🔴【第1話から読む】双子育児に夫への指示!指示待ち夫に近づく妻の限界
夫が主導して実家の助けを借り、仕事の調整も行ったことで、真央は一息つく。二人は「指示」ではなく「共有」するパートナーへと変化。保育園も始まり、不格好ながらも共に歩む新しい家族の日常が幕を開ける。
再び涙が止まらない。その時夫は…?
私は玄関に座り込み、声を上げて泣きました。 智裕は子どもを抱えたまま、私の隣に座り、空いている片手を私の肩に置きました。
「私……あの子の手を、振り払っちゃったの。最低なお母さんだよ」
「違う。真央をそこまで追い詰めたのは、俺だ。ノートも読まず、指示を待つだけで、真央を『一人』にした」
その日は、智裕が初めて、私に指示されることなく動きました。 彼は震える手でスマホを取り出し、実家の母に電話をかけました。
「お義母さん、すみません。真央が限界なんです。明日から一週間、こっちに来てもらえませんか。費用は全部僕が持ちますから」
さらに、彼は会社にも電話を入れました。
「明日から有給休暇をいただきます。家族の緊急事態です」
「智裕……仕事は?」
「仕事より、真央と子どもたちが大事だろ。今まで、そんな当たり前のことも示せなくてごめん」
変わり始めた夫の意識
その夜、私たちは初めて、深い話し合いをしました。
「『やり方教えて』は、もう禁止。分からないなら自分で調べる。失敗してもいいから、俺の責任でやる。真央は『責任者』じゃなくて、一緒に育てる『パートナー』なんだから」
智裕の言葉に、ようやく私の心の棘が少しだけ溶けました。
翌日、遠方から私の母が駆けつけてくれました。 母に子どもを預け、私は1年半ぶりに智裕と二人だけで外へ出ました。
「法的にも、社会的に見ても、俺は家事・育児の義務を放棄してたようなもんだよな」
智裕は苦笑いしながら、私に温かいコーヒーを差し出しました。
「これからは、このノートを俺のバイブルにするよ」
彼の手には、かつて私が作り、無視されていた『ルーチンノート』が握られていました。
育児を協力するということ
4月になり、双子は無事に保育園に入園しました。 送りは智裕、迎えは私。 夕食の準備は、レシピアプリを見ながら智裕が半分を担当しています。
「真央! 今日は俺がハンバーグ作るから、真央は子どもたちとお風呂入ってて!」
キッチンから聞こえる威勢のいい声。 焦がしたり、味が薄かったりすることもあるけれど、今の彼は「指示待ち」ではありません。
「ママ、おいでー!」
そらとりくが、私の両手を引きます。 あの時振り払ってしまった手は、今、しっかりと私の指を握り返してくれています。
「……うん、今行くよ」
限界まで追い詰められて家を飛び出したあの日は、確かに地獄でした。 でも、あの絶望がなければ、私たちは「家族」の形を修復できなかったかもしれません。
完璧な母親なんて、いなくていい。 ただ、一緒に悩み、一緒に泥にまみれてくれるパートナーがいれば、双子育児の「大変さ」は、いつか笑い話に変えられる。
夕暮れ時、四人で並んで歩く影。 その影は、以前よりもずっと力強く、地面を踏みしめていました。
🔴【第1話から読む】双子育児に夫への指示!指示待ち夫に近づく妻の限界
あとがき:「完璧」を捨てた先に、握り返した手のぬくもり
ハッピーエンドとはいえ、すべてが魔法のように解決するわけではありません。智裕の料理は失敗することもあるし、育児の大変さは続きます。しかし、「一緒に泥にまみれてくれる人がいる」という安心感こそが、真央を救いました。かつて振り払ってしまった小さな手が、今はしっかりと握り返されている。その確かな重みが、明日への希望です。完璧な母親を目指して苦しんでいる全ての女性へ、エールを込めて結びました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










