保育園の種類はいろいろ
子育てをする両親が仕事をするとき、必要になるのは保育施設です。大切な子供を預けて働くには、安心できる保育施設を見つけて活用したいですね。
一口に保育園といっても、その種類はさまざま。国の基準をクリアした認可保育園や、自治体ごとの基準で設置されている認証保育園、地域型保育所。また、幼稚園と保育園両方の役割を持つ「認定こども園」、家庭的保育者の自宅などで保育を行う「保育ママ制度」も保育を担う制度の一つです。
それぞれにどのような特徴があり、その施設について、ママたちはどのようなことを考えているかご紹介します。仕事復帰を考えるとき、参考にしてください。
認可保育園
認可保育園とは、国が定める保育所基準を満たして、国や自治体から出る運営費を受けて保育を行っている保育施設です。公立保育園と私立保育園がありますが、どちらも同じ基準に則って運営されています。保育料は公立、私立関係なく世帯主収入により定められるものになります。
私立園は独自の保育内容を取り入れるなどの個性が豊かな場合があるため、希望園とする前には必ず見学に行くようにしましょう。また、園の独自バッグなどの備品購入に費用がかかることもあります。
申し込みは各自治体が受付をし、基準指数をもとに選考を行います。希望者が多い場合は希望した園に入園できない場合があります。
認可保育園に関するママの声
公立も、市ごとに保育目標はありますが私立の方が、音楽に力を入れています!とか、運動に力を入れています!とか特色がハッキリしている所が多いです。
後は、公立は先生の転勤があるので、園長先生によって、園の雰囲気が変わることがあります💦
認可保育園は保育料の安さや安心感から人気が高く、すぐに定員が埋まってしまうことが多いようです。保育園に初めて入れるときには認可保育園に入れず、認可外園などから転園して、やっと通える場合があるとの声も投稿されています。
また、私立と公立では特色の違いを感じるという声もあるようです。認可園を希望する場合は、もしも入園できなかったときのことを考えつつ、数園を見学して雰囲気を確認すると良さそうですね。
- 市川市「公立保育園と私立保育園とは何が違うのですか?」いちかわっ子WEB(http://www.city.ichikawa.lg.jp/chi03/1541000002.html,2017年7月31日最終閲覧)
- 江戸川区「入園申し込みについて」(https://www.city.edogawa.tokyo.jp/qa/kosodate/hoikuen/moushikomi.html,2017年7月31日最終閲覧)
- 佐賀市「よくある質問」(https://www.city.saga.lg.jp/faq/index.php?action=detail&uid=41558,2017年7月31日最終閲覧)
- 保育園を考える親の会「はじめての保育園」18.20.72(主婦と生活社,2015)
- 目黒区「目黒区認可保育園 申込み手続き」(http://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/kurashi/kosodate/hoikuen/annai/tetsuduki.html,2017年7月31日最終閲覧)
認証保育園
認証保育所とは、認可保育園ではまかないきれない保育の需要に応えるため、東京都をはじめとした一部の自治体が独自に設定している基準を満たした園を「認証保育所」とし、運営費を補助しています。
申し込みは自治体ではなく各園となり、選考基準も園により異なります。気になる園があれば、前もって入園申し込み方法について確認したり、見学したりしておきましょう。
なお、認証保育所の場合は就労していない保護者でも子供を預けることができる場合があります。詳しくは園に確認しましょう。
認証保育園に関するママの声
認証保育所なので0歳4月で認可保育園に入れるよりも長く育休をつかって一緒にいられる、なおかつ秋頃復帰すれば来年度1歳児クラス4がつ入園のポイントがあがるので、家の近くの認可保育園ではなく少し遠くの認証保育所にしました。
あとは0歳クラスは園児が6人と少人数、でけど先生は2-3人としっかりみてもらえること、設備もきれいなところ、アットホームな雰囲気、来年度以降に認可保育園に移行予定であることなど総合的に考えて良かったので。
1歳児・2歳児クラスは今いる子達の転園状況を確認し、その後リスト順に園長先生から「認可どうでしたか?」とお電話頂きました。
認証園は就労していなくても預けられる施設があるため「しばらくは子供とゆっくり保育園に慣れたい」と考えているママにとっては嬉しいようです。また、認証園の中には小規模な施設があり、アットホームな雰囲気が良い方には魅力的かもしれませんね。
入園選考については「先着順」だったというママの声があります。気になる園は早めに見学し、どのように申し込めばよいか確認しておきましょう。
- 東京都福祉保健局「子供家庭」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/ninsyo/,2017年7月31日最終閲覧)
- 船橋市「認証保育所とは」(http://www.city.funabashi.lg.jp/kodomo/hoiku/007/p022564.html,2017年7月31日最終閲覧)
- 中野区「平成29年度認証保育所などの保護者補助金のご案内」(http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/244000/d023974.html,2017年7月31日最終閲覧)
認可外保育園
国の認可を受けていない保育園のことを「認可外保育園」または「無認可保育園」といいます。認可を受けていないため国や自治体からの補助金はなく、保護者からの保育料のみで運営されています。
そのため、認可園に比べると保育料は割高なことが多く、経済的には負担に感じるかもしれません。東京の世田谷区では、認可園に入園できず、無認可園に通わせる保護者に補助金を支給するなど、経済的な負担を和らげる施策を実施しています。
認可外だからといって保育の質が必ずしも劣るというものではなく、中にはユニークな教育方針を持っていたり、教育プログラムを実施していたりする園も存在します。わが子に合った園かどうかは、きちんと見学をして見定めるようにしましょう。
認可外保育園に関するママの声
私が勤めていたのは認可の所ですが認可外の場所にも研修などで何回か見に行きました。
認可外でも良い園はあります。
もちろん「え?」と思ってしまうような場所もあります。
見学に行った時に不安な事はグイグイ聞いて良いと思います。
「認可外なので不安で」と言ってしまっても大丈夫なくらいです。
良い園ならちゃんと教えてくれるでしょう。
とりあえず認可外に預けて希望の園が空いたらそっちに行く人もいます。
私の考えですが、ぬいぐるみやオモチャを綺麗にしている所は良い気がします。
片付け方もですが、乳児だと口に入れる物になるので。
きちんとしてる所は清潔にしてあってオモチャも毎日消毒しています。
今日、キャンセル待ちしていた認証保育園から連絡があり6月から入園できることに。
無認可保育園の方をキャンセルすることにしましたが、違約金が発生するとのこと、、、(7万くらい)
まだ預けてもいないのに、10万は返ってこないしさらに追加で違約金を払うことになってしまい、ショックです。
認可外園の質はさまざまといっても、中には良い雰囲気で保育を実施している園があるようです。投稿にあるように、前もって中の様子を確認し、納得して申し込みをすると良いですね。
また、認可外園では申し込みに関するルールも自治体とは違うため、キャンセル時の違約金などが発生する場合があるといいます。後から予想外だったということにならないよう、初めに確認しておきましょう。
- 東京都福祉保健局「認可外保育施設に関するQ&A」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/smph/kodomo/hoiku/ninkagai/qa.html,2017年7月31日最終閲覧)
- 世田谷区「平成29年度無認可保育施設利用者に対する保育料補助について」(http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/103/129/1806/580/d00145043.html,2017年7月31日最終閲覧)
- 保育園を考える親の会「はじめての保育園」P19(主婦と生活社,2015)
- 佐賀県「認可外保育施設とは」子育てし大県 さが(https://saga-kosodate.jp/kosodate/shiraberus/detail/18,2017年7月31日最終閲覧)
地域型保育事業
地域での保育ニーズが高まっている地域では、認可保育所、認証保育所に加えて「地域型保育事業」を行っている場合があります。地域型保育事業とは以下のような保育が含まれます。
- 家庭的保育事業
- 小規模保育事業
- 事業所内保育事業
- 居宅訪問型保育事業
地域型保育園はそれぞれが小規模であることがポイントです。例えば東京都港区では、児童の数を6人以上30人未満と定めています。地域型保育園の基準は地域によって異なるため、各自治体の基準を確認してください。
地域型保育園は自治体が独自に認可して補助金を出し、事業者が運営するものです。各保育園ごとに運営者や運営方法が違うため、検討する場合は見学に行きましょう。
地域型保育事業に関するママの声
(通常月は入所希望の1ヶ月前しか受け付けてもらえない)
我が家は入所前の6月に見学とお試しも兼ねて一時保育をその保育室にお願いして、その時に8月中旬からの入所希望を伝えておいて、空きが1人になったら連絡もらえるようお願いをしておきました。
認可と違って保育室に直接申し込みなので、先に顔を売っておくといいですよ。
うちの子は0歳児クラスの8月から横浜保育室に通い、フルタイムで復帰して翌年1歳児クラス4月入園を勝ち取りました。
来年4月でほぼ1歳の0歳児クラスなら、申し込みだけでもしておくといいですね。1歳の4月も入りやすいわけではない(むしろ0歳児クラスより倍率はあがります)ので。
無認可は噂にまどわされず、よく調査すれば『できれば3歳まで居させたい』と思うような横浜保育室もありますよ。
地域型保育事業は自治体によってしくみが異なるため、申し込み方法などについては自治体に確認が必要です。自治体によっては園に直接申し込みをするため、事前に見学などで入園したい旨を伝えておくとよいという声がありました。
国からの認可基準を満たした園ではないため、無認可保育園の一部となる地域型保育事業の施設ですが、質が良いと感じているママはいるようです。無認可だからと決めつけずに、一度見学に行ってみると良い園に出会えるかもしれませんね。
- 東京都福祉保健局「認可外保育施設に関するQ&A」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/smph/kodomo/hoiku/ninkagai/qa.html,2017年7月31日最終閲覧)
- 札幌市「地域型保育事業について」(https://www.city.sapporo.jp/kodomo/jisedai/documents/shiryou2-3.pdf,2017年7月31日最終閲覧)
- 保育園を考える親の会「はじめての保育園」13(主婦と生活社,2015)
認定こども園
認定こども園とは、教育と保育を一体的に行い、幼稚園と保育園両方の役割を持っている施設です。保護者が働いていてもいなくても、認定こども園に子供を預けられます。
認定は、内閣総理大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣が定める基準に従って、自治体が定める基準によって行っています。こども園によって、幼稚園に保育園的な機能を付けたもの、またはその逆であるものがあり、運営のタイプが少しずつ異なります。
自治体が独自に運営しているものではなく、各事業者に対して自治体が認定しているため、保育の方針や教育にも違いがあります。
認定こども園に関するママの声
預かり保育は2号3号は無料、1号は1日500円。夏休みなど長期休みだと1号は弁当持参です。
保育料は1号のが安いけど、その分給食費がかかったりで月の支払いは結局は同じくらいです。
うちの保育園はカレンダー通りなので11日以外は普通に登園できます。
保育がどの程度必要かを自治体が認定する「支給認定制度」で決定された区分によって、保育料が変わってくるようです。支給認定区分は以下のように分けられています。
- 1号:親が就労していない、もしくは就労時間が規定より短いなど、保育の必要がなく、3~5歳の子供
- 2号:親の就労などで保育の必要がある、3~5歳の子供
- 3号:親の就労などで保育の必要がある、0~2歳の子供
認定の区分によっては給食費がかかる、かからないなど、園生活でかかる費用にも違いがあるようですね。
認定こども園によっては、幼稚園のスケジュールに準じて保育できない日があったり、お弁当持参になったりする園があるようです。保育園に近いしくみの施設も中にはあるようですが、全ての園が保育園と同等ではない可能性があるため、前もって内容を確認しておくことが大切ですね。
- 千葉県「認定こども園について」(https://www.pref.chiba.lg.jp/jika/hoikusho/nintei/,2017年7月31日最終閲覧)
- 内閣府「認定こども園概要」(http://www8.cao.go.jp/shoushi/kodomoen/gaiyou.html,2017年7月31日最終閲覧)
- 船橋市「支給認定とは」(http://www.city.funabashi.lg.jp/kodomo/hoiku/002/p035227.html,2017年8月1日最終閲覧)
- 神戸市「支給認定とは?」神戸市(http://www.city.kobe.lg.jp/child/grow/shinseido/index03_01.html,2017年8月1日最終閲覧)
保育ママ
保育ママ制度とは、主に0~2歳ごろまでの子供を対象に、区市町村が認定した家庭的保育者が保育をする事業です。対象年齢は自治体によって異なります。
1人の家庭的保育者は、3人までの子供を保育することができます。また、食事については自治体や保育者により扱いが異なり、家庭的保育者が提供したり、弁当を持参としたりしています。
保育ママの標準的な預かり時間は1日8時間ですが、自治体によってはそれよりも長く預かりを行っていることがあります。保育料についても全国一律ではなく、自治体ごとに定めています。制度の概要については各自治体に確認をしてください。
保育ママに関するママの声
その保育ママさんによって全然違ってくると思うので一概には言えませんが私的に感じた事を。
メリットは家庭的なのでアットホームで手をかけてもらえるのはよかったと思います。
人数も少ないので家庭の延長のような感じかなというところかなと思います。
デメリット?は私はその保育ママさんの所の決められた時短の時間では間に合わなかったので毎回延長料金が発生してしまったのは金銭的にきつかったです。
あとは、家庭的でいいのですが保育園みたいな教育的?な事が少ないかなと思います。
私は1年間0歳児の時に保育ママさんにお願い出来てよかったかなと思っています。
今は、まだ2回食なので、いつも弁当を持って行きます!
といっても、野菜粥を、小さいタッパーに作り置きして、毎朝、冷凍庫から取って持っていく感じです!
来月から、3回食なので、朝が怖いです(;_;)
保育ママ制度を使う場合、家庭に近い環境で保育してもらえるため、アットホームなことは大きなメリットですね。保育園のように大勢の先生がいるわけではなく、限られた家庭的保育者の方との関わりのため、より親密な関係性を作ることができそうです。
一方で、延長が発生したときの金銭面のつらさや、お弁当が大変という声が聞かれました。特に離乳食の時期には準備が負担に感じられるかもしれません。
どのような制度で、保護者側がすることは何があるのかをよく確認して検討しましょう。
- 東京都福祉保健局「家庭的保育者(保育ママ)Q&A」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/smph/kodomo/hoiku/h_mama/qa.html,2017年7月31日最終閲覧)
- 江戸川区「保育ママ制度のご案内」(https://www.city.edogawa.tokyo.jp/kosodate/kosodate/hoiku/mama/shokai.files/ver.2804.pdf,2017年7月31日最終閲覧)
- 世田谷区「保育ママについて」(http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/103/129/1806/478/479/d00005750.html,2017年7月31日最終閲覧)
それぞれの園の特徴を知り、じっくり検討を
保育といってもいろいろなしくみがあり、申し込み方法や特徴も自治体や事業者によって異なります。保育園が不足している地域では保育園を選んで入園することは難しいかもしれませんが、それぞれの特徴を知ったうえで、じっくりと希望園を検討したいものです。
また、認可、無認可といった種類だけを見て選ぶのではなく、一つ一つの園の中身をよく確認し、保育の質について納得したうえで申し込みをすることが大切。ママにとって保活が大変だといわれる今だからこそ、多くの手段の中から自分に合った手段を考え、働くまでの道を整えていきましょう。