産婦人科に聞く、妊婦さんが体を冷やしてはいけない理由とは?
妊娠がわかり、徐々に変化していく体型。おなかが大きくなるにつれて少しずつ動きにくいと感じることが増えていきますが、それと同じように着る服にも悩むのではないでしょうか。
今まで着ていたものが入らなくなってしまったことは、妊娠をしたことがある方なら誰しも経験があると思います。特に、寒くなる季節は防寒のため厚着をする必要がありますよね。何着も重ね着をしたり、分厚い服を着たりするとさらにうまく動けませんし、おなかが苦しくなることもあるのではないでしょうか。
動きにくく苦しいから薄着にしたいけれど、それでは体が冷えてしまうので難しいところ。
今回は、妊婦がなぜ体を冷やしてはいけないのか、またマタニティファッションで抑えるべきポイントを産婦人科医である善方裕美先生に教えていただきました。
産婦人科医:善方先生プロフィール
よしかた産婦人科
- 善方裕美先生
- よしかた産婦人科 副院長
- 横浜市立大学産婦人科 女性健康外来担当医/日本産婦人科学会専門医
善方先生は自然分娩・母乳育児を推進する50年の歴史を持つ産院を営み、大学病院ではヘルスケアの専門医として、外来診療・若手医師の育成に従事。
著書に『だって更年期なんだも~ん治療編』(主婦の友社)や『ウィメンズヘルスリハビリテーション』(メジカルビュー社)などがあります。
善方先生が教える、妊婦が体を冷やしてはいけない理由
おなかにいる赤ちゃんへの酸素や栄養は、妊婦さんの血液によって運ばれます。そのため、体が冷えてしまうとおなかの赤ちゃんにも影響が出てくる場合があるそうです。
善方先生によると、母体の冷えによってママの免疫力が低下して体調を崩しやすくなるためおなかの張りの原因にもなるとのこと。そのため妊婦さんは体を冷やさないよう気を付けなければなりません。
善方先生が教える、「あったか妊婦」になるための4つのポイント
筆者も妊娠中はなるべく体を冷やさないよう暖かい服装を心がけていましたが、冷やしてはいけない理由は漠然としてしか分かっていませんでした。
冷やしてはいけない理由が分かったところで、どのような服を着れば良いのか知りたいですよね。そこで冷えの仕組みと、体を冷えから守るファッションについても善方先生に教えていただきました。
妊娠すると、体重増加や胎児の血液を確保することから循環血液量が増えるものの、腎臓の働きが追いつかずに余分な水分を蓄えてしまい、むくみがすすみ冷えにつながりやすくなるそうです。
そのため、次のポイントを押さえたファッションをしてみましょう。
体を冷やさないマタニティコーデのポイント4つ
- 首元、胸元、背中や腰(腎臓上あたり)をしっかり温めよう
- マタニティウエアへ切り替えよう
- 体温調節しやすいコーデにしよう
- 足首も冷やさないようにしよう
善方先生には体を冷やさないマタニティコーデのポイント4つを教えていただきました。
まず一つめは、首元、胸元、腰(背中側の腎臓上あたり)をしっかり温めてあげること。首元、胸元、背中を冷やしてしまうと風邪を引いたり、食欲不振になったりと体調を崩しやすくなってしまうので注意が必要。
二つめはマタニティウエアに切り替えること。締め付けの強いパンツやスカートは避け、ゆとりのある洋服がおすすめです。締め付けることで血流が悪くなるので、気を付けましょう。
三つめは体温調節をしやすくすること。外は寒くても建物の中は暖房が利いているので、サッと脱げる洋服が良いです。薄手のカーディガンやスカーフを持ち歩くと便利ですよ。
四つめは足首を冷やさないよう、長めの靴下やタイツをはいて冷えるのを防止すること。足首には子宮のツボがあるため、冷えるとおなかの張りの原因になります。
以上のポイントをしっかり抑えて、冬のマタニティコーデをたのしみましょう。
プチプラなユニクロでつくる、あったかマタニティコーデ
冬のマタニティコーデにおすすめしたいのがプチプラで有名なユニクロです。ユニクロアイテムは購入しやすい価格なだけでなく、デザインもシンプルながら高見えできるアイテムばかり。
おなかが大きく、寒さ対策をしていてもおしゃれを楽しみたい妊婦にユニクロはピッタリです。
そんなユニクロアイテムを駆使して体を温めてくれるマタニティコーデをご紹介します。寒さ対策だけでなく、動きやすさも兼ね備えたものになっていますよ。
近所へ買い物や公園になどに行くカジュアルコーデ、ママ友とランチや遠出などにぴったりなきれいめコーデのニつを紹介します。
薄手アイテムを重ねてあたたかコーデ
ユニクロ
ユニクロのマタニティ用レギンスパンツなら、大きくなったおなかにフィット。ベルトなどで調節したときにできる隙間も生まれないので冷える心配もありません。
お尻まで隠れる長さのボアコートを合わせれば、腰やお尻をしっかり守ってくれつつおしゃれに見えるのでおすすめ。体型カバーもしてくれる優れものです。
気温や体温に合わせ、薄手のウルトラライトダウンベストをコーディネートすると、体温調節もできますよ。コートやインナーのアクセントになるようなカラーを選んで、レイヤードスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。
おなかをすっぽりカバーするマタニティボトムスなら、チュニックなど丈が長めのトップス以外にも合わせられるので使い勝手が良いです。
女性らしいオフショルダーワンピでおしゃれ感アップ
ユニクロ
次はママ友とのランチ時などに活用できるおすすめのおでかけコーデです。
見せるインナーとしてユニクロのタートルネックヒートテックを着ることで、首元を暖め、厚着をしなくても暖かく過ごすことができます。バリエーションが豊富なので、色や柄を変えればまた違った印象になりますよ。
ユニクロにはワンピースなど、マタニティウェアでなくても妊婦さんが着られるアイテムが豊富。ニットワンピースにレギンスというマタニティファッションの定番コーディネートですが、女性らしいオフショルダーワンピースを合わせることでよそゆき感が作れます。
タートルネックで首元をカバーしているだけでなく、胸元は二重になっているので全身が温まりますよ。
ユニクロアイテムを使って冬のマタニティコーデをたのしもう
秋冬はニット帽やマフラーなどを組み合わせ、寒さを防ぎつつファッションを楽しむことができます。善方先生が教えてくださったポイントを抑えれば寒さもへっちゃら。今回紹介したマタニティコーデなら、モコモコと着ぶくれすることもないのでとても動きやすいですよね。
ユニクロの洋服はプチプラでデザインも豊富なため、同じアイテムでもカラーによって印象がぐっと変わり何着も欲しくなってしまいます。体をしっかり温めながら、秋冬ファッションを楽しみましょう。