鉄欠乏性貧血とは
鉄欠乏性貧血とは、鉄不足によって赤血球中のヘモグロビンが減り、貧血の状態になることをいいます。
ヘモグロビンには酸素と結合する性質があり、全身の細胞へ酸素を運ぶという大事な働きをします。このヘモグロビンの主な材料が鉄。鉄が不足するとヘモグロビンの合成がうまくいかず、体のすみずみまで酸素が行き渡りにくくなります。
女性は、月経によって出血することや、無理なダイエットや普段の食事の偏りによって鉄欠乏性貧血になりやすくなります。また、妊娠・出産・授乳の時期にも鉄分をたくさん必要とするため、知らず知らずのうちに鉄欠乏性貧血になっていることがあります。
- 熊本医療センター「【第124号】 鉄欠乏性貧血について」(http://www.nho-kumamoto.jp/kusu-press/kusu-124-01.html,2017年8月24日最終閲覧)
- みゆきクリニック「鉄欠乏性貧血」(https://mental.or.jp/症状と治療/鉄欠乏性貧血,2017年8月24日最終閲覧)
- 中野司朗レディースクリニック「やさしい医学講座 Q&A|13.鉄欠乏性貧血」(http://www.clinica.jp/?post_type=medical&p=253,2017年8月24日最終閲覧)
鉄欠乏性貧血の原因
女性の場合に考えられる原因は、月経による出血です。子宮筋腫や子宮内膜症などにかかっていて、月経時の出血量が多い場合には、それが原因となって鉄欠乏性貧血になりやすくなるでしょう。
また、月経が頻繁にくる、月経期間が長引くといったタイプの月経不順も、貧血のリスクになります。
生理以外にも、消化管の出血や、がんによる出血が原因になっている場合もあります。すべてを月経のせいだと決めつけず、原因を調べてみることが必要です。
- 中野司朗レディースクリニック「やさしい医学講座 Q&A|13.鉄欠乏性貧血」(http://www.clinica.jp/?post_type=medical&p=253,2017年8月24日最終閲覧)
- 東京都病院経営本部「貧血の食事」(http://www.byouin.metro.tokyo.jp/eiyou/hinketsu.html,2017年8月24日最終閲覧)
- 熊本医療センター「【第124号】 鉄欠乏性貧血について」(http://www.nho-kumamoto.jp/kusu-press/kusu-124-01.html,2017年8月24日最終閲覧)
鉄欠乏性貧血の症状
鉄欠乏性貧血になると以下のような症状が出ることがあります。
- 動悸、息切れ
- 体が疲れやすい
- 頭痛、めまい、立ちくらみ
- 食欲不振
このような身体的な症状以外に、気持ちが沈みやすくなったりイライラしたりすることもあります。妊娠中や産後にはたくさんの鉄が必要になるため、ママが鉄欠乏性貧血になる場合もあります。
貧血によるだるさや気持ちの落ち込みによって、育児がとてもつらく感じてしまうことがあるかもしれません。できるだけ早く医療機関に相談をしましょう。
- 鈴木内科クリニック「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)とはなにか」(http://tcm-suzuki.com/2016/11/18/隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)とはなにか/,2017年8月24日最終閲覧)
- 中野司朗レディースクリニック「 かくれ貧血 鉄欠乏性貧血」(http://www.clinica.jp/?post_type=keyword&p=314,2017年8月24日最終閲覧)
鉄欠乏性貧血の治療方法
血液検査をして、まずは貧血の種類を特定します。その結果、鉄欠乏の原因になる病気が見つかった場合には、その病気を治療します。
鉄欠乏性貧血自体の基本的な治療法は、鉄剤の服用と食事療法です。食事療法だけでは症状の改善に時間がかかってしまうため、鉄剤を服用して体に鉄分を蓄える必要があります。
食事療法の基本は、主食・主菜・副菜などを組み合わせ、栄養素をバランスのよい食生活をすること。さらに、鉄分を多く含む食品を積極的に摂取することが必要です。
食品に含まれる鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、主に魚や肉に含まれるヘム鉄は非ヘム鉄に比べ吸収がよいとされています。まずは魚や肉を積極的に食べることがおすすめです。
症状が改善したあとも、再発の防止のためには食事に気を配ることが大切です。日々の食生活を改善することが、貧血予防になるということを覚えておきましょう。
- 東京都病院経営本部「 貧血の食事」(http://www.byouin.metro.tokyo.jp/eiyou/hinketsu.html,2017年8月24日最終閲覧)
- 熊本医療センター「【第124号】 鉄欠乏性貧血について」(http://www.nho-kumamoto.jp/kusu-press/kusu-124-01.html,2017年8月24日最終閲覧)
- 中野司朗レディースクリニック「やさしい医学講座 Q&A|13.鉄欠乏性貧血」(http://www.clinica.jp/?post_type=medical&p=253,2017年8月24日最終閲覧)
鉄欠乏性貧血を軽く考えず、きちんと対策を
女性は、月経があるため出血が多く、鉄欠乏性貧血になりやすい要因があります。めまいやふらつきといった、貧血を連想する自覚症状がなくても、疲れやすい原因が鉄欠乏性貧血である場合もあるのです。
体に不調が出てきて貧血を疑う場合には、自己判断で食事療法などをせず、きちんと医師の診察を受けて原因を調べてみましょう。
また、ヘモグロビンの値は正常範囲でも、血清鉄やフェリチンが低い「隠れ貧血」という状態のこともあります。適切な治療を行うことで、貧血は改善できますよ。