教科書に載っていた魅力的な作品を覚えていますか?
子供の頃に、国語の授業で出会った児童書作品の数々を、どれだけ覚えていますか。心に残っている作品が一つでもあるのではないでしょうか。国語の授業で取り上げられる作品は、長く読まれている作品が多く、世代を超えて親しまれています。私にも忘れられない作品が一つだけあります。
自身が子供だったときの記憶を呼び覚まし、懐かしい気持ちになるような作品をピックアップしていきます。自分の子供の頃を思い出すことで、子育てのヒントに繋がるようなことがわかるかもしれません。
世代を超えて親子で楽しめる作品をご紹介
教科書に掲載されていた作品の中から、私が特によく覚えている素敵な作品を選びました。作品を通して、自身の子供だった頃を思い出したり、子供と一緒に楽しんだりしてみてはいかがでしょうか。
どれも子供の感情をくすぐる魅力的な作品ばかりです。
人と馬の絆の物語『スーホの白い馬』
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<あらすじ>
『スーホの白い馬』はモンゴルの民話で、遊牧民の少年スーホと白い子馬の絆を描いています。領主の横暴な振る舞いによって、共に成長してきた少年と白馬が引き裂かれてしまうという悲しい物語です。
私が小学生のときに、国語の宿題として教科書を音読するというものがありました。授業ですでに読んでいたにも関わらず、号泣しながらこの作品を音読した記憶があります。その時は、なんて悲しい物語なんだろうと、ただ泣くばかりでした。
けれど、大人になった今は、絶望的に悲しい出来事が起こった後でも、立ち直って生きていくスーホの姿に勇気を与えられます。
不器用な狐ごんと人間のすれ違いに涙…。『ごんぎつね』
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<あらすじ>
狐のごんが、ちょっとした出来心でやったいたずらが、ある村人の母親を死に至らしめてしまいます。ごんは、いたずらばかりして村人を苦しめていましたが、この出来事をきっかけに、償いを始めるのです。しかし、いたずらばかりしてきたごんは、うまく償いをすることができず、空回りばかりしてしまいます。不器用なごんと人間のすれ違いによって物語が進行していく物語です。
私たちの人生にも、すれ違いによって喧嘩をしてしまったり、うまく人間関係が築くことができなかったりする時がありますよね。なんでうまくいかないんだろうと悩むことは、子供にも大人にもあると思います。そんな辛い気持ちに寄り添っており、心が少し切なくなります。
小心者の子供が成長していく物語『モチモチの木』
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<あらすじ>
小心者の少年・豆太は、夜中に一人でトイレに行くことができないほど怖がりです。モチモチの木と呼ばれる木にさえ、夜中に不気味に佇む姿に恐怖していました。ある日の夜中、一緒に暮らしていたおじいちゃんが腹痛で苦しみます。怖がりで小心者の豆太は、勇気を振り絞り遠く離れた村までお医者さんを呼びに走り出します。
一人で夜中にトイレに行けないなど、怖がりな子供にとって共感できる少年・豆太の存在が、勇気を与えてくれる作品です。不気味なタッチの絵柄ではあるものの、読み終わると前向きな気持ちになれます。
孤独な魚が知恵と勇気で困難に立ち向かう『スイミー』
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<あらすじ>
兄弟がみんな赤い色をした小さな魚の中、一匹だけ真っ黒な姿に生まれたスイミー。ある日、マグロに兄弟みんなを食べられてしまったスイミーは、孤独に海を放浪します。放浪した末に、仲間に出会うスイミーでしたが、彼らはマグロに怯えながら、岩の陰にひっそりと暮らしていました。スイミーは、新しい仲間にあるアイデアによって、マグロを追い払おうと提案します。
『スイミー』は詩人の谷川俊太郎が翻訳したことでも知られる作品です。一人だけ周りと違う姿形をしたスイミーが、周囲の仲間たちを引きつけ、大きな困難に立ち向かう姿は、子供に勇気を与えてくれます。
人のマイナスな感情と向き合う『蜘蛛の糸』
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<あらすじ>
殺人や放火といった悪行の末、地獄に行くことになった罪人カンタンは、過去に一度だけ蜘蛛の命を救う善行をしていました。ある日、地獄を覗き込んだお釈迦様が、地獄で苦しむカンタンの姿を見て、その善行を思い出します。お釈迦様は、カンタンを地獄から助けてあげようと、一本の蜘蛛の糸を地獄に垂らします。そして、その一本の糸を巡って、地獄の罪人たちで争いが始まります。争いの末にカンタンがとった行動とは。
地獄という子供にとって、暗くて怖いイメージの場所が舞台の作品です。全体的にどんよりとした暗い物語ではありますが、人間社会で生きていく上で大切なことを考えさせてくれます。
色々なメッセージがある児童書を読んで、想像力を豊かにしよう!
教科書に載っている懐かしい作品をご紹介してきました。長い間、読み続けられている児童書には、普遍的な魅力が詰め込まれています。子供には、少し難しくて理解できないこともあるかもしれませんが、子供なりに考えたり、心を動かされたりします。
親にとっても馴染み深い物語は、きっと子供も気に入ってくれるはずです。親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。