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何も知らない親友の幸せを守るため、抱えた"一生の秘密"|マチアプで親友の夫を見つけた話

婚活中の紀子がアプリで見つけたのは、親友・優菜の「理想の夫」博嗣だった。彼からの無邪気なアプローチに、はげしい嫌悪感をいだく紀子。しかし、追い打ちをかけるように、優菜の妊娠が発覚する。「しあわせな親友に、この裏切りを伝えられる?」残酷な真実を胸に秘め、紀子は親友の笑顔を守るため、一人で博嗣との対峙を決意する。親友を守るためにたたかう女性のつよさを描く、スリリングな愛憎ドラマ。『マチアプで親友の夫を見つけた話』第4話をごらんください。

PIXTA

🔴【第1話から読む】親友の夫がマチアプに!真実を話すつもりが、最悪のタイミングで発覚した"事実"

数か月後、博嗣は献身的な夫へと激変。紀子の監視はつづくが、優菜は夫の変容を「愛」だと信じ、しあわせをかみしめる。紀子は真実をかくしつづけることにまようが、佐代子の言葉にすくわれ、秘密を墓場まで持っていく覚悟を決める。

しあわせそうな親友

スマホ 通話 若い女性 笑顔 リビング PIXTA

博嗣さんとの対決から、数か月がたった。

優菜のおなかはさらに大きくなり、もうすぐ臨月を迎える。あれから、博嗣さんの様子は劇的に変わったようだ。

「ねえ紀子、聞いて。最近、博嗣さんが定時で帰ってくるようになったの!お料理も勉強してくれて…私がうごけない時に、パパッとつくってくれるんだよ」

優菜からの電話は、いつもしあわせな報告であふれていた。博嗣さんは本当に、心を入れ替えたのかもしれない。

飲み会もパタリとやめ、週末は優菜と一緒にベビー用品を買いに行ったり、ウォーキングに付き合ったりしているそうだ。

「私、しあわせものだよね。あんなにステキな人と結婚できて…」

受話器越しの彼女の声は、かつてないほどはずんでいた。

証拠の出番がなく、安堵の日々

カフェ 友人 黒髪 ロング PIXTA

私は、時々アプリをチェックしている。

もちろん、あたらしいアカウントをつくって、彼が潜んでいないかを監視するために。 でも、彼は一度ももどってきていないようだ。

(「証拠」の出番は、今のところなさそうね)

そんなある日、佐代子さんとお茶をした。

「博嗣さん、本当に更生したみたいね。紀子ちゃんのあの時の迫力、すごかったもの」

「…これでよかったんですよね、佐代子さん。本当のことを言うのが友情なのか…だまっているのが友情なのか、ずっとまよっていました」

佐代子さんは私の手をそっと握った。

「正解なんてないよ。でも、今の優菜ちゃんの笑顔を守っているのは、まちがいなく紀子ちゃんの"黙る勇気"だよ。真実をつたえることが、常に最善とは限らない。特に、相手がいちばん守りたいものを守るためにはね…」

その言葉に、少しだけすくわれた気がした。

親友のしあわせを祈る

カーテン 女性 ボブ PIXTA

私は博嗣さんをゆるしたわけではない。

でも、彼が「良い夫」を演じつづけ、それが結果として、優菜のしあわせにつながっているのなら、それでいい。

「でも、紀子ちゃん。もし彼がまたバカなことをしたら……」

「その時は、容赦しません。この切り札を使って、地獄を見てもらいます」

これは、友情の証であり、同時に最も冷酷な武器…。

(優菜…あなたは何も知らなくていい。 博嗣さんが死ぬまで「理想の夫」を演じきってくれるなら、この秘密は私が墓場まで持っていくから)

空は高く、澄みわたっていた。 もうすぐ、あたらしい命が生まれる。

その子がわらい、優菜が微笑む世界を、私は陰ながら守りつづけるのだとつよく心に誓った。

🔴【続きを読む】親友の出産…浮気の証拠を「守護の盾」に、私は自分の幸せへと踏み出す

【全話読む】
マチアプで親友の夫を見つけた話

あとがき:沈黙は、究極の優しさか

「真実を伝えることだけが誠実ではない」という佐代子の言葉が、深く心に刺さるエピソードです。もし、優菜がすべてを知ったら、今のしあわせな家庭は一瞬で崩壊していたでしょう。

紀子が抱える秘密はおもく苦しいものですが、そのおかげで優菜の笑顔が守られているという皮肉な現実。博嗣が演じる「理想の夫」が、いつか本物に変わることをねがわずにはいられません。偽りから始まる平和であっても、今はそれを守り抜く紀子に拍手をおくりたいですね。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】マチアプで親友の夫を見つけた話

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