パパの帰宅時間が、育児に関わる自信に影響
ベネッセ教育総合研究所が2014年10月、0歳から6歳の乳幼児を持つ父親2,645名を対象に「第3回乳幼児の父親についての調査」を行いました。この調査は、2005年、2009年に続き3回目の実施です。
調査結果によると、パパの平均帰宅時間のピークは20時台。それ以降の時間に帰宅する人の割合は全体の約35%です。20時台というと、ちょうど子供が寝る準備や寝かしつけをしている時間。つまり、その時間での帰宅ではほとんど子供と関わることができないということです。
同調査でも、21時台以降に帰宅するパパは、「子供との時間を十分にとれない」「子供との接し方に自信がもてない」などの思いをもっているという結果が出ており、子供と関わることができないことが育児への自信をなくすことにつながるのかもしれません。
「子供との接し方に自信がもてない」と答えるパパが多いものの、「家事・育児に今まで以上に関わりたい」と思うかとの質問に「はい」と答える人の割合が2005年に比べて2014年は約15%増加しています。育児にもっと関わりたいけれど、子供への接し方に自信がないというジレンマのようなものを感じますね。
- ベネッセホールディングス「父親の子育て意欲は 9 年間、増加の一途 日常の子育て行動は父親の職場環境が大きく影響」(http://berd.benesse.jp/up_images/research/BERD_press_201506161.pdf,2017年6月15日最終閲覧)
パパの帰宅時間を早くするには職場の理解が必要
「子供との時間を増やしたい」、「育児にもっと関わりたい」と思うパパですが、帰宅時間はパパがコントロールすることが難しいという場合もありますよね。
同調査のワークライフバランスについての項目では、帰宅時間によって「男性の子育て参加を大事にする風土がある」と答えた人の割合が以下のように異なりました。
- 20時台以前に帰宅するパパ:42.6%
- 21時台以降に帰宅するパパ:27.1%
また、「定時後に早く帰りやすい雰囲気がある」という項目に「あてはまる」と答えた割合でも顕著な差が出ており、20時台以前に帰宅するパパが65%、21時台以降に帰宅するパパが36.3%となっています。
この結果から、21時以降に帰宅するパパは、職場の環境が帰宅時間を遅くしているという背景がみえてきます。パパ自身が早く帰れるような努力をするということは必要ですが、会社として子育てを応援し、うしろめたさを感じることなく早く帰ることができるような環境を作って欲しいものですね。
- ベネッセホールディングス「父親の子育て意欲は 9 年間、増加の一途 日常の子育て行動は父親の職場環境が大きく影響 」(http://berd.benesse.jp/up_images/research/BERD_press_201506161.pdf,2017年6月15日最終閲覧)
パパの帰宅が遅い家庭の工夫
調査データから、パパの帰宅が遅いのは職場の環境が影響していることがわかりましたが、職場の環境を変えるということは簡単ではありませんよね。職場に子育てしている人がいなかったり、周りの人への配慮から早く帰りたいということを言い出せなかったり、いろいろな事情があることと思います。
では、普段からパパの帰宅が遅いご家庭では、パパはどのように育児に関わっているのでしょうか。ママの声かけのコツなどをご紹介します。
子供と触れ合えるような育児をしてもらう
あとは、私も大変なんだよー、ということを分かってもらえるよう今日一日のことを伝えたり、、、。
帰宅時間が遅いパパは、子供と接する時間が少ないため自分に子供がいる自覚がない場合があるようです。そういうときには、おむつ替えや抱っこなどのお子さんと直接触れ合うことができる育児をしてもらうのがよいかもしれません。
抱っこを繰り返していくうちに我が子の成長を感じ、パパとしての自覚が芽生えてくるとよいですね。
自分よりもパパになついていると伝える
(中略)
ですが、旦那は1ヶ月すぎたあたりから積極的に子育てに参加してくれるようになりました!
おそらく理由は、子どもが自分があやすと笑ってくれたり声をだしてくれるようになりかわいくてたまらないのだと思います。あとは、私自身も「パパだとなんでそんなに笑うのー?!」や「私の寝かしつけよりはやく寝ちゃうね」など子どもが私より旦那になついているという言葉を伝えています。あとは仕事中に子どもの動画や写真を送ったり成長した姿は共有できるようにしてますよ(^^)
こちらのママは、パパがもっと育児をしたくなるような声掛けの工夫をしています。子供と一緒に過ごす時間が少ない分、パパはおむつ替えやお風呂に入れることがうまくできるか不安になったり、泣かれてしまうかもしれないと思ったりしているかもしれません。
そんなパパからすると、「私よりもパパの方が上手」というような声をかけられたら「もっと子供と関わりたい」と思えるかもしれませんよ。
夜泣きやおむつ替えの対応をしてもらう
お休みの日は一緒に入ってもらいますが、
平日は、18〜20時に私が入れてます。
主人が帰宅後の
夜泣きした時とか、オムツ替えとか、対応してもらってますよ。
主人は朝がゆっくりなので、
私が朝の授乳した後、ベビーを寝室に寝かせていると、
寝起きにだっこしてリビングに連れてきてくれます。
これ、っていうまとまった時間は休みに。
それ以外は日常の何気ないところで上手にベビーにかかわってくれています。
パパの帰宅時間が遅いと、仕事での疲れを気にして育児をしてもらうことをためらってしまうというママがいるかもしれません。
しかし、子供は2人の子供。パパの帰宅後でも夜泣きへの対応やおむつ替えはやってもらう、というのももちろん正解です。
仕事に支障が出ない程度に、上手に子供と関わる時間を持てるとよいですね。
パパ自身に「育児」の実感を!触れ合うほどわが子はかわいくなる
育児に慣れているママであっても、お子さんが生まれたばかりの頃は何をするにも緊張と不安があったという方がいるのではないでしょうか。帰宅時間が遅いパパは、お子さんと過ごす時間が少ないため、同じように、どのように子供と接したらよいのかが分からないということがあるようです。
調査データからもわかる通り、近年はパパが育児に関わりたいと思う割合は上昇しています。しかし、現実には帰宅時間が21時台以降となってしまい子供との時間がとれないということが起きています。
帰宅時間を早くするためには、パパ自身の意識を変えるとともに職場の理解が必要です。子供の成長はあっという間。その貴重な時間を少しでも一緒に過ごすことができるようになるとよいですね。