ワンオペ育児とは
ワンオペ育児とは、パパが残業や単身赴任など不在なことが多い家庭で、実質的にママが1人で家事や育児をになっていることを表現している言葉です。
この言葉は、「ワンオペレーション」という飲食店が人手不足の時間帯に従業員1人で作業をさせるシステムを指しており、実際に家事や育児を1人で行っているママに重ね合わせているようです。
家事や育児を1人でこなすことはとても大変なことだと思います。現在は共働き世帯が増えていますが、パパの仕事が忙しいゆえにママによるワンオペ育児が行われているいうのが現実です。
- 朝日新聞「「ワンオペ育児」私のことだ 夫不在、助けなく破綻寸前」2016年12月3日(http://www.asahi.com/articles/ASJCY5TRTJCYUTIL05F.html,2017年7月31日最終閲覧)
これがワンオペ育児の現実!悩むママの声
仕事の有無に関わらずワンオペ育児はつらいものです。子育ては子供優先で物事を進めていかなければならないことの方が多いでしょう。
そのようなときに、少しでも頼りたいパパが仕事で忙しく不在であることが多いと、ママは家事や育児などを一手に引き受けなければなりません。「子供たちのために私が頑張らないと…」と動き続けるママは本当に体力気力を振り絞り頑張っています。
しかし、ふと気付いたときには心も体も限界…なんて経験はありませんか?そんな経験をしているママは決して1人ではありません。今まさにワンオペ育児で奮闘しているママたちの声をご紹介します。
1.仕事復帰する自信が持てない
私は今まさに辛いです。
朝早く夜遅い旦那に未だに娘は人見知りしてしまいます。
休みの日も旦那と二人にして私の姿が見えないと泣き出してしまい、ちょっとした買い出しや旦那がお風呂に入れてる時、私が一人でお風呂の時は旦那は5分ともちません。
家事を手伝ってくれる気はあるのですが、掃除や洗濯、洗い物は逆に私の仕事がふえます、、、
一歳になったら仕事復帰なのに、このままでは生活していく自信がありません、、
仕事復帰を考えているママにとって、復帰後に家事育児をこなしていくということが大きな壁になることがあるようです。
ただでさえ家事育児が大変なのに、そこに仕事も加わるとなるとできるだけパパにも協力してもらいたいものです。しかし現実は厳しいもの。パパの仕事が忙しくてほどんど家にいないとなるとママの負担が増えてしまうのではないかと不安になってしまいますよね。
2.旦那は仕事でほとんどいないので精神的につらい
うちは休みがほぼなく、朝早くから夜遅くまでの仕事が多く、夜勤や出張もあるためワンオペ育児もいいところです(笑)
先日寝返りをたくさんするようになり、吐き戻しが多く、今日はたくさん洗濯しました。
仰向けになって欲しくてもすぐ寝返りをしてしまい、またダラダラと吐いたり…
なかなかメンタルがやられているのに、そういう時に限り、日付が変わる頃なので職場に泊まるとのこと。
息子は可愛いし大好きですが…
ツライです。涙が止まりません。
パパは仕事で不在という家庭は多いかもしれません。外で忙しく働いてくれることに感謝の気持ちでいっぱいですが、自宅で1人で家事育児をになうママの大変さも相当なものです。
子供が成長し目が離せなくなると1日中つきっきりになってしまうこともありますよね。そのようなときにちょっとでもパパを頼れたらうれしいのに…と思うママは少なくありません。
3.仕事している方が楽に感じることがある
育児と仕事どちらも性質は違えど大変なものです。ママの中には、仕事をした分お給料をいう対価を得ることができるため、仕事をしている方がよいと考えている人も。
自宅での育児は1人で行い、それを正当に評価してくれる機関はありません。けれど仕事は協力しながら進めることができるいう点で、仕事をしている方がよいと考えるママがいるようです。
ワンオペ育児の問題点とは
ワンオペ育児は、ママが1人で家事や育児をこなしている状態のことですが、頑張りすぎてしますとママの心と体が疲弊してしまうことも。
昨今の急速な核家族化や仕事に復帰するママの増加により、ワンオペ育児率も飛躍的に上昇しています。家庭の中でママはとても大きな存在。ママが疲れてしまうと家庭内の作業がストップしてしまうこともありますし、何よりママが苦しそうにしているのは家族にとってもつらいことでしょう。
子育て世帯で増えているといわれるワンオペ育児の問題点とはどのようなことなのでしょうか。
夫の家事育児への協力
パパが家事や育児を積極的にしてくれる家庭はどれくらいあるでしょうか?
私が毎日子供を預けている保育園では、パパが送り迎えを行っている光景を目にします。パパの休日や勤務時間にもよると思いますが、中には送りと迎え両方行っている人もいるようです。休日の保護者会や行事へのパパの参加率も高いように思います。
家事や育児に大忙しなママにとっては、パパが協力してくれることがとてもありがたいものですよね。筆者自身、仕事をしながら家事育児をしているため、どうしても目が行き届かないところが出てきます。
そのようなときに、「今日はお迎えに行くよ」「洗濯はやるからね」といって担当してくれるだけで本当に助かりますし、ありがたい気持ちになります。
仕事が忙しく、なかなか家事育児を担えないパパがたくさんいると思いますが、ほんのちょっとの気遣いがママを救うと思います。
夫の労働時間の長さ
毎日外で働くパパの中には企業に所属している人もいるでしょう。
長時間勤務や単身赴任、不定期な勤務時間など外で働くパパも家族のために働くとはいえ、過酷な条件で働いていることもあるのではないでしょうか。
長時間労働や不規則な労働が続いてはパパも疲れがたまってしまうものです。これはママのワンオペ育児を加速させている要因といえると私は考えています。
ママだけでなく、家族を支えるパパの労働環境も少しずつ整備されていくとよいなと思います。
急速した核家族化
これまでの日本は、祖父母も一緒に住む拡大家族が多くいましたが、現在は核家族化が急速に進み夫婦とその子供という世帯が増えています。
近くに祖父母がいる場合はまだよいかもしれませんが、実家や義理実家が遠方にある場合は何かあってもすぐには助けを求めることもできないでしょう。
近くに頼れる家族がおらず、1人で家事や育児をしているママが増えているのです。自ら核家族を選んでいる人もいるかもしれませんが、毎日1人で家事や育児をこなしていくのは本当に大変なことです。
私自身、核家族で近くに頼れる身内はいません。始めは「自分だけでも何とかやっていけるだろう」と思っていましたが、思うのとやるのとでは全く違いました。2人目を出産した後、この先しっかりやっていけるのかとても不安になったことを覚えています。
ワンオペ育児の負担を軽減する改善策とは
共働き世帯や核家族化、シングル世帯など家族の在り方が多様化していますが、ママの孤立を深めるワンオペ育児の解決策はあるのでしょうか?
周囲の協力が得られなくても、家事に育児に仕事に大忙しのママたち。頑張りすぎてしまうことがありますが、ちょっと視点を広げてみるだけでも「ワンオペ育児」で感じているつらさを少し回避できるかもしれませんよ。
一時保育、ファミサポなどの制度を利用して自分の時間を作る
親族に頼れないのであれば、地域の子育てサービスを頼ってみてはいかがでしょうか?各自治体のHPをみてみるとさまざまな子育て支援があることがわかります。
一時保育やファミサポは、ママのリフレッシュ目的で利用することができるので、パパは仕事でほとんど家にいない、いても手伝ってくれない、祖父母は遠方で頼れないと悩むママにはぜひ頼ってみて欲しいサービスです。利用するときは事前に登録や予約が必要な場合があるので、お住まいの自治体に確認してみるよよいでしょう。
完璧を目指さない
何もやる気が起きない、気分が乗らないという経験をしたことはありませんか?
ワンオペ育児で悩みを抱えているママの中には、家事や育児、仕事において完璧にこなしたいと思う人がいます。筆者自身ずぼらな性格ですが、何かをやり始めるとなぜか完璧を目指そうとしてしまうことがよくあります。
でも、完璧を目指そうとするとそれだけ疲労感もあります。毎日それでは心身ともに疲れてしまい、ついにはやる気が全く起こらない状況になってしまうことがありました。
ワンオペ育児を乗り越えるためには、ときどき楽をすることも必要だと私は思います。あらかじめこの曜日は「ノー家事デー」と決めておくのもよいかもしれません。実際に筆者の「ノー家事デー」は金曜日と決めていますが、それがあるだけで気持ちが楽になります。
金曜日だけは夕食も作らないと決めていて、子供たちを迎えに行ってからお弁当を買って帰り食べることもあります。取り分けるお皿など多少の洗い物は出ますが、いつもより格段に少なく済みますし、あれもこれもやらなければという焦りから少しでも解放されるのでうれしいです。
やるべきことはたくさんあるけれど、体の疲れを感じるときは休息すべきタイミング。「頑張らない」ということも大切なのだということを知りました。
無理に人付き合いしない
子供ができるとそれ以前よりも交友関係が広がることがあります。親戚やママ友などお付き合いの幅が広がるのはうれしいことですが、一方でお付き合いが精神的な負担になることも考えられます。
ワンオペ育児で孤独を感じると、誰かと話したい、つながりたい、つらさを共有したいと思うことがあります。今SNSなどで簡単につながることができますが、場合によっては相手の投稿に傷ついてしまったり、さらに孤独を感じてしまったりすることがあるかもしれません。
楽しくお話ができる状態のときはよいのですが、できるだけストレスをためないためには、無理して人付き合いをしないということも大切なのではないでしょうか。
時代や環境は変わるもの!ワンオペ育児を乗り越えられる社会に
共働き世帯が増え、核家族化が進んでいる昨今。世間では「ワンオペ育児」という言葉が瞬く間に広がっています。
以前は男性は外で働き、女性は家庭を守るもの、という社会的な役割が明確になっていましたが、現在は共働き世帯が増え、積極的に外で働くという選択をする女性が増えてきました。
それに伴い、家事や育児の分担はそのときできるほうがやればいい、という家庭もあるのではないかと思います。でも、ママも仕事をしているのにも関わらず、パパが忙しい家族は家事や育児をママが一手に引き受けていることも珍しくありません。
決してパパたちが家事や育児を軽視しているというわけではないと思いますが、時代が変わっても家事や育児におけるママの負担が軽くなることはありません。むしろ共働きをすることで、ママにさらなる負担がかかり苦しんでいることに私は違和感があります。
ワンオペ育児で悩む人の負担を少しでも軽くするには、家族間の協力体制や話し合い、役割分担は大切かもしれませんが、地域や社会全体のサポートも今後さらに必要になってきているのではないかと思います。
この先、私たちの子供が大人になったときに、今よりも子育てしやすい社会になっていることを願うばかりです。