🔴【第1話から読む】「出かけてばっかりだから忙しいんでしょ?羨ましいな」大声で嫌味!フレネミーママ友の策略
小百合の変貌の裏には、お受験塾での劣等感があった。優しかったころの彼女を知る薫は、娘の将来のためにと反論を飲み込み耐え続ける。しかし夫の「自分を削る必要はない」という言葉に、距離を置く決意を固める。
入園当初のトラブル
小百合さんに「ひかるが殴り合いをする」なんて言われたあの日から、私の心はトゲが刺さったような痛みを抱えていました。何より許せなかったのは、彼女が「ひかるがやり返す」という前提で話をしていたことです。
実は、入園当初の小百合さんは、本当に普通の、むしろ謙虚でかわいらしい人でした。 ひかるとりんかちゃんが遊んでいた時、りんかちゃんが激しくひかるの腕を引っ掻いてしまったことがあったのですが、その時の彼女は顔を真っ赤にして平謝りでした。
「本当にごめんなさい!りんか、なんてことを……!」
申し訳なさそうに涙を浮かべる彼女を見て、私は「大丈夫ですよ、遊びの延長ですから。気にしないでください」と、心から彼女を許しました。
後から先生に聞いた話では、ひかるはりんかちゃんが怒られるのを心配して、自分が引っ掻かれたことを自分からは言わなかったそうです。親友をかばうために、痛みを堪えて黙っていた娘。それなのに……。
ママ友が変わったきっかけは「お受験」
彼女が変わってしまったのは、年中組に進級したころからでした。附属校でありながら、彼女は密かに外部の難関校への進学を考え始め、有名なお受験塾に通い出したのです。
「ここは温すぎるわ。もっと上を目指さないと」
次第に彼女の口からは、塾で知り合ったというセレブママたちの自慢話や、学歴への執着が漏れるようになりました。しかし、現実は厳しかったようです。
期待していた模試の成績が振るわず、セレブグループからも冷たくあしらわれる彼女の姿を、私は何度か見かけました。 その劣等感を埋めるかのように、彼女は私への態度を変えていきました。
もともと仲が良かった私なら、何を言っても許される。私を「下」に置くことで、塾で削られたプライドを必死に保とうとしている――。そんな彼女の歪んだ心が見えて、私は余計に悲しくなりました。
「よくあんなことが言えるよね……。自分の子がしたことを棚に上げて。あんなに優しかったのに、どうして……」
キッチンで夕飯の支度をしながら、思わず独り言が漏れました。あの時、みんなの前で「お宅のお子さんに引っ掻かれても、うちの子はやり返さなかったのに、どうしてそんなこと言えるの?」と言い返せばよかった。
でも、附属校という狭い世界では、一度揉めると取り返しがつかなくなります。ひかるの将来を思うと、私は「我慢」という選択肢しか選べませんでした。
夫のアドバイスで心が軽くなる
その夜、帰宅した夫の正光に、思い切ってすべてを打ち明けました。
「正光……。最近、小百合さんの言動がつらいの。昔の彼女とは別人のようで……」
正光は私の話を最後までじっくりと聞き、私の肩に手を置きました。
「薫、よく我慢したね。でも、そんなふうに自分を削ってまで付き合う必要はないよ。小百合さんは今、自分の不安を君にぶつけて解消しているだけだ。環境は変わりにくいかもしれないけど、付き合う友達は子ども同士が選べばいい。親同士が無理をして、家庭の空気が悪くなる方がひかるにとっても良くないと思う」
「でも、ライングループにも必ず彼女がいるし、ランチの誘いも断りづらくて……」
「しばらく、体調不良とか用事を理由にして距離を置こう。フェードアウトしていいんだよ」
夫の言葉に、少しだけ心が軽くなりました。かつての親友を失う寂しさはありましたが、今の彼女はもう、私の知っている小百合さんではありません。 逃げるだけで解決するのか。この時の私はまだ、彼女の「攻撃」が私だけに向いているものだと思い込んでいたのです。
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あとがき:「我慢」が正解とは限らない
母親として、子どもの人間関係を壊したくない一心で自分を犠牲にする薫の姿に、胸が締め付けられます。でも、夫の正光さんが言う通り、母親の笑顔が消えることは子どもにとっても不幸なんですよね。かつての彼女の優しさが、今の歪んだ執着をより際立たせる構成にこだわりました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










