ある日、タケルが大量のごみを抱えてやってきました。
「これ、引っ越しで出た粗大ゴミ。ここで捨てといてよ。あと、新しい車買ったから、納車場所まで親父が送ってよ」
父は病身でありながら、息子に頼まれると断れない性格です。しかし、ユイさんの要求はさらに理不尽でした。
「私、車を受け取った後、2台で連なって帰るの嫌なんですよ。だからお父さんが送って、車を置いて帰ってきてください。お父さんの帰りの足? タクシーでも使えばいいじゃないですか」
呆れ果てて言葉も出ません。
挙句の果てには、自分たちの要望だけでなく、ユイさんの実家のことまで押し付けてくるようになりました。
「私の父が、ここでBBQしたいって言ってるんで、来週準備しておいてくださいね。あ、あと、来月は私の母の法事があるから、お義父さんたちもお線香あげに来てください。当然ですよね、家族なんだから」
自分たちのゴミを捨てに来て、病気の父をアッシー君扱いし、その上、自分の親戚の接待を私たちの両親にさせようというのです。 「家族」という言葉を、自分たちの都合のいい時だけ使い、私たちの善意を食いつぶす彼ら。私の中にあった最後の手綱が、ぷつりと音を立てて切れました。 ※1
実家に寄生する弟夫婦
タケルとユイの発言の数々、呆れて返す言葉もありません。いい大人が、両親を奴隷のように扱うなんて、信じられません。
「家族」という言葉を盾に、好き放題する弟夫婦に対して、ついに美保は立ち上がります。まずは、両親に絶縁することを進言したのです。
娘の心からの忠告が届いた
「お母さん、世間体で病気が治るの? あの二人が来るたびに寝込んで、それがお父さんの体にいい影響を与えると思う? 弟夫婦はもう立派な大人だよ。自分たちで生活できるはずなのに、ここにゴミを捨てに来て、お父さんをこき使って、やってることはただの甘えだよ」
私はさらに続けました。
「このままじゃ、私たちの生活が壊される。実家への立ち入りを一切禁止して。もしタケルが何か言ってきたら、全部私が責任を持つから」
私の必死の訴えに、ようやく父が頷きました。
「……そうだな。美保の言う通りだ。タケルを甘やかしすぎた。ユイさんとのことも、これ以上は耐えられない」 ※2
両親は、実の息子に対して踏ん切りがつかないままでした。ですが、弟夫婦が来るたびに母は寝込み、父の病状にも悪影響しか与えない今の状況に、ようやく重い腰を上げたのです。弟夫婦の面倒をみる義理は、ありませんね。
その後、相変わらずタケルはゴミを持って実家にやってきますが、父はきっぱりと拒絶。玄関のドアを開けませんでした。
義実家からの抗議にもき然と対応
その後、ユイさんの実家から「法事に来ないとはどういうことだ」と抗議の電話がありましたが、父が毅然と対応しました。
「お宅の娘さんが、私の余命についてどのような発言をしたか、ご存知ですか? 私たちはもう、あの方を身内とは思えません。今後の連絡は控えてください」
法的にも、親族間での付き合いを強制する力はありません。私たちは弁護士に相談し、もしこれ以上嫌がらせや強引な訪問が続くようなら、接近禁止の措置も検討している旨を内容証明で送りつけました。
すると、あんなに強気だったユイさんは、自分たちの親戚からも「なんて失礼なことをしたんだ」と叱責されたようで、途端に大人しくなりました。
結局、タケル夫婦とは完全に疎遠になりました。タケルは今、実家のサポートを失い、ユイさんの浪費と実家の親戚からの冷たい視線に耐えながら、四苦八苦して生活しているようです。
たまに共通の知人から「タケルがやつれていた」と聞きますが、私の心は少しも痛みません。自業自得、という言葉がこれほど似合う状況もないでしょう。 ※3
以前、父のガンが発覚し余命宣告をされたとき、ユイは「期待しないほうが楽ですよ」と、冷たい言葉を放ったのです。人の生死に関わることに対して、こんなに冷酷な態度をするなんて、人として配慮が無さすぎます。
その後、内容証明を送ったのがきっかけで、弟夫婦はすっかりおとなしくなったようです。そして、美保一家も以前の平穏を取り戻すことができました。おかげで、父の病状も落ち着いたそうです。
世の中には、常識では考えられないようなことを平然とする人がいるものです。このような場合は、き然とした態度を崩さず、法的手段も用いることで、大切な家族を守ることができますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










