無痛分娩に対する意識調査
妊娠・出産や子育て分野のサービス提供をおこなうベビーカレンダー(旧社名:クックパッドベビー)。そのベビーカレンダーが自社提供のアプリなどを通じ無痛分娩に対する意識調査をおこないました。
アンケートの対象は、全国の産院やクリニックで出産経験のある女性。調査では無痛分娩をどう思うか、経験したことがあるかなどの質問に対し約1,200件の回答が寄せられています。
調査概要
- 調査対象:ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「ベビーカレンダー アプリ」によるアンケートにご応募のあった産院・クリニック出産経験者
- 調査期間:2018年2月20日〜2月23日
- 調査件数:1,254件
実際にはどう思う?無痛分娩に対するのママの声
欧米では一般的にもかかわらず、まだまだ日本では賛否両論のある無痛分娩。麻酔で痛みをやわらげるという分娩方法には否定的な声があったり、医療事故の報道などがあったりしてネガティブなイメージを持つ人もいるようです。
一方で、近年では無痛分娩を選ぶ人が増えてきている傾向も。実際に出産を経験したママたちが無痛分娩についてどう思っているのか、実態調査の結果を紹介していきます。
6人に1人が経験。「無痛分娩を経験したことはありますか?」
アンケート結果によると16%が無痛分娩の経験者。およそ6人に1人が無痛分娩をおこなっているということになります。
半数が肯定的。「無痛分娩についてどう思いますか?」
「無痛分娩についてどう思うか?」という質問に対し、肯定的な回答が51%と全体の約半数を占める結果となっています。
肯定的な意見の中には「良いと思う」「やりたかった」というものの他に「やりたかったがかかりつけの産科では選べなかった」「費用が高かったので諦めた」といった意見も。無痛分娩を選ばないという中には産院等の環境が整っていないという現状もあるのかもしれません。
中立派の回答26%の中には「人それぞれ」「出産のストレスに耐えられない人には必要だが、自分には必要ない」など客観的な意見が多く見られます。リスクを軽減する環境が整うことももちろんですが、出産する側の知識や理解も必要だという冷静な考えを持つ人も多かったようです。
無痛分娩に否定的な回答は366件、全体の23%となりました。否定派の回答中3分の1以上から「怖い」という意見が挙がる結果に。他にも「メリットがないように思う」「リスクが高い」などの意見もあり、やはり安全面に不安があるということがわかります。テレビやインターネットで取り上げられるのは事故などのニュースが多く、そういった報道なども影響しているものと思われます。
6割以上が満足。「実際に無痛分娩をおこなって満足しましたか?」
無痛分娩の満足度については、無痛分娩を考えている人や今後の分娩方法を迷っている人にとってぜひ知りたいところですよね。無痛分娩を経験したママたちのうち「満足した」との回答は64%。半分以上の人が満足できるお産ができたということのようです。
一方「満足しなかった」との回答は7%ほど。その理由については「費用の高さ」や「無痛分娩と言えど痛みがある」というものが挙げられています。また、29%の人が「どちらともいえない」との感想を持つという結果に。
第1子の出産が影響?「次に出産するとしたら、どの分娩方法を選びますか?」
次の出産でどの分娩方法を選ぶかという質問に対しては、自然分娩が55%、無痛分娩が38%、その他(帝王切開)が7%という回答となっています。自然分娩を選ぶ声が多い結果となりましたが、分娩方法の選択には第1子の出産のしかたも大きく影響しているよう。
「最初の出産がリラックスしてできたので、次も無痛分娩で」という無痛分娩派の声や「1人目よりも2人目は楽になると思う」「大変な初産は無痛で、2人目からは自然で」という自然分娩派の声なども紹介されています。無痛分娩は特別なものでなく、大変な出産を乗り切るための一つの手段。そんな風に考えるママたちは少しずつ増えているのかもしれません。
無痛分娩も選択肢の一つとして
アンケートの結果にもありましたが、無痛分娩に対してはリスクを心配する声がまだまだ少なくはないと思います。それでも分娩方法の一つとして受け入れられるようになってきているというのは、今回の調査からも読み取れるのではないでしょうか。
無痛分娩については、医療事故のニュースなどが目に付くことも。赤ちゃんや自分の安全を考えたときに事故のニュースは気になるものですが、報道が多いということはそれだけ世間の関心が集まっているのだと見ることもできます。厚生労働省から安全確保のための体制整備に取り組む提言案が発表されるなど、国や医療施設などの安全性への意識も高まってきているようです。
無痛分娩は痛みの緩和だけではなく産後の早期回復などのメリットもあります。今後は分娩方法の一つとして、より安心して選択できる体制が整ってくることを期待したいですね。