働き続けたからこそ得られた「育児休業」
育児休業を取得するには、法律に則って一定期間の継続雇用が条件となっています。会社に1年以上勤め、毎月雇用保険料を払ってきた人の特権こそが「育児休業」だと私は思っています。
妊娠中に体調不良が続いたり休んだりして職場の理解が得られず居心地の悪い思いをした方もいるでしょう。それでも、辞めることなく産休に入り、無事に出産を終えたママさんたち、本当にお疲れ様でした!
育児休業の取得条件
① 過去1年以上継続し雇用されていること
② 子が1歳6ヶ月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかでないこと
- 厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室) 「育児・介護休業法のあらまし 」(https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355354.pdf,2019年2月5日最終閲覧)
働き続けるということ
妊娠中に退職するという選択肢もある中、出産後に働き続けることを選択したママさん。大きな決断の一つだったと思います。
私も産後に働き続けることを選択した一人です。自分で復帰すると決めたのに、復帰の時期が近づくと悩んで情緒不安定になることもありました。
私が仕事を続けようと決意した理由と葛藤
私が仕事を続けようと決意した理由としては、夫にもしものことがあったときに自分の力で家庭を支えたいといことと、親に大学進学する道をもらったおかげで新卒採用しかない会社に就職できたので退職するのが申し訳なく、もったいない、ということがありました。
他にも、私のような狭い価値観を持つ母親とずっといることで、子供の成長や発達を妨げてしまうのではないかという不安と、子供と24時間一緒にいることで、子供の存在がストレスになったら後悔するという、子供を思う気持ちも仕事を続けようと決意させた理由になりました。
復帰までの葛藤
私の場合は、出産までに4年勤続した会社です。
総合職=営業で、一人ずつ売り上げ目標がある仕事。妊娠前は個性的な上司や先輩・後輩に囲まれて、少なくとも自分は仕事ができない部類にはいないと思っていた私。
復帰すると通勤時間が長いので保育園への送り迎えの都合上、1日2時間短縮した勤務になります。以前は仕事第一でバリバリ働き、残業や深夜勤務もしていた私。
子供を保育園に残して残業はできないし、時短勤務の範囲内で仕事が終わるのか、以前のように働けるのか…?漠然とした不安はあっても、「戻らなきゃ」「戻るべき」としか考えずに臨んだ復帰面談。内心、子持ちで仕事に就けるって幸せだなぁとすら思っていた私、浅はかでした。
当時1歳の息子も同席し、久しぶりに会う上司や部長に「息子さん可愛いね」と褒められ優しい空気に包まれて始まった面談はあまり意味のないものでした。
たった30分の復帰面談
たった30分で終わってしまった面談はとても「ざっくり」としたものでした。まとめるとこのような内容。
- 以前のような出張の多い営業はさせないつもり(絶対とは言い切れない)。
- 今年度中の転勤は多分ない(もちろん絶対とは言い切れない)。
- 早出と残業はできるならしてほしいが、任せる。
- 経験を生かして創造的な仕事をしてほしい。
ざっくりとした面談になってしまったのは今思えば仕方ないことだったのかもしれません。それも、総合職の営業担当で育児休業を取って復帰するのは社内初!会社も手探りです。
引っかかるところはあったものの、そんなものかと思い、特に指摘することもなく終了したので、復帰してからが大変になりました。
もっと中身のある面談をすべきだったと後悔しています。
そしていよいよ復帰!「浦島太郎」状態に…
復帰して最初に戸惑ったのは人事異動でした。元の部署にいたはずの人がいない。そして、知らない人がいる。
周りが当たり前のように知っていることを知らないことで、孤独を感じました。
居場所のない私
初日は使用する機器の設定やデスクの整理などをして、終わって仕事がないか聞くと「君に何をやってもらったらいいか分からなくて、まだ決めていない」とのこと。
退勤の時間が来るまで、倉庫の整理をして資料に目を通して終了。
周りが働いている中、先に帰るという罪悪感
時短勤務で働く私は周りの人がまだ働いている中、帰らなければいけません。帰ることを伝えなきゃと思いながら、なんて言おう?タイミングは?どの人に聞いたら良いの?
どうすれば良いか戸惑いながら、フロアに聞こえるように大きな声で「お先に失礼します」と言って帰宅しましたが、とても気まずい思いをしました。
会社に必要とされていないような無力感
担当業務が決まらずに責任の重くない雑務を任されることが数日続き、だんだんやる気もなくなり、マイナス思考になりました。
お休みの日の朝は子供を抱きしめて「今日はすることもないのに会社に居座ることなく子供と過ごせる」と涙が出ることもあるほど、精神的に弱ってきました。
これまで仕事に対して全力で向き合ってきたのに、子供がいて帰宅時間が決まっていると、どうしても時間通りに帰ることが最優先で、仕事へのモチベーションをどう上げたら良いかわからないことに戸惑いました。
その後、無事に担当業務も割り振られ、また時間に限りはあっても仕事に打ち込めましたが、浦島太郎にならないように、何かできなかったのか、復帰してから度々考えました。
優先したいものは何?
育児休業から復帰するにあたって、「一番大切なものはなんですか?」私は子供でした。
私と同じ様に、子供を最優先にしたいママさん、あなたが一番大切なことは何ですか?一緒にいられる限られた時間を、できるだけ子供に注ぎたいと思うなら、様々な工夫が必要です。
もちろん、会社で雇用継続してもらうことも大事です。妻として母として家事をすることも大事です。そして子供に余計なストレスをぶつけないことも大事です。
そのストレスを、家に持ち帰らず、家事育児と仕事を両立するには実はコツがあります。ポイントは、バランスを考えること。
私の場合は、育児:仕事:家事のバランスを60:30:10にしてみました。
子供がいても、働くことは諦められない、働き続けなければいけない。そんなママさん、まずは、優先順位をつけましょう!
①仕事で浦島太郎にならないために
休業中もマメに連絡を取り、関係性を保つこと
一番大切なことは、休業中もマメに連絡を取ることです。連絡を取るのは上司でも構いませんし、同僚でも構いません。人事異動・会社システムの変更など、重要なことももちろんそうですが、会社で作った人間関係を途切れさせないことが大事です。
不安も相談してみてください。復帰後に困ったことがあったら、悩みができたら、すぐに相談できる人、相談しやすい人を確保しましょう!
その上で、仕事の愚痴を話せる人を社内と社外に最低1人以上作っておきましょう!働いたことのある人がベストです。ご主人でも良いですが、できれば批判せずに聞いてくれる人がおすすめです。
礼儀と第一印象を大事にすること
そして、準備が整って仕事に行ったら大切なのが、礼儀と第一印象です。「あれ?復帰するのに印象って大事?」と思う人もいるかもしれませんが、「ワーママ(=ワーキングマザー)としての印象」が大切です。
- まず、遅刻は絶対にしない。
- 挨拶は明るく大きな声と笑顔で。
- 仕事中はストイックに仕事をすること。
- 頼まれても残業はしない。
- 仕事の状況はオープンにし、共有しておくこと。
特に、どんなに頼まれても、「今日だけなんとか残業できないか調整してみます」と残業を引き受けるのはNGです。
一度引き受けてしまった場合、後日残業を頼まれて断ったときに印象が悪くなります。どんな事情があっても、「残業は絶対にできません」の姿勢を最初から貫きましょう。「子供がいると残業は無理だ」と理解してもらえます。
そして、仕事の内容は誰が見ても分かるようにしておくと良いです。これは、急なお休みなどでもほかの方にフォローしてもらえるようにするためです。
いつお迎えコールが来ても大丈夫なように、準備万端にしておきましょう!毎日のことなので大変だと思いますが、軸を持って仕事に臨むことが大切です。
②家事は唯一手が抜けるところ
私のおすすめは家事を手抜きすることです。もちろん子供のいる家なので、衛生的に綺麗に保つことは大事です。でも私は、機械に代わってもらえることはできるだけ機械にお願いします。
- 炊事:手抜きは難しいですが、例えば朝ごはんは基本的に晩ごはんの残りを使うようにする
- 洗濯:洗濯乾燥機があれば、仕事中か夜寝てから(戸建ての場合)回す
- 掃除:毎日使うリビングはロボット掃除機のタイマー機能を使い、帰宅前に掃除が終わるようにしておく
働くママを助けてくれるアイテムはこれ!
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また、洗い物を食洗機に任せる、という方法もありますので、使える道具はしっかり使って、時短しましょう。
③子供との時間を大切に
仕事は残業せずに割り切り、家事はできるだけ時短して、残った時間をできる限り子供のために費やしたいですね。私は週5日、平日に働いているので、平日起きている子供と接することができるのは、1日たったの3時間です。
たった3時間だからこそ、子供と会える時間は貴重で、私にとっては宝物です。といっても夜中まだ泣くこともありますし、仕事で疲れている私の睡眠時間も確保したいところ。
私は朝7時に子供と一緒に起きるので、朝ごはんの準備は前日の晩ごはんを温めるだけ。温める間に子供と一緒に着替えて、ご飯を食べます。
子供が食べるのに時間がかかると焦ってイライラしてしまうので、必ず隣で食べて、子供が順調に食べ進められるようにフォローしています。8時前には子供を送り出すので、たった1時間です。
朝の忙しい時間に子供に話しかけられたら、必ず目を見て返事をするようにして、話が一度で終わるようにします。これは子供のためにも良いですが、親としても話半分で聞いて対応して、子供の癇癪を起こさない為にも必要です。
18時にお迎えに行き、保育園の玄関で「おかえりのぎゅー」を10秒ほどしっかりします。家に入ってからも「ただいまのぎゅー」と「ただいまのチュー」をします。
それからご飯を作って食べ、お風呂に入り、だいたい20時頃に一緒に布団に入って寝ます。夜中は洗い物が終わっていれば、子どもと一緒に朝まで眠れるので、私も毎日10~11時間ぐっすりで寝不足のイライラもありません。
復帰に向けて必要なこと
ここまで読んでお気づきかもしれませんが、私は職場復帰には子供の協力が必要不可欠だと思っています。まずは子供に「ママは仕事に行っていること」と「ママはあなたを愛しているということ」をしつこいくらい理解してもらうことが大事です。
子供は賢いです。だからこそ、まずはお子さんに話しましょう。その上で、協力してもらえることはお願いしてみましょう。しっかり会話ができる月齢のお子さんでも「分かった」と言うまで何時間もかかるかもしれませんが、復帰前の時間のある時にたくさんお話しして、親子の絆を強めておきましょう。
そして、例えば出したおもちゃはすぐに片づけること、ご飯は集中して食べること、などの練習もできると、復帰にはますます心強いですよね。
ただし、あれもこれも!と復帰前にやりたいことを詰め込んでしまうと、ご自身にもお子さんにも負担になることがあるので気を付けてくださいね。ワーママさん、がんばりましょう!!