子どもの身長を伸ばすためのホルモンである「成長ホルモン」や、身長の伸びに関連する「甲状腺ホルモン」。これらのホルモンの分泌に異常があると、子どもの身長が伸びにくくなります。
事故や病気などで脳が障害を受けると成長ホルモンが分泌されにくくなりますが、それ以外にもわずかに成長ホルモンの分泌が少なくなることもあります。すると毎年の身長の伸びが他の子どもより小さくなり、4歳ごろになり「身長が伸びない」と気づき始めるのですね。
- 日本小児内分泌学会「低身長」(http://jspe.umin.jp/public/teisinchou.html,2022年4月19日最終閲覧)
骨・臓器の異常
ホルモンの分泌に問題がなくても、骨や臓器に異常がある場合も身長が伸びにくくなります。身長を伸ばすためには骨が成長しなければなりません。そして臓器は、食べたものを消化・吸収するために必要不可欠なもの。
骨や臓器の異常で考えられるのは、軟骨異栄養症や小児慢性腎不全、心臓・肝臓・消化器に発生する病気です。もし病気であっても治療により身長を伸ばすことはできますので、あまり深刻にならないでくださいね。
- 日本小児内分泌学会「低身長」(http://jspe.umin.jp/public/teisinchou.html,2022年4月19日最終閲覧)
染色体の異常
4歳で身長が伸びない場合に考えられる次の原因は、染色体の異常です。ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群などが考えられますが、こちらも治療で改善させられます。
ターナー症候群では心臓病や難聴、中耳炎などが合併されやすいですが、X染色体に起こる異常なので女の子しか発症しません。約2,000人に1人の割合で見られるそうです。
プラダー・ウィリー症候群は男女ともに10,000人に1人の割合で発症する可能性のある先天的異常で、筋力低下、肥満、発達障害、性腺機能障害などの症状が現れることもあります。もし不安があれば病院で検査をして、適切な治療を受けてくださいね。
- Otology Japan「(PDF)ターナー症候群に合併した進行性難聴」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/otoljpn/20/1/20_1_17/_pdf/-char/ja,2022年4月19日最終閲覧)
- 日本小児内分泌学会「低身長」(http://jspe.umin.jp/public/teisinchou.html,2022年4月19日最終閲覧)
子宮内発育不全
子どもの体に特別な異常がなくても、子宮内発育不全で身長が伸びにくくなることもあります。生まれたときの身長や体重が小さかった、早産だった…という場合は、子宮内発育不全かもしれません。
子宮内発育不全では3歳までは順調に成長するものの、3歳になるころから低身長になるケースが多いとされています。ただもし子宮内発育不全でも成長ホルモン治療により、4歳からの身長を大きくすることができますよ。
- ストレス科学研究「(PDF)子宮内胎児発育不全で出生した児の幼児期の身体発育調査研究」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/stresskagakukenkyu/29/0/29_122/_pdf/-char/ja,2022年4月19日最終閲覧)
- 日本小児内分泌学会「低身長」(http://jspe.umin.jp/public/teisinchou.html,2022年4月19日最終閲覧)
過度なストレス
ここまでは4歳で平均身長を下回る原因として、子どもの体について説明してきました。しかし実は、ストレスが原因で身長が伸びにくくなることもあるのをご存じでしょうか?
例えば、災害などが原因で急に生活環境が変わるなどの場合です。食事をしっかりと食べていて、運動もしていて、特に病気や異常もないようであれば、ストレスが原因で身長が伸びにくいとも考えられるでしょう。
- 国立保健医療科学院「(PDF)乳幼児身体発育評価マニュアル」(https://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/hatsuiku/index.files/katsuyou.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
4歳児の身長を順調に伸ばしていくポイント
それでは、これからも順調に4歳児の身長を伸ばしていくためのポイントを解説していきます。子どもの成長に欠かせない3大ポイントは「栄養」「睡眠」「運動」です。










