親子は対等、親子は仲間
親と子の関係について、親が上、子供が下といった上下関係でみてはいませんか?
上下関係になってしまうと、自然と「自分は正しい、子供は間違っている」という考え方になりやすいものです。親子の関係は上下のタテの関係ではなく対等なヨコの関係を心にとどめましょう。
考え方のポイントは、子供に対する言動で迷った時や改めて振り返る時に、「友人へ同じような言動をするかな?」という基準で見てみることです。
もしもタテの関係を使ってしまったときは、「ごめんね。ママのさっきの言い方はよくなかったと思う。」などと、自分を主語に置いた言い方(私メッセージ)で、なおかつヨコの関係でフォローを入れることが大切です。
対等な人間同士として親子の関係性を築いていきましょう。
子供と親は別の存在
後を絶たない子供の虐待事件など、親はわが子を自分の所有物と思い違いされているケースが相当数存在するのではないか、と感じることが多々あります。
離婚に置き換えても同じことです。自分たち(親)の都合で子供を勝手に転園・転校させたり、片親から引き離したりと、「子供のため」と勝手な理由付けをして行動されるケースが見受けられます。
子供と親は別の存在です。自分の負の感情は一度脇に置き、子供の立場に身を置いて冷静に考えることが大切です。
※身体的な家庭内暴力などすぐに避難しなくてはならない場合は緊急性を伴いますので、専門機関への相談等、迅速かつ適切な対応が必要です。
親子も夫婦もヨコの関係で
上記の親子の関係は夫婦にも共通します。
家族となり共同生活が当たり前になるにつれて、相手のマイナス面が目についてしまったり、「生活をより良くするため」とか「相手の成長のため」などと理由付けをし、上から目線の言動を知らない間にしてしまったり。そしてそれが日常化して、悪化すると「自分は正しい、相手は間違っている」という支配的な思考になりがちです。
競合的(勝ち負け)ではなく協力的に、相手と同じ土俵に立ち、同じ目線でコミュニケーションをとるよう努めましょう。自分が変わらないと相手も変わりません。関係性を変えるには、まずは自分から!です。
夫婦関係にも親子関係にも複数の正解がある
今回は「離婚で子供を不幸せにしないためにママができること」について、親子関係・夫婦関係の考え方の前提をご紹介しました。
わが子の成長と幸せを願う気持ちを念頭に、夫婦について、家族について、親子について、少し立ち止まって考えてみませんか。全か無かではなく、複数の選択肢がきっとあるはずです。
- ヒューマン・ギルド「勇気づけ勉強会ELM講座テキスト」全ページ(ヒューマン・ギルド(開発・非売品),2008)
- 野田俊作「アドラー心理学を語る1︰性格は変えられる アドラー心理学を語る」全ページ(創元社,2016)
- 野田俊作「アドラー心理学を語る2︰グループと瞑想 アドラー心理学を語る」全ページ(創元社,2016)
- 野田俊作「アドラー心理学を語る3︰劣等感と人間関係 アドラー心理学を語る」全ページ(創元社,2017)
- 野田俊作「アドラー心理学を語る4︰勇気づけの方法 アドラー心理学を語る」全ページ(創元社,2017)
いわもと くみこ(離婚カウンセラー/勇気づけ子育てコーチ)
NPO法人日本家族問題相談連盟認定 夫婦問題・離婚カウンセラー資格取得。その後、子育てコーチングを学び、親の離婚が子に与える影響に焦点を置き、現在「一般社団法人りむすび 共同養育アシスタント」としても活動中。また、ヒューマン・ギルド認定 ELM勇気づけリーダーとしてママ向け体験学習講座も行っている。