言葉の遅れを相談できる場所は?
わが子の言葉の遅れが心配なとき、まずどこに相談するのがよいのでしょうか。「いきなり病院を受診するのはハードルが高い…」「療育を受けると決めたわけではないので、施設に行くのは気が引ける」など、気軽に話せる相談先が少なく感じ、悩むことがあるでしょう。
ここからは、都内で療育施設を運営する臨床発達心理士の児島史篤(こじま ふみあつ)さんのお話をもとに、言葉の遅れが気になるときの相談先についてお伝えします。
Q1:言葉の遅れが気になるとき、まずはどこに相談するとよいですか?
A1:保育園や幼稚園の先生、あるいは支援センター職員など
児島さん:相談内容によって少し違います。1つ目のケースとして、わが子が支援を受けるべき状況か確認をしたいときは、通っている保育園や幼稚園の先生、またはよく行っている支援センターの支援員などがおすすめです。子どもの育ちに関わるスペシャリストなので、どの段階なら支援につなげるべきかよくご存じだと思います。
2つ目に、すでに発達支援を検討していて、その施設の場所や支援内容を知りたいという場合。これは、自治体の保健センターなどに相談して話を聞いたり、施設のリストを入手したりするのが良いでしょう。
Q2:療育施設に相談するのは、支援を受けたいときだけ?
A2:悩んでいる状態でも大丈夫
児島さん:療育施設に相談に来る段階でも、支援を受けるか決めていない方はたくさんいますよ。
言葉の悩みでいうと、2歳ごろではやはり「おしゃべりをしない」という訴えが多いです。また、健診で医師から発達の遅れを指摘されたり、保育園などで相談を勧められたりというパターンもあります。
皆さんそれぞれ施設に出向く時点で勇気を出していて、支援を受けるべきかの判断までしてくるのは難しいでしょう。僕は支援を受けるべきか相談されたときは「言葉が出ないことで困っているなら、それを解消しましょう」という話をします。
子どもの状況を見たり、支援について話したりした結果、いったん家庭でサポートして様子を見たいという方もいます。そんなときは、無理に支援を受けさせることはしません。療育施設のことを知りたい方で、近くに訪れられる施設があるなら、気軽に問い合わせてみてよいと思います。
困りごとは専門家に相談をしましょう
言葉の遅れによる支援の必要性に悩んだときは、園や支援センターの先生に相談をしてみましょう。すでに支援を受けたいなら、自治体の保健センターなどで具体的な施設について聞くことができます。
療育施設の雰囲気や支援内容を直接確認したいときは、気になる施設に電話連絡の上で見学や相談をしてもOK。現状を話した上でアドバイスをもらうだけでも、気持ちが楽になるかもしれません。
発達の状況に応じた支援方法は親が判断するのが難しいからこそ、躊躇(ちゅうちょ)せずに助言を求めることで不安の解消につながるはずです。