風しんは出席停止の対象
風しんは、学校保健安全法で決められた出席停止対象になる感染症の一つです。現在、流行の中心は30~50代の成人男性であることがわかっていますが、子どもがかかることもあります。
乳幼児期は比較的症状は強く出にくいですが、発症したら発しんがなくなるまでは保育園や幼稚園に通わせることができません。
- 一般社団法人 広島市医師会「学校伝染病の種類及び出席停止期間 」(https://www.city.hiroshima.med.or.jp/hma/archive/kansen-syussekiteishi.html,2021年7月30日最終閲覧)
- 公益財団法人日本学校保健会「分類 病名 出席停止の基準 第 1 種 (※) 第 2 種 第 3 種 そ の 他 の 感 染 症 」(https://www.hokenkai.or.jp/kaiho/pdf/0097_311_b.pdf,2021年7月30日最終閲覧)
- 国立感染症研究所「2017年度風疹予防接種状況および抗体保有状況―2017年度感染症流行予測調査(暫定結果)」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2428-iasr/related-articles/related-articles-457/7914-457r07.html,2021年8月27日最終閲覧)
- 富山県「風しんに注意しましょう」(https://www.pref.toyama.jp/1205/kurashi/kenkou/kenkou/kj00019523.html,2021年8月27日最終閲覧)
風しんによくある症状
風しんによくある症状は、発熱や発しん、首や耳の後ろにあるリンパの腫れです。ただし、乳幼児期は比較的症状が軽く、発症しても症状が出ないこともあるため、診断が難しいケースも。15~30%は感染しても症状が出ません。
大人がかかると発熱や発しんの症状が重く出ることがあります。もし親が風しんと診断された場合、子どもに少しでも気になる症状が見られたら医師に相談をしてください。
- 横浜市「風疹について」(https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/eiken/kansen-center/shikkan/ha/rubella1.html,2021年8月27日最終閲覧)
- 伊藤しあわせクリニック「風疹と先天性風疹症候群」(https://www.itoclinic.jp/practice_guide/rubella/,2021年8月27日最終閲覧)
風しんの治療法
風しんには特別な治療法がなく、発熱や関節痛に対する対症療法を行います。
解熱までの期間は3~4日が目安ですが、リンパの腫れなどは数週間続くことがあります。
- 板橋区役所前こどもクリニック「風疹」(https://itabashi-kodomo.com/medical/medical04.html,2021年8月27日最終閲覧)
- 武蔵小杉皮ふ科「風疹(三日ばしか)」(https://m-kosugihifuka.com/fushin/,2021年8月27日最終閲覧)
風しんの予防方法
風しんは、飛沫感染や接触感染により広まります。1人の患者が周りにうつす人数は6~7人で、インフルエンザ(2~3人)よりも多いとされています。子どもが感染した場合は家庭内で感染しないよう、手洗いなどの基本的な感染対策を徹底しましょう。
子どもの場合、1歳以降になれば風しん・麻しんを防ぐMRワクチンを打てます。風しんはワクチンで防げる病気です。もしまだ接種が済んでいない場合は、積極的に接種しましょう。
先天性風しん症候群をなくすために家族で接種を
風しんの問題点は、妊婦が感染することにより、胎児が先天性風しん症候群を患うこと。先天性風しん症候群は、胎児の命にかかわる病気です。
そのため、子どもの風しん予防だけでなく、大人も一緒に予防することが不可欠といえます。現在の風しんの流行の中心は30~50代の成人男性で、女性は夫や職場の同僚など近しい男性から感染しやすいと考えられます。
風しんワクチン未接種の男性や、これから妊娠を希望する女性も早めに接種を受けましょう(妊娠中は風しんのワクチンを打つことができません)。
- 厚生労働省「風しんについて」(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index.html#:~:text=風しんは、風しんウイルスによって,力を有します。,2021年8月27日最終閲覧)
- 日本感染症学会「風疹(Rubella)」(https://www.kansensho.or.jp/ref/d62.html,2021年8月27日最終閲覧)
- 伊藤しあわせクリニック「風疹と先天性風疹症候群」(https://www.itoclinic.jp/practice_guide/rubella/,2021年8月27日最終閲覧)
- 東北大学大学院医学系研究科・医学部「風疹が妊婦に与える影響について」(https://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_26.html,2021年8月27日最終閲覧)
風しんは子どもだけでなく大人も積極的に予防を
風しんは、乳幼児がかかっても症状が軽く、感染しても症状が出ない場合があります。診断がつきにくい分、知らないうちに感染を広げてしまう可能性も。1歳を過ぎたら早めに予防接種を受けさせましょう。
また、妊婦の感染による先天性風しん症候群をなくすためためにも、家族みんなで予防接種を受けるなど、予防に努めてくださいね。