【保育園児・幼稚園児向け】楽しい「言葉遊び」アイデア集
保育園や幼稚園で先生や友達と関わっていくなかで、ぐんぐんと言葉の力が育ってきたな、と感じる方は多いのではないでしょうか。今まで家で使ったことがないような言葉を覚えてきたり、けんかや話し合いをした回数が増えたり、通園するにつれて「こんなに成長したんだな」と感じることも増えてきますよね。
そんななかでも、子どもたちが普段何気なくやっている言葉遊びには、語彙力や思考力、発想力を伸ばす力が秘められています。子どもの成長に合わせた言葉遊びもご紹介していますので、ご家庭で一緒に遊んでみてくださいね。
「言葉遊び」が保育園児・幼稚園児にもたらす効果とは?
言葉遊びは特別なアイテムがなくても簡単に始められる遊びですが、保育園児・幼稚園児の成長にとてもよい効果をもたらします。友達との関わり合いで成長していく、言葉が育てる子どもの感覚について詳しく見ていきましょう。
思考力や、発想力が身につく
保育園児・幼稚園児などの小さな子どもだけでなく、大人も言葉でコミュニケーションを交わします。保育園や幼稚園など同世代が多いコミュニティのなかで、子どもは友達の言葉や行動をまねして一緒に遊び、お互いの社会性の発達をどんどん促進していきます。
そんなコミュニティで信頼できる友達や先生と関わっていくなかで、ときには自分の気持ちをぶつけ、逆に相手から気持ちをぶつけられてしまうときもあります。対話をしていくなかでどうやったら解決できるのか考えたり、「おもちゃ貸して」「いいよ」といった合意を得ることが大切だと学んだり、言葉によるコミュニケーション能力がぐんぐん育っていきます。
また、自分の気持ちをどうやって伝えたらいいかな?と子ども自身が考え、友達が使っていた言葉を話す、新しい言葉を使ってみるなど、日々の触れ合いから得た言葉を自分のものにする発想力も身につきます。
語彙力や表現力が身につく
言葉遊びには、たくさんの単語が使われます。色、形、食べ物や動物といった見た目で分かるものから、感情、暑さ寒さ、においなど見た目には分かりにくいものまでさまざま。その言葉を覚えるだけでなく、その言葉の先頭や末尾のかなを考える、ばらばらになった言葉の並び替えをする、当てはまる言葉を探すなど、単語のレパートリーが増えるだけでかなり遊びの幅や話し方も変わってきます。
また、例えば「今日の運動会は楽しかった」という感想が、「楽しかった」以外のワードに置き換えられるようになる表現力の成長も日々のなかで見られます。運動会を頑張った、たくさん汗をかいた、一番を取れた、お遊戯を上手にできた…どんな言葉が使えるようになるか楽しみですね!
保育園児・幼稚園児に合わせた、「言葉遊び」のアイデア集
保育園や幼稚園だけでなく、家庭内やお友達と遊ぶ際にも取り入れられる言葉遊び。年齢別におすすめの遊び方をご紹介していきます。お子さんのようすを見ながら、どんな遊びが好きか探ってみましょう。
【3歳~4歳】の保育園児・幼稚園児におすすめの「言葉遊び」
3~4歳児さんにおすすめの言葉遊びは、色探しゲーム、言葉集めゲーム、しりとりです。どれも難易度が高そうだなと思うかもしれませんが、簡単に取り組める遊びもありますよ。
1.色探しゲーム
まずご紹介するのは色探しゲームです。さまざまな色の折り紙を部屋に置いたり、カラフルなおもちゃを部屋に広げたりしたあと、「○○色どーれだ!」と1つ色を指定します。指定された色をタッチできれば成功です。
色紙やおもちゃだけでなく、洋服や家具にもさまざまな色があります。「机は茶色だね」「壁は白だね」といった会話にもつながりやすく、色とモノの結びつきから言葉の幅が広がっていきますよ。
2.言葉集めゲーム
言葉集めゲームでは、お題となるひらがな一文字を決めたあと、その一文字が頭となるキーワードを集めてもらいます。例えばお題が「か」であれば、かき、かいすいよく、かまぼこ、かになど、思いつく言葉をたくさん言ってもらいましょう。
慣れてきたらポイント制にしてみたり、「誰かが言った単語はポイントが付かない」というルールを加えたりすると難易度が上がりますよ。
3.しりとり遊び
しりとりは言わずと知れた言葉遊びの代表的なゲームで、単語の最後一文字を次の単語の最初一文字につなげていき、単語の最後に「ん」がつく言葉がでたらゲームオーバー、というシンプルなゲームです。最初と最後の一文字を考えなければいけないので、言葉集めゲームよりも難易度は高くなります。
語彙力の乏しい年少児にしりとりは難しいのではないか、と思われるかもしれませんが、1997年に幼児を対象に行われたしりとりとことばの研究では、下記のように記載されています。
子ども達はことば遊びの活動に最初は周辺的に参加して行く中で音韻意識が高まって行き,だれの援助を受けなくても単独で遊びに参加することが出来るようになる。そして,こうして獲得した音韻意識を支えとしてかな文字の読みの習得が可能になる,といった過程をたどるのではないかと考えられる。 ※1
どんな遊びでもはじめはようすを見ながら参加していく子どもたちですが、次第に慣れてくることでルールが分かってくると積極的に遊びに参加するようになります。家族やお友達、保育園・幼稚園のみんなと一緒に遊んで、言葉遊びの楽しさを学んでいきましょう。
【4歳~5歳】の保育園児・幼稚園児におすすめの「言葉遊び」
4~5歳におすすめの言葉遊びは、答えを合わせようクイズ、連想遊び、私は誰でしょうクイズです。単語だけでなく、文章で考える、イメージをつなげる遊びで語彙力がさらに膨らみますよ。
1.答えを合わせようクイズ
「秋と言えばなんでしょう?」「海水浴に行って食べるものと言えば?」など、○○と言えば△△!という答えをみんなで一致させよう、というゲームです。回答は「せーの」で合わせて答えてもらうのが一番遊びやすいでしょう。答え合わせをしてそれぞれの回答がバラバラだったとしても、話のタネになるので遊びがいのあるゲームです。
2.連想遊び
りんごと言えば丸い、丸いと言ったらボール、ボールと言えばカラフル、カラフルと言えば積み木…というように、○○と言えば△△!をつなげていくゲームです。先ほどの答えを合わせようクイズとは異なり、リズムに合わせて連続的に答えを言っていくので、パッと思いつく瞬発力や、似たものを連想させる発想力が発揮されます。
もし間違ってつまずいてしまっても、「バナナは黄色だね」「バナナは長いね」「バナナはおいしいね」とみんなでどんな答えがあったか話し合うと楽しいですよ。
3.私は誰でしょうクイズ
私は誰でしょうクイズは、出題者ひとりと回答者に分かれて遊ぶゲームです。例えばお題が「タンバリン」だったら、「私は丸い形をしています。たたいたり振ったりすると音が鳴ります。そして、手に持てるくらいの大きさです。私は誰でしょう?」と、そのお題を連想させるヒントを出題者が答えていきます。回答者はそのヒントをもとに、出題者が誰であるのか探っていきます。
身近なおもちゃや食べ物、生き物などをお題にできます。移動中の車内などでも遊べるので、家庭でも簡単に言葉遊びを楽しめますよ!
【5歳~6歳】の保育園児・幼稚園児におすすめの「言葉遊び」
5~6歳におすすめの言葉遊びは、なぞなぞ、逆さ言葉遊び、アナグラムです。今までご紹介したものよりも難しく感じるかもしれませんが、「できた!」という喜びもひとしおです。
1.なぞなぞゲーム
「冷蔵庫の中にいる動物ってなんだ?」「食べると安心するケーキは?」など、なぞなぞを出す簡単なゲームです。連想遊びと同じく、柔軟な発想でポンポンと答えが飛び出すこともあれば、真剣に考え込んでしまうことも。
なぞなぞの問題集や幼児向け冊子もあるので、始めやすいのも魅力のひとつ。大人も一緒に遊ぶことができそうです。
2.逆さ言葉遊び
言葉の文字を逆さまに並べ替えて遊ぶゲームです。例えばぬいぐるみであれば「みるぐいぬ」、オレンジであれば「じんれお」と逆さまにして、どんな単語が隠れているのかを当てていきましょう。
単語を理解し、そして逆さまに並び替えたり、もとの単語に戻したり、という一連の動作が豊かな発想力につながります。子どもが出題する側(がわ)に回って大人が回答するのも楽しいですよ。
3.アナグラム
アナグラムは、言葉の文字を全て、もしくは一部のみ入れ替える遊びのことです。逆さ言葉遊びとは少し異なりますね。ぬいぐるみであれば「るいぬみぐ」、オレンジであれば「じおれん」など、単語の文字をシャッフルさせます。
シャッフルさせることで、逆さ言葉よりも難易度がぐっと上がります。なぞなぞや逆さ言葉では物足らない!というお子さんにぴったりです。
言葉遊びを通じて豊かな知識を
言葉遊びで得られるものは単語そのもののバリエーションだけでなく、発想力や思考力、表現力など多岐にわたります。遊びを通じて会話を広げていくことで自然に言語を習得できるうえ、自分の今の気持ちを表現したり、相手の気持ちを考えてみたりと、コミュニケーションが円滑に取れるようになるきっかけにもつながります。
保育園や幼稚園での遊びのなかで、先生やお友達とたくさん話してどんどん言葉を学んでいき、言葉の力を育てていってくださいね。
- うるま市役所「幼児期に言葉の感覚を豊かにするための援助のあり方 ~「言葉遊び」「お話作り」を通して~ 」(https://www.city.uruma.lg.jp/userfiles/files/page/culture/1234/kuniyoshi.pdf,2020年12月17日最終閲覧)
- 厚生労働省「保育所保育指針解説 序章」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b_0002.pdf,2020年12月17日最終閲覧)
- J-STAGE「幼児のことば遊びの発達“しりとり”を可能にする条件の分析」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/8/1/8_KJ00003368000/_pdf/-char/ja,2020年12月17日最終閲覧)