宅した義彦にそれとなく切り出してみました。
「ねえ、里奈さんの車の件なんだけど……。個人LINEでやり取りするのは控えてもらえないかな? 私、あんまりいい気分じゃなくて」
義彦は疲れ果てた顔で、夕食の箸を止めました。
「幸恵、気持ちはわかるけどさ。彼女も一人で大変なんだろうし、大切なお客さんなんだ。成約台数や整備の入庫数は俺の給料に直結するんだよ? 楓のためにも、今は稼がないと」
「それはわかるけど、でも……」
「仕事だよ、幸恵。割り切ってくれよ」
夫の正論に、私はそれ以上何も言えなくなりました。でも、里奈さんのあの含みのある笑顔が脳裏に焼き付いて離れません。これは本当に、ただの「仕事」なのでしょうか。
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あとがき:「親切」という名の侵食
「仕事だから」「困っているから」――そんな正論で妻の違和感を封じ込める夫の姿に、胸がザワついた方も多いのではないでしょうか。里奈の言葉の端々に漂う「あなたの夫を自由にできる」という特権意識。それは純粋な助け合いではなく、明らかに幸恵さんの領域を土足で踏み荒らす行為です。家庭という聖域に、じわりと毒が回り始める不穏な幕開けに、思わず幸恵さんの肩を持ちたくなりますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










