🔴【第1話から読む】餌食になった新入社員!付き合った相手は既婚の上司
酒の席で森永に色々話してしまった由美子。すると翌日、なんと森永が会社にやってきました。果たして、彼女の目的とは?
意外な来訪者、その目的は?
翌日。
気が重いながら出社しようとすると、会社の前に森永さんが立っていました。驚く私に、「今日は私が御社にご挨拶に来ました」と彼女は説明しました。しかしそんな話は聞いていません。
どうやら彼女いわく、先ほど部長にだけ話を通したそうです。それも、部長に極秘で会うため他者には伏せておいてほしいと。
訳が分からない私に、森永さんは改めて尋ねました。
「由美子さん。あなたが私に話してくれたことは、すべて真実ですね?」
「は、はい。間違いありません」
「なら結構。これ以上、あなたが気負うことはありません」
彼女と一緒にオフィスに向かうと、オフィスはいつも通りの「それ」でした。田中さんが春奈さんのデスクに腰掛け、コーヒーを片手に楽しげに談笑しています。
「おっ、由美子さんお帰り。昨日どうだった? 森永の鬼婆にこってり絞られ…」
田中さんは、私の背後に立つ人物に気づかず、いつもの軽薄な笑みを浮かべて近づいてきました。
しかし、私の横から一歩前に出た森永さんの姿を見た瞬間、彼の顔から血の気が、滝のように引いていくのが目に見えました。手にしたコーヒーカップが、カチカチと音を立てて震えています。
「え……っ!? お、お前……いや、君、どうして、ここに……っ!?」
「『どうして』ですって? 私の仕事場に、私の夫が勤める会社の社員が営業に来た。そしてせっかくならビジネスパートナーとして会社の様子を見せてもらいにきた。ただそれだけのことよ、驚くようなことじゃないでしょう?」
森永さんの声は、低く、しかし驚くほど遠くまで響きました。オフィス中の社員が、一斉にこちらを振り返ります。「夫」という言葉が放たれた瞬間、空気が物理的に重くなったように感じました。
私もあまりの展開にぽかんとするしかありませんが、二人の攻防はゴングを鳴らしてしまったようです。
「あ、いや、これは、その……」
森永さんは、田中さんのデスクに置いてある温泉饅頭を手に取りました。
「箱根、出張ではなくて旅行だったそうね?」
田中さんは口をパクパクとさせ、隣にいる春奈さんは状況が飲み込めず、ただ青ざめて立ち尽くしています。どうやらごまかすほどの頭も回らないようです。
追い詰められた不倫カップル
「森永さん……あ、いえ、奥様……えっと、田中さん……?」
さすがに私は混乱して口にしてしまいました。すると森永さんは「ああ」と思い出したように口にします。
「結婚して私も田中姓になりましたが、仕事上色々面倒で旧姓である森永を名乗っているのです」
「な…なるほど」
私が勝手に納得しているうちに、森永さんは辺りをきょろきょろと見回しました。その視線がたまたまそこにいた春奈さんに止まると、森永さんはずかずかと彼女に近づきました。
「もしかして、あなたね?」
すべてを悟ったらしい春奈さんが、震える声で「えっと…その…」と口を開きました。彼女もまた、誤魔化す余裕がないようです。
その瞬間、森永さんの視線が、憐れみを含んだ氷のような光で春奈さんを射抜きました。
「なるほど、電話で散々聞いた声だわ。まさかあなたが不倫相手だったなんてね…主人から、仕事ができなくていつも泣きついてくるから、適当に食事に誘ってなだめている『迷惑な後輩』がいると聞いていたけれど……なるほど、こういうことだったのね。やっとすべて繋がったわ」
田中さんは、家では春奈さんのことを「足手まといな部下」として扱い、会社では彼女を「俺の愛人」として自慢していたのです。二重の裏切り。二重の侮辱。
「おおかた、私に会わせたら万が一のことが…と思って由美子さんに行かせたのね。まあ私にしても、あなたよりは由美子さんに来てもらって仕事としては正解だったけれど」
春奈さんは目を見開いて硬直していました。何も言えないようです。
「部長。いらっしゃいますか」
森永さんは動揺する周囲を無視し、奥の個室を睨みつけました。慌てて飛び出してきた部長に対し、彼女は一切の容赦なく宣告しました。
「私的な件で業務時間を割くのは本意ではありませんが、御社のコンプライアンス、および私の契約に関わる重大な事案です。今すぐ、この不届きな夫と、そちらの女性、そして監督責任のあるあなたと、四人で話をさせていただきます」
田中さんは膝から崩れ落ち、春奈さんはその場に座り込んで号泣し始めました。嵐の前の静けさは終わり、すべてを焼き尽くす審判の時が訪れたのです。
最高の展開の始まり
まさかの急展開です!先日うっかりとはいえ内情を話していた由美子、これは意外なファインプレーでしたね。不倫した当人同士だけでなく部長まで巻き込んだ結果は、一体どうなるのでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










