一般的に妊娠12週目になるとつわりが少しずつ治まり楽になってくると言われています。早ければ妊娠11週ごろから症状が落ち着いてくる人もいるでしょう。食欲がどんどん増していき、一気に体重が増えてしまう場合があります。
急激な体重増加は妊娠高血圧症候群などのリスクを伴うので、つわりの症状が落ち着いてきたら食事の内容や量に気を付けるようにしましょう。もともと体重が少なめの人は、妊娠中に10kg以上体重が増えても問題ないため、元の体重によっては極端に食事を制限しない方がよい場合もあります。
葉酸の摂取
「妊娠中に葉酸をとるとよい」という話を耳にしたことがある方がいるかもしれませんが、実は、葉酸を積極的に摂取すべき時期は妊娠が成立する前なのです。
葉酸の摂取は、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを下げることを目的としていますが、神経管閉鎖は妊娠6週の終わりに完成するため、妊娠に気付いてから葉酸を摂取するのでは神経管閉鎖障害への対策としては遅いのです。
しかし、妊娠初期は胎児がどんどん成長する時期。1日1mgを超えて摂取しなければ、サプリメントなどの服用を続けても副作用はほとんどないとされているため、妊娠がわかってから服用を始めた方はそのまま飲み続けても問題ありませんよ。
ビタミンAの過剰摂取に注意
葉酸を含むサプリメントの中に、複数のビタミンが含まれたものがあります。葉酸の摂取を目的としてこれを服用してしまうと、ビタミンAの過剰摂取につながる可能性があります。
ビタミンAの過剰摂取は胎児に影響を与えることが指摘されているため、サプリメントを購入する際には葉酸単体のものを選ぶか、薬剤師から説明を受けた上で購入するのがよいでしょう。
腹圧・激しい運動には要注意
妊娠11週のころは、見た目に大きな変化がないため、妊娠前と同じような生活をしてしまうこともあるでしょう。しかし、腹痛を引き起こすような、おなかに力が入る動作は極力控えるようにしましょう。腹圧をかけすぎると、不正出血を起こす原因となることがあります。
また激しい運動は止め、ヒールの高い靴を避けるなどの予防策をとりましょう。仕事や家事、上のお子さんを抱きかかえるなどの行為も無理のない程度にとどめましょう。一方、妊娠経過に問題がなく、自分自身の体調的につらい症状がなければ、極端な行動制限も不要です。
旦那さんや母親、兄弟姉妹などに協力してもらいながら生活していくのがおすすめです。
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妊娠11週は無理せず過ごしましょう
妊娠11週目は胎児の心拍が確認できてほっと一安心できる時期ですが、流産の可能性がなくなったわけではありません。周りの人から妊娠に気づかれにくい時期ですので、意識的に体を安め、無理せずに過ごしましょう。
妊婦健診の間隔が4週間と長くなりますが、その間に気になることがある場合は、まず電話で産院に相談してみるなどの対応をとりましょう。










