母乳よりも粉ミルクがよいとされていた時代
厚生労働省の調査によると、昭和50年に粉ミルクだけで生後一ヶ月の赤ちゃんを育てていたママは37.4%いました。平成17年は4.4%まで減っています。同じ調査で、昭和50年に完全母乳で生後一ヶ月の赤ちゃんを育てていたママの割合は31.4%。平成17年には60.0%まで増えています。
親世代が子育てしていた時代、母乳のみで子育てをしていたママの割合は、現在の約半分でした。この割合の違いが、まさに、親世代、私たち世代の考えかたのギャップにあらわれているといえます。
なぜミルク育児が推奨されていたの?
親世代が子育てをしていた頃、母乳育児をしているママが少なかったのには理由があります。粉ミルクは大正6年につくられ、時代とともに改良が重ねられてきました。第二次世界大戦中や戦後は、栄養不足で母乳が満足に出ない母親がたくさんいましたが、質のよい粉ミルクがなかっため、赤ちゃんの栄養不足が深刻でした。
昭和30年代は、50%以上の赤ちゃんが母乳で育てられていましたが、このころから、さらに粉ミルクの内容が改良され、「粉ミルクの方が母乳より栄養があって、子供がよく育つ」といわれるようになりました。それにともなって、赤ちゃんを粉ミルクで育てようと考えるママが増えました。
- 鳥取県「孫育ての基礎知識「ここが変わった!「昔」と「今」の子育て」(http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1048621/sohuboall-6-22.pdf,2017年12月11日最終閲覧)
- 奈良県「子育てネット みんなで子育て孫育て」(http://www.kodomo.pref.nara.jp/,2017年12月11日最終閲覧)
- ベネッセ教育情報サイト「赤ちゃんの成長」(http://benesse.jp/contents/akachan/ikuji/hensen-01.shtml,2017年12月11日最終閲覧)
- 日本小児学会「小児科医と母乳育児推進」(https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/saisin_110916.pdf,2017年12月11日最終閲覧)
- 宋美玄 「産婦人科医ママと小児科医ママのらくちん授乳BOOK」P16参照(メタモル出版,2015年)
今は母乳育児が推奨されている!その根拠とは