人生の99%は「思い込み」からできている?!
幼少期の親の子供への接し方が、子供たちのその後の人生に大きな影響を与える…
とても有名な言説ですね。
「三つ子の魂百まで」という諺にもあるように、小さい頃の記憶が人間の「性格」を形成する上で重要な役割を果たすことは、誰でも承知していることだと思います。
うまくいかないのは、自分で書いた「脚本」のせい?
しかし実際、小さい頃に得た様々なエピソードによって、その後どのような人格が作られるのでしょうか?
結局パパママは、子供にどのように接する必要があるのでしょうか?
これには、「人生脚本」というものが強固に関係していると言われています。
「人生脚本」とは心理的プログラムの一種で、様々な体験を通じて感じたことをもとに、「自分はきっとこんな人生を送るだろう」という脚本を無意識下で書き上げ、それに気づかぬうちに沿うように動いた結果、その信念が現実化する、という一連のプロセスのことです。
つまり「自分は運が悪い」と思う人はそのような脚本を、「自分は運がいい」と思っている人はそのような脚本を自ら書いているのです。
「つねに成功する」と思う人はそのような脚本を、「なぜか肝心なところでうまくいかない」と思っている人はそのような脚本を書き上げる。
実際に運が悪かったり、偶然うまくいかなかったりするわけではなく、すべては自分でつくりあげたストーリーなのです。
「人生脚本」は主に幼少期につくられる
このような「人生脚本」は、主に7歳くらいまでの幼少期につくられると言われています。
またそのようにしてつくられた脚本は、その後の人生を大きく規定するため、子供の幼少期に親がどのように接するのかが非常に重要になってくるのです。
もちろんその後の人生で脚本を書き換えることは可能で、『人生の99%は思い込み』でも、その方法がいくつか取り上げられていますが、今回はこれから子供の教育に悩むママ向けに、どのような「親の行動」が望ましいのかを紹介させていただきます。
ネガティブな脚本を作る13の禁止令
「人生脚本」を書く上で、重要な要素となるのが、「禁止令」です。
これは文字通り「◯◯してはいけない」という命令のことで、子供は親の愛を得るために、この命令に沿って自らの行動を制限するようになるのです。
またこれは「思い込み」の一種であり、大人になってからもなかなか消えることがないので、ネガティブな脚本を書き上げる要因になってしまいます。
もちろん同じ言葉をかけられたとしても、子供によって受け取り方が違うため、すべてのお子さんが同じ脚本を持つことはありません。
今回はアメリカの医学博士であるグルーディング夫妻による研究から、代表的な13の禁止令のうち4つを取り上げます。
1. 「木登りなんて危ないこと、やめなさい!」
これは、「何もするな」「実行するな」という禁止令の代表例です。親のしつけが厳しかったり、過保護で些細なことまで注意したりするような家庭で発生しやすいと言われています。
「あの子と遊んではいけません」「怪我するから、サッカーはやめなさい」などと行動を規制されることで、「自分は何もしないほうがいいんだ」という禁止令ができてしまいます。
これによって大人になっても積極性に欠け、人に従ってばかりになる傾向が強いと言われています。
2. 「もうお兄ちゃんなんだから、泣かないの!」
忙しいお母さんがついつい言ってしまうセリフです。しかし、このような言葉も言い過ぎは要注意。
「あなたはお姉ちゃんなんだから、しっかりしなさい」などとよく言い聞かされた子供は、「子供であるな」という禁止令を作り出しやすいと言われています。
これは早い段階で自立を促され、子供の頃にのびのび自由に過ごせなかったお兄ちゃん、お姉ちゃんに多く、大人になってからいわゆる「堅物」になりやすい傾向があります。
「自分がやらなくちゃ!」という責任感が強いあまり、それが足かせになってしまうこともあるのですね。
3. 「全部お母さんがやってあげるわよ」
過保護に育てられたり、末っ子で甘やかされて育ったりした人が持ちやすいものとして「成長するな」の禁止令があります。
この禁止令があると子供は無意識に「子供のままでいるために、何もできない方がいい」と考えるようになってしまいます。
いわゆる「マザコン」もここに当てはまるでしょう。
親にずっと依存し続けるようになるため、親が子供のお見合いをセッティングして結婚相手を決めてあげる…なんていう子供に成長することもあるかもしれません。
4. 「黙って親の言うことだけ聞いていなさい!」
「親に口答えするな!」「黙って親の言うことだけ聞いていなさい!」などと子供を叱ってしまうこともあると思います。
しかしいつもいつもヒステリックに怒鳴り散らすようなことになると、「考えるな」の禁止令を作りやすくなってしまいます。
子供は自分で考えることを放棄してしまうので、大人になっても論理的に物事を考えたり冷静に判断したりすることができなくなってしまう傾向があるようです。
占いや迷信などを盲目的に信じ込む人は、この「考えるな」の禁止令に支配されているのかもしれません。
禁止令が作り出す、人生に対する4つの「基本的構え」
子供の認知の仕方はそれぞれですし、他にも様々な要因によって人間の性格は決定づけられるため一概には言えませんが、このような様々な禁止令が積み重なることで子供は自らの「世界の捉え方」を確立していきます。
このような人生におけるすべての事象を見るスタンス、いわば世界を認知するフィルターを学問的には「構え」と呼びます。
この人生に対する基本的な構えによって、大人になってからの人との関わり方が決まるのです。
「私もOK、あなたもOK」の構えに
縦軸に「私はOKか、NGか」、横軸に「あなたはOKか、NGか」としてマトリックスを組むと、「私はOK、あなたもOK」の構えを持つ人は幸福な人生脚本を持ち、充実した人生を過ごしている人が多く、「私はNG、あなたはOK」の構えを持つ人は自分に自信がなく卑屈に、「私はOK、あなたはNG」の構えを持つ人は自己中心的でわがままに、「私はNG、あなたもNG」の構えを持つ人は人生に否定的で閉鎖的になる人が多いようです。
子供の「思い込み」をつくるのは今
幼少期の子供にとってすべての基準は親です。パパママの「正しい・正しくない」の判断基準が、その人にとっての判断基準のベースになります。
大人になった今となっては家族のルールが全てではないし、世界には様々な価値観があることを知っていますが、子供にとっては親とのやりとりだけが全てなのです。
パパママの一挙手一投足が赤ちゃんのこれからに影響を与えているのですね。
まだ人生に対する「基本的な構え」のできていない赤ちゃんと接するプレママ・ママたちは、その言動がもたらす意味を考えながら話すといいかもしれません!
『人生の99%は思い込み』では大人の「思い込み体質」の根本的な治療法や、「人生脚本」の書き換え方までを紹介しています。
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