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監修:清水なほみ

出生前診断は35歳以上じゃないと受けられない場合も。種類や検査方法、費用を紹介

妊娠すると、「出生前診断」という言葉を聞いたことがある方がいるかもしれません。聞いたことはあるものの、一体どういった検査をするのか、検査の結果どんなことがわかるのかなど、詳しくは知らないという人もいるでしょう。出生前診断にもいくつかの種類があります。検査を受けるかどうか決める前にまずは基礎的な知識を知りたいという方のために、出生前診断について紹介します。

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出生前診断の検査の種類

出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前に元気に育っているかどうかや、疾患はないかなどを母体を検査して診断するためのもの。

あらかじめ胎児の状態や先天的な疾患がないかなどを知ることで、最適な分娩方法を検討することや、産後の生活の準備を行うという目的で実施されています。出生前診断は、大きく分けて下記2種類の検査方法があります。

  • 非確定的検査(非侵襲的検査)
  • 確定的検査(侵襲的検査)

基本的には、非確定的検査を最初に行い、検査結果によって必要と判断された場合のみ確定的検査に進むという流れで行われます。

検査の結果次第では、妊娠の中断も一つの選択肢に入ってくる出生前診断。検査の結果が出るタイミングによっては手術できる時期が過ぎてしまう可能性もあるので注意が必要です。

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非確定検査は3種類

検査 PIXTA

非確定的検査は、母体への負担が少なく流産のリスクもない検査方法。ただし、赤ちゃんの疾患の可能性を評価するために行う検査なので、疾患があるかどうかは確実ではありません。

超音波検査(エコー検査)・新型出生前診断(母体血胎児染色体検査:NIPT)・母体血清マーカー検査(トリプルマーカー、クアトロテスト)の3種類の検査方法があります。

胎児超音波検査(胎児ドック)

  • 検査時期:妊娠11~13週、18~20週
  • 検査方法:母体の腹部などに機械をあてて胎児の画像を映し出す
  • 検査結果までの期間:当日
  • 費用:1万~2万円

通常の妊婦健康診査時に行う超音波検査とは違い、さらに詳しく胎児の様子を見る検査です。初期の検査では主に胎児の後頚部肥厚の有無を調べ、中期の検査では、臍帯、羊水などが正常かどうかや、心臓に先天性の心疾患がないかなどを検査します。

何か異常が見つかった場合には、胎児の内臓の形や機能の変化を調べるためにさらに精密超音波検査を行うこともあります。

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新型出生前診断(母体血胎児染色体検査:NIPT)

  • 検査時期:妊娠10~13週
  • 検査方法:採血
  • 検査結果が出るまでの期間:2週間
  • 費用:20万円前後

新型出生前診断を受けるには、出産予定日の年齢が35歳以上である条件が設けられています。

母体血胎児染色体検査(NIPT)とも呼ばれており、母体の採血検査から胎児の遺伝子を調べ、胎児の性別、胎児の単一遺伝子病や染色体異常、ダウン症候群などの診断を行います。

採血による検査なので母体への負担やリスクはほとんどありませんが、検査で陽性になった場合は確定検査を行う必要があります。

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母体血清マーカー検査(トリプルマーカー、クアトロテスト)

  • 検査時期:妊娠15~18週
  • 検査方法:採血
  • 検査結果が出るまでの期間:2週間
  • 費用:2万~3万円

母体血清マーカー検査はトリプルマーカー、クアトロテストとも呼ばれており、母体の採血検査から胎児の染色体の変化や先天的疾患の確率を算出する検査です。

採血による検査なので母体への負担やリスクはほとんどありませんが、検査の精度は80%ほどで、検査は確率で表示されるので、数値によっては確定検査を受ける必要が出てくるでしょう。

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確定的検査は2種類

検査 PIXTA

確定的検査には羊水検査と絨毛検査の2種類があります。

非確定検査で陽性だった場合に、診断を確定させるために受けることになりますが、非確定検査に比べて流産のリスクが高まります。

羊水検査

  • 検査時期:妊娠15週以降
  • 検査方法:母体の腹部に針を刺して羊水を採取する
  • 検査結果が出るまでの期間:2~4週間
  • 費用:10万~20万円

ダウン症に関しては100%の精度があり、染色体異常についての確定診断を行うことができますが、妊婦のおなかに針を刺すため0.3%ほどの割合で流産や破水等のリスクも生じます。

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絨毛検査

  • 検査時期:妊娠11~14週
  • 検査方法:母体の腹部に針を刺すもしくは、膣から採取
  • 検査結果が出るまでの期間:2~3週間
  • 費用:10万~20万円

絨毛検査の場合、胎盤の位置によっては腟から絨毛を採取できることもありますが、妊婦のおなかに針を刺す場合は0.3%ほどの割合で流産や破水等のリスクがあります。

また、羊水検査と比べて検査を受けられる医療機関が少ないという問題もあります。

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出生前診断を受けるかどうかは慎重に決めよう

超音波検査 PIXTA

出生前診断は、結果次第では妊娠の継続について悩んでしまうこともあるでしょう。受ける場合は、専門のカウンセリングが行える病院で検査前のカウンセリングを夫婦そろって受けて、様々なケースについて夫婦でしっかりと話し合い、もし想定外の結果が出たときにどうするのかまで決めておきましょう。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

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