「保活」とは?
皆さんは「保活」という言葉をご存じでしょうか?「保活」とは、子供を保育園へ入れるための活動のこと。園によって考え方や活動内容などが違うため、わが子にあった場所を選ぶことが大切。
10月から、ついに保育園の無償化が始まります。これを機に保育園への入園を検討しているご家庭もあるのではないでしょうか。しかし、園への入園準備は具体的にどのようなことをしたら良いのか分からない場合もありますよね。
人によって重視する点は異なるため、実際に話を聞いたり、見たりしてしっかりと検討することが必要になります。
- キッズライン「保育園に入れない!入るにはどうしたら?ママ300人の保活のやり方・実態」保育園に入れない!入るにはどうしたら?ママ300人の保活のやり方・実態(https://kidsline.me/hokatsu/contents,2019年5月27日最終閲覧)
保活の実態は?
キッズライン
保活について皆がどのように感じているのか、株式会社キッズラインが300人のママたちへ調査をおこないました。実際に保活をして大変だったか?という質問をしたところ、44.5%のママが「非常に大変」と回答。約半数のママたちが保活は大変と感じた結果になりました。「あまり大変ではなかった」「まったく大変ではなかった」という回答をよせたママたちは、10%にも満たなかったのです。
この結果から、保活はとても大変だということがわかりますよね。筆者も保活を2度経験していますが、この結果には本当に納得しました。特にこだわりがない…という考えならば大変ではないのかもしれませんが、職場の近くにするのか、家の近くにするのかでも考えなくてはなりません。
保育園の考え方だけでなく、雰囲気や入園している子供たちのようすを見たりと考えることが多くあり、簡単には決められないのが現実です。
保活経験者の声
「100件以上の認可外・認証保育園を調べ、50以上にウェイティングをかけたので、数をこなすだけでも大変だった。それでも入れなかったので、フルタイムベビーシッターを探すこととなった。」 ※1
「早生まれのため、妊娠中の10月から認可外・認証の保活を始めましたが、産まれてからでないと申し込みができない園ばかり。ようやく申し込みができたのは産休明けの5月、すでに定員が埋まっていました。」 ※2
「どこまで頑張れば保育園に入園できるかが分からないプレッシャーがあった。」
「絶望感ばかりで、イライラと不安が募る。」 ※3
保活にはげんだママたちからの声も紹介します。すでに職場復帰が決まっているママにとって、保活は本当に重要なこと。保育園へ入れるか分からないプレッシャーはとても大きいものです。
やらなければならないことが多く、気持ちが滅入ってしまうママもいます。保育園の数がたくさんあっても、それ以上に入園希望が多いためなかなか入ることができないという声もありますよね。
100件以上の認可外・認可保育園を調べ、50件以上もの保育園へウェイティングをしたママもおり、保活のすさまじさが分かります。それだけの数を調べても入ることができず、ベビーシッターを探すことになったそうです。住んでいる地域によっては激戦区になり、入園をあきらめざるを得ないママも。
わが家の「保活」はこうでした!
筆者には8歳の長女、3歳の次女、1歳8ヶ月の長男と3人の子供がいます。
長女は途中入園だったため、今回は2018年4月に次女と長男を保育園へ入園させたときの保活事情について紹介します。
保育園に入れようと思った理由とその時期
保育園へ入園させようか考え始めたのは次女が2歳のとき。まだ長男は生まれていなかったのですが、子供が3人になったら生活が厳しいと思い、働くことを考えました。次女を幼稚園に入れるには1年早く、長男が1歳になってからでは保育園に入るのは難しいと判断。2018年4月入園を決断したのです。
筆者の家は夫、子供3人の5人家族。夫は週6日勤務で朝が早く、帰りも夜遅いためワンオペ育児状態。助けてもらえる両親は近くにいたものの、働いているためすべて1人でやらなければならない環境でした。筆者はそのとき仕事も決まっていなかったため、保活と就活ダブルで重なっており、バタバタでした。
保育園に関して周りのママたちの意見を聞くと、やはり1歳になってから保育園へ入れるママが多くなかなか空きがないと知り、0歳での入園を希望。次女を2歳児クラス、長男を0歳クラスへ入園させるため保活の準備に取りかかったのです。この頃は妊娠9ヶ月と、動き出すのがかなりギリギリでした。園によっては、預けられる月齢が制限されている場合もあるのですが、長男は入園する4月頃に生後6ヶ月ほどとなっているため、対象の園も多く助かりました。
情報収集の仕方
保活の第一歩として、まずは保育園の情報収集をしました。最初に空きが分かった保育園は家から遠いところだったため、通うのが大変ということもあり家の近くの保育園へターゲットを絞り探すことに。筆者は仕事がまだ決まっていなかったため、保育園が決まってから仕事を探すようにしました。
情報収集はインターネットや近所のママ友、すでに保育園へ入園しているママ友の話などを聞き、調べていました。他にも区役所へ行き、保育園の一覧表や申請書などを入手。
保育園への見学をする前にどのような場所にあり、どのような理念をかかげている保育園なのか知っていると、考えがまとめやすいと思います。
保育園を見学し始めた時期、見学の注意点、件数
保育園を見学し始めた時期は7~8月ごろでした。長男が9月に生まれる予定だったため、とにかく早くいかなくてはと思い、近所の保育園へ連絡し見学の日程を決定。
園の見学予約では、気をつけたいポイントがあります。それは電話する時間帯。筆者自身も保育園栄養士として勤めていた経験があるのですが、やはり電話対応しやすい時間帯があります。朝や夕方は子供たちの受け入れ、帰りのしたくなどでとても忙しい状態。そのため、電話をするのはお昼寝どきがベストです。保育園によって違いますが、13時前後には先生の手が少し空くため13~14時ごろが良いのではないかと思います。
日程や時間帯を決め、見学時に必要なものがあるのかを把握し、車やバイクなどで行きたい場合は大丈夫か許可を取りましょう。すでに保育園へ入園希望のお子さんがいる場合は必ず一緒に行き、お子さんのようすも見るのが良いですよ。またお子さん以外に祖父母などが一緒に行く場合、これも合わせて伝えておくと、保育園側も対応してくれることがあります。
筆者が見学をした園は合計3箇所。すべて家から徒歩または自転車で行ける距離の園と限定していたため、とても少ない方だと思います。車が必ず使えるわけでもなかったため、無理なく通える場所を選んだのです。
保育園見学で気にした部分、質問した内容
保育園見学で気にしたポイントは、園の雰囲気です。保育士さんの対応や保育園の中、子供たちのようすなど、雰囲気はとても気にしました。
見学時に保育士さんたちが笑顔で挨拶をしてくれたり、子供たちが楽しそうに過ごしていたりと日頃のようすは重要だと思います。見学をしながらもわが子の状態も観察し、なじめそうか、リラックスしているかという部分も注目しました。子供だけでなく、ママ自身も「ちょっと違うかな…」と感じるようなところがあるのであれば、考える必要があると思います。
保育園見学も内容はさまざまで、施設案内だけでなく保育園の考え方や過ごすスケジュール、イベントなどを説明してくれる保育園もあれば、ただ施設案内だけで終わったところも。見学対応の違いも選ぶ基準となりました。
見学時に質問した内容は以下になります。
- 布団はレンタルか、自身が用意するのか、週末持ち帰るのか
- おむつは布と紙のどちらか、持ち帰りなのか
- 哺乳瓶・ミルクなどは用意するのか
- 給食セットは必要か
- 親子参加のイベントはあるのか
- 保育園での体調不良・けがのときの対応はどうか
- PTAなど親の役割があるのか
長女のときに経験したことを踏まえ、見学時にこれだけのことは質問しました。保育園によって布団もレンタルか用意するのか違いがあります。
長女が通っていた園では、布団はレンタルでシーツもバスタオルやタオルケットを持っていくだけだったので、とても助かりました。布団を持ち帰る必要がないのも魅力でした。
おむつは布、紙のどちらを使うのかも聞きましょう。またそれを持ち帰るのか、捨ててもらえるのかも重要です。他にもPTAなど親の役職がある保育園もあるため、確認をしておくのがおすすめです。
あとは気になった点を見学前にメモして、質問してみましょう。ちなみに親子参加イベントでは、運動会は午前中のみでお弁当無しということがありますので、そういった点も園によって変わってきます。
保育園申請の時期、結果
保育園の見学も無事に終え、10月ごろの保育園申請に間に合いました。2人分だったため、書類が多くわからないことは区役所へ電話して聞いたり、インターネットで調べたりしました。住んでいる地域によって違うため、早めに調べておきましょう。申請する書類も、直接区役所に行かずインターネットからプリントすることもできます。
筆者は第1希望~第3希望のみ記載し、申請。2人を入れなくてはならないだけでなく、仕事も決まっていない「求職中」での申請だったため、なかばあきらめモードに。
通知が来るまではとくにやることはなく、仕事を探しつつ今まで通り普通に過ごしていました。申請結果は年明け1~2月ごろに郵送され、2人分だったので2通到着。この結果を開けるのは本当にドキドキしたのを覚えています。
結果は入園決定通知で、第1希望の保育園へ入園することになり、本当にありがたかったです。喜んでいるのもつかの間、そのあとに入園説明会のお知らせがくるのですが、なんと3月に開催。
入園まで1ヶ月足らずで、2人分の準備をしなければならなかったためバタバタでした。
入園準備も2倍
入園が決まったことは本当にうれしかったですし、ありがたかったです。しかし準備が2倍な上、準備期間が短いという状況に。
準備するものは布団シーツ(サイズ指定)、着替え・パジャマ袋(2人分なので4枚)、コップ・歯ブラシ、長男のストロー付きマグカップ、保育園に置くおしりふきで、購入品の名づけ、赤白帽子・スモックのワッペンづけなどもやる必要がありました。一番大変だったのは布団シーツと着替え・パジャマ袋を作ることでした。実家からミシンを借りて黙々と作り、なんとか終わらせたのです。
何が必要で、いつまでに持っていくのかを2人分把握することに混乱していました。さらにまだ求職中だったので、仕事も探しつつ、準備に追われ、あっという間に入園をむかえたのです。
保活をふりかえり…
これらの経験から、保活の大変さを痛いほど感じました。筆者の場合は3件ほどしか見学に行きませんでしたが、10、20、30…と多くの保育園を見ているママは想像を絶するほどの苦労だと思います。
申請する保育園は3件のみであるものの、長女のときに比べ2人分行わなければいけなかたので書類や保育園への質問も多く、考えることがとてもたくさんありました。もしお子さんに食べ物のアレルギーがある場合は、どのように対応しているのかをしっかり確認しておくことも重要。筆者は長女が1歳のとき卵アレルギーがあり、保育園見学の際に質問しました。
保活での反省点は、時間にゆとりを持って動くこと。保育園へ入れることをギリギリに決めたせいで、生まれる寸前に見学に行ったり、バタバタと書類を書いたりと余裕がない状況で動くのはおすすめしません。またワンオペ育児でしたので、当然保活も1人。協力してもらえる人がいるならば、手助けをしてもらうのも一つの手です。
保活は1人ではなく、協力してもらって進めよう
保活を通して子供の集団生活への不安や心配、入園できるのだろうかといった悩みは無くなるわけではありませんでした。筆者はすべてを1人で行ったため、気持ちを共感してもらえることなく終わりました。同じような思いを他のママたちにはして欲しくないので、保活は1人ではなくパートナーや家族に協力してもらうと良いと思います。
自分自身だけの考えだけでなく、一緒に見学をすることで違う視点から物事を見てもらえるだけでなく、ママの気持ちも楽になるのではないでしょうか。
社会問題にもなっている保活。ママだけの問題ではなく家族皆で考えなければならないことなので、できるだけ協力してもらいましょう。