扶養の義務と養育費の請求ができるように!知っておきたい認知届
認知は子供にとって「父親を得る」という権利です。この権利は、出生後から父親の死後3年以内まで請求できる権利で養育費・遺産相続など受けられるようになります。
成長してからこの権利を得ようとすると裁判を起こし請求することになりますので、できれば出生届と同時期に円滑に済ませておきたい届け出になります。
認知届を出すと何が変わるの?
認知された子は、両親が婚姻関係になくても父親に当たる男性と法律上親子関係になります。
認知されても、両親が婚姻関係にないので非嫡出子となり、母親の戸籍に入り母親の姓を名乗る事になります。親権も母親が持つことになります。
- 【認知なし】婚姻関係にない状態での出生で、かつ認知がないので、子の戸籍における父親の欄は空欄の非嫡出子
- 【認知あり】婚姻関係にない状態での出生で、認知された場合は、父親の欄に認知した男性の名前が入る非嫡出子
認知されても嫡出子にはなりません
誤解されやすいのですが、「認知」されたら非嫡出子から嫡出子になるわけではありません。
いずれにしても、認知届が提出されると父親である男性と子供との間に法律上の親子関係が生じるので、扶養義務や相続権などが得られることになります。また、子供の父親に養育費の請求が出来るようになります。
相手としっかり話し合って、ぜひ提出したい届け出ですね。
認知の種類を知っていますか?
認知届には大きくわけで2種類あり、「任意認知」と「裁判認知」があります。
任意認知
父からの届け出により任意で(自分の意思で)自分の子と認める届け出のこと。
裁判認知(強制認知)
父が任意に認知をしないときに、子(法定代理人など)から裁判により父の認知を求めること。(父の死亡の日から3年以内に限ります)
更にこまかく分類すると他に、胎児認知(お腹に赤ちゃんがいる状態で認知を受ける)・遺言認知(父が遺言で認知すること)などがあり、子供が大きくなってからも認知はしてもらう事ができます。
遺産相続や養育費の請求など、子供がもらえる当然の権利が関係してくるので父親の死後3年まで認知を請求できるようになっているのです。
認知届を提出するには?
認知の方法は任意認知と、裁判認知によって手続きが違ってきます。
任意認知の場合
- 届出先:認知する父、または認知される子の本籍地、または父の居住地の戸籍課
- 届出人:認知する父
- 必要書類:届出先が本籍地でない者の謄本、父の印鑑
裁判認知の場合
裁判所によると、裁判認知の概要は以下になります。
- 申立先:認知を求められる父の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意の上で定める家庭裁判所
- 申立人:認知を求める子、またはその直系卑属、子またはその直系卑属の決定代理人(子の母がこれに当てはまる)
- 申立時期:随時、ただし父の死亡後は3年以内
- 費用:収入印紙1200円、通信費用(切手代)
それによって認知が確定すれば、申立人がその日から10日以内認知届を役所に提出することによって、子供の出生時に遡って効力が発生する事になります。
子供のために!ママ達の認知届談義
状況によって認知届に至る過程はさまざま。子供のために!とママ達は奮闘しています。
気遣い?作戦?彼が「認知」を遠慮する理由
彼からは、養育費はきちんと払う。必要なら認知もするけど、認知したら君が次の人と出会ったときに困らない?とのこと。ちなみに、養育費の支払いを長々と続けてたら(関係を持っていたら)、君の将来の幸せを狭めてしまうかもしれないので、先に20年分を払うし、それなら将来僕が路頭に迷って君に養育費を払えない!なんてことを心配しなくて良いよね。というようなことを言われています。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
養育費は20年支払うけれど、認知をしたら君を困らせないかい?という彼の申し出は支離滅裂!認知届を提出しないと、赤ちゃんは養育費や財産相続の権利を与えられません。
あなたの戸籍に載りますけどわかってる?
認知届を書くということは、彼にとってはただ書類を書くということだけのようだ。「ようするにこの子の父親の欄に、わしの名前が書かれるんでしょ」と聞くので、そうだよ、と答えた。そしてあんたの戸籍にも記載されるけど。…って分かってるんかな? 出典: blog.livedoor.jp
認知するという事は、父親側の戸籍にも子供についての記載がされるのと同時に、扶養と養育の義務が父親に生じ、子供は遺産相続の権利を得ます。ただ単に「俺の子」と認めるだけじゃないんです。
裁判認知を要求した後に話し合いになるケースも
家庭裁判所から連絡があって鑑定結果が出ました。結果は99.9%で親子関係があるだろうとのこと。
相手方の父子が任意認知でもいいし強制認知でもいい、と言ってくれてるらしい。強制だと「裁判所で決定された」と言うことが戸籍に載るらしいのですが絶対任意認知だとそれが載らないので任意でお願いしようと思う。
任意認知の用紙は家庭裁判所には無いらしいので自分で用意して来てください。と言われました。 出典: ameblo.jp
自分の子だと証明できれば任意認知してもよいという男性が増えているようです。DNA鑑定が一般的になった、このご時世だからこそ?
不倫の場合はちょっと厄介に・・
不倫の末に非嫡出子の認知を求める場合はちょっと厄介に。相手が家族にバレたくないという気持ちがある場合、拒否されてしまうことも。
妻子がいる僕が、恋におち彼女との間に子供ができました。認知したいと思っていますが、妻に絶対に気づかれないように認知の手続きをする事は出来るのですか?戸籍上の問題など詳しく教えて下さい。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
認知をすると自分の戸籍に子供の記載がされるので認知を拒否する男性も。そんな時は、裁判で認知を請求することになります。
全ては子供のために
未婚の母になると決めて、まず悩んだのが認知させるかどうかでした。始めは、精神的にもボロボロで、これ以上、揉めなくて済むなら認知も養育費もいらない。そう思いました。
ただ、子供が将来、思わぬ不利益を被るような可能性はできる限り少なくしておきたい。そう思ったので、私は認知させようと思います。 出典: ameblo.jp
女性が一人で妊娠・出産・育児を乗り越えるのは並大抵の事ではありません。身も心も弱っている時に、認知の事で揉めるのはエネルギーがいります。諦めてしまいそうになっても、子供の将来の為と頑張るママが多いのです。
認知届は子供の権利
子供を育てていく中で絶対手に入れたい権利がある場合、認知届は大切。シングルマザーだから自分がしっかりしないと!と、焦ったり不安になったりする必要はありません。保健所や地域の役所には、シングルマザー向けのサポートシステムがあるので出生届を出す前に一度聞いておくと安心です。
相手との関係が破綻している場合は、父親という記録を残したくないから認知は不要というママもいるかもしれません。でも、認知届は子供の権利であることを忘れないようにしてください。
一度認知を受ければ取り消すことは不可能に近いほど困難なので、自分気持や状況と同時に子供の将来を配慮して認知届について考えてみるといいですね。