どう違うの?卒乳と断乳
1歳ごろになると、食事は1日3回食べるようになり、母乳を飲む回数や量が減ってくる子が増えてきます。ママは「もうおっぱいの出番は終わりなのかな?」と考えるようになるかもしれませんね。
子供がおっぱいを飲まなくなることを「卒乳」や「断乳」と言いますが、これらの言葉の意味がどう違うか知っていますか?日本助産師会では、卒乳と断乳の違いについて以下のように表現しています。
卒乳とは、赤ちゃんが母乳を飲まなくなることをいい、そこには赤ちゃんの側から自然に飲まなくなることと、親の働きかけでやめていくことも含まれることがあります。断乳はお母さん側から母乳を断つという意味合いが強く、ある時期に一回でやめるようなときに使われている言葉です。 ※1
2002年以前は、母子手帳に「断乳」に関する表記があり、満1歳ごろがおっぱいをやめる時期の目安であるとされていました。しかし現在は、母子手帳から断乳に関する表記は消失。大阪小児科医会は「子どもとお母さんの事情にあった卒乳の時期を選んでください」としています。
断乳か卒乳は、家庭の考え方に合わせてどちらを選んでも大丈夫。卒乳と断乳双方のよい点を知りつつ、どちらがより子供とママに合っているか検討してみましょう。
- 大阪小児科医会「卒乳」(https://www.osk-pa.or.jp/child-care/cc5/03-6month/20060901337.html,2019年12月11日最終閲覧)
- 日本小児科学会「小児科医と母乳育児推進」(https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/saisin_110916.pdf,2019年12月11日最終閲覧)
- かわかみ整形外科・小児科クリニック「卒乳」(https://kawakamiclinic.or.jp/syoni/tips/卒乳/,2019年12月11日最終閲覧)
- 小柳康子「わが国における育児法のスタンダードの形成過程」(https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2330&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1,2019年12月11日最終閲覧)
- WHO「補完食」(https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/66389/WHO_NHD_00.1_jpn.pdf;jsessionid=995E54EA8107F47CB4B76BBEFF717A60?sequence=2,2019年12月11日最終閲覧)
卒乳を選んだママの声
ここからは、卒乳を選んだママの声についてご紹介します。
ストレスなくやめられた
母乳育児をやめたい理由がなければ、自然に飲まなくなるまでおっぱいをあげ続けるという考え方もありますね。「いつの間にか」というほどすんなりやめられるのは、自然卒乳の大きなメリットともいえるでしょう。
授乳がスキンシップの時間になった
下の子はまだあげてます😉
おっぱいあげるのもしんどい日もあったし、
友達にミルクの良さを聞いたら(朝まで寝てくれるとか)揺らいだ事もありましたが、
せっかくよく出てたのであげてました。
私にしかできないスキンシップになったし、
(中略)
親子ともにとても良い思い出になりましたよ😆
おっぱいをあげることは授乳目的だけでなく、スキンシップの一つでもあります。おっぱいをあげることは体力を消耗するうえ、夜中も飲ませていれば寝不足になる大変さがありますが、それすらもママは「良い思い出になった」といいます。卒乳後に「これで良かった」と思えるのはよいことですね。
子供自身が納得してやめられた
(中略)
執着もしてたし、どうなることかと思っていましたが、あっさり本人の意思でやめました。
二歳過ぎたときに「やめる?」って聞いても「パイパイ好き」とか「ナイナイしない」とか言ってました。
でも、たまたま3日飲まなかったことがあり、「パイパイバイバイしようか?」と聞くと「うん」と言ったので、そこで最後の授乳と約束してあげて卒乳しました🤗
2歳3ヶ月までおっぱいをあげ続けたというママの声です。子供自身のタイミングで卒乳をしたため、卒乳後は飲みたがることがなく、一度も泣かなかったとのこと。
長い間おっぱいをあげていると「もうやめられないかも」と思うかもしれませんが、そうとは限りません。腹を決めて本人のタイミングまで待つというのも、一つの考え方ですね。
断乳を選んだママの声
次に、断乳を選んだママの声をご紹介します。
親子で寝不足が解消した
うちの場合の理由として、長女の時は8ヶ月の頃に次女を妊娠、夜間頻回授乳による寝不足、離乳食の食いつきが悪い等の理由がきっかけです。
(中略)
結果は断乳して良かったです。
お互いに寝不足で日中も不機嫌なことも多く、離乳食も遊び食べが多く進まなかったので。
朝まで寝るようになったし、寝かしつけも楽になり、離乳食もものすごくよく食べてくれます!
9ヶ月で断乳したというママの声です。断乳によって親子ともに寝不足が解消され、機嫌よく過ごせるようになったとのこと。
断乳によってママが感じる子育ての負担が小さくなるのはよいですね。
ご飯をたくさん食べるようになった
断乳によって、子供の食欲が増したとの声です。食欲には個人差がありますが、母乳を飲んでいた分、食事でおなかを満たせるようになれば、断乳前よりも食べられるようになることがあるのかもしれませんね。
母子ともに笑顔で過ごせている
(中略)ピタッとやめたので私の方が寂しくて悲しくて振り回してごめんなさいと後悔すらしていましたが当の娘はけろっとしていてそこまで執着なく断乳ですが卒乳に近い感じでした😥離乳食をあまり食べなかったのにすごく食べるようになった、出先で授乳室を探さなくていい、夜添い寝で寝てくれるといいことたくさんで後悔の念はすぐに吹き飛びました😂
生活リズムも整い、授乳以外でのスキンシップをたくさんして母子ともに笑顔でいれてるので良かったなあと思ってます😊
断乳をしてよかったことがたくさんあるという声です。妊娠による急な断乳で後悔の気持ちがあった一方、子供はそれほどおっぱいに執着がなく、あっさり断乳できたそうです。
断乳後はさまざまな利点を実感し、母子ともに笑顔で過ごせているそう。ママの言う通り、スキンシップはおっぱいをあげること以外でも可能です。断乳をしたからといって、愛情が不足するということはありませんね。
卒乳と断乳、どちらを選んでもOK
子供がおっぱいを飲む様子はとてもかわいらしく、卒乳や断乳はママのほうが寂しく感じることもあるでしょう。しかし、おっぱいを飲ませなくなったからといって、子供とのきずながなくなるわけではありません。そして、おっぱいを卒業することは、子供にとって大きな成長の一歩です。
卒乳を待つか、時期を決めて断乳するかは、どちらに決めても大丈夫です。子供の状況やママの思いに合った方法を選びましょう。