小学校の運動会はいつ?開催時期をチェック
まず、小学校の運動会はいつ開催されるのでしょうか?小学校の運動会が開催される一般的な時期は、春開催の場合は5月中旬から6月初旬ごろ、秋開催の場合は9月中旬から10月中旬ごろです。
パパママが子どものころには9~10月ごろに開催されていた場合が多かったですよね。しかし最近では9~10月ごろでも暑さが厳しいので、運動会の開催を熱中症のリスクが低い春に変更した自治体もあるようです。
- 日本生気象学会雑誌「全国の公立小学校の運動会開催時期と熱中症の危険度評価」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/54/2/54_75/_pdf,2022年6月9日最終閲覧)
コロナ禍で運動会はどうなっている?
しかし現在では、新型コロナウイルスの影響で小学校の運動会にも変化が現れています。各小学校によりコロナウイルス感染拡大防止のための対策はそれぞれですが、主に次のような措置が取られています。
- 観覧する保護者の人数を制限する
- 保護者以外の外部関係者による観覧の中止
- 運動会種目の変更・削減
- 学年ごとに分散して開催する
- 短時間のみの開催とする
- 運動会の中止・延期
コロナ禍において「密」を避けるために観覧できる対象者を制限したり、団体競技やダンス競技などの種目を中止したり、プログラムを変更して学年ごとにミニ運動会を開催したりと、小学校ごとにさまざまな対策を施しています。
ただし、運動会自体を中止する小学校も少なくないようです。保護者も観覧して盛大に行われるイメージのある小学校の運動会。コロナ禍は小学校の運動会にも大きな影響を及ぼしています。
2021年は4割ほどの小学校が運動会を中止
コロナ禍の影響で変更があいつぐ小学校の運動会。NHKの調査によると、2021年度には4割ほどの小学校が運動会を中止したようですよ。東京都内の区立小学校では38%が運動会を延期・中止として、62%の小学校で開催時間や種目を変更して開催されたとのこと。
実際に文部科学省からは次のような通達が出されていたので、小学校としてはその通達に従った形になるのでしょう。
○運動会等の実施に当たっては、3つの密を避けるよう、実施内容や方法(例えば、半日での開催など)の工夫が必要と考えます。また、地域の感染状況等も踏まえ、必要に応じて運動会等の延期など実施時期についての検討もお願いします。 ※1
しかたのないこととは言え、小学校の思い出の一つとなる運動会が中止になってがっかりしてしまった子どももいるのでしょうね…。
- NHK「コロナ影響 小学校の運動会の4割近くが中止や延期 東京23区内」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210614/k10013084361000.html,2022年6月7日最終閲覧)
コロナ禍の運動会に関する先輩ママの声
さまざまな小学校の行事がコロナウイルスの感染拡大により変更を余儀なくされていますが、運動会は実際にどのようになっているのでしょうか。小学生の子どもを持つ先輩ママたちの声から、コロナ禍での運動会の現状を見てみましょう。
短縮開催&観覧保護者数の制限で開催
先輩ママの声を見てみると、運動会は開催されたけれど時間が短縮されていた、観覧できる保護者数に制限があったという小学校もあったようですよ。
現在では、運動会に観覧で参加できる保護者数は2名を上限としている小学校が多いようです。種目やプログラムの変更により、小学校でも短時間の運動会を開催しているのが多くなっているようです。
小学校側のこの措置は、一つ前の項目でご紹介した文部科学省からの通達どおりですね。運動会がすべて中止になると子どもの発達に影響がある可能性があるとも言われているので、制限はあっても開催されたことはママパパとしてもうれしいことではないでしょうか。
- 日本心理学会大会発表論文集「新型コロナウイルス感染症流行下における小学校の運動会体験と発達との関連親子を対象とした回顧的なオンライン調査から」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/pacjpa/85/0/85_PP-058/_pdf/-char/ja,2022年6月7日最終閲覧)
観覧できる保護者が1名だけ…
小学校では観覧できる保護者数を制限して密を避ける措置がよくとられていますが、中には観覧できる保護者数を1名だけに制限している小学校も…。
皆さん、パパママのどちらに来てほしいか子どもの希望にあわせているようですが、家族全員で観覧できないのはとてもさみしいですね。
以前の運動会であれば、ママパパだけでなくおじいちゃんおばあちゃんも観覧に参加することもあり、家族総出で楽しく応援する…という一大イベントでしたよね。
子どもたちやその家族の健康を守るためなのでしかたありませんが、声援もあげられなくて閑散とした運動会では子どもたちも少し物足りない想いかもしれません…。
両親に運動会を見せてあげたかった…
こちらの先輩ママの声では、運動会が変更になったのか中止になったのかわかりません。しかし小学校最初の運動会が新型コロナウイルスの影響で今までどおり行われなかったようで、ご両親の思いについて気にされていました。
開催されていたとしても、観覧保護者数の制限などがあればやはりご両親も一緒に参加するわけにはいきませんよね。一生に一度の初孫の運動会デビューを楽しみにしていたでしょうから、しかたないとわかっていてもやはり無念が残るのは当然ですね…。
コロナ禍で明るみに出たセキュリティ問題
先輩ママたちの声の中には、コロナ禍の影響で小学校運動会の観覧保護者数に制限ができたことで、セキュリティ問題について不安を感じたという声も。
今までの家族みんなで観覧できる運動会であれば、このようなことに不安を覚えることもありませんでしたよね。参加できる人数が制限されているのに、それ以上の人数で来ている家族が小学校に入れてしまう…。
コロナ禍による小学校運動会の変更は、運動会だけのことだけでなく、ママパパにセキュリティの問題まで意識させてしてしまうこともあるのですね。
小学校の運動会のコロナ対策
それでは小学校では運動会の際に、どのようなコロナ対策を行っているのでしょうか。文部科学省から推奨されている対策法は次の五つです。
- 密を避けるよう実施内容や変更などの工夫をする
- 地域の感染状況により運動会を延期する
- 地域の感染状況により安全な実施が難しければ中止する
- 整列・応援・参観・昼食で人が密集しないようにする
- 手洗い・せきエチケットなどの基本対策をする
このような文部科学省からの通達によりコロナ対策を実施した一例として、浜田市立三隅小学校では次のような制限を設けて運動会を開催したようです。
- 入場行進は中止する
- 児童テントの数を2倍にして間隔を確保する
- 応援合戦の採点基準から声の大きさを外す
- 子どもは教室で、保護者は校外で弁当を食べる
- 保護者は自分の子どもが競技に参加するときだけ観覧エリアに入れる
以前の運動会とはかなり違う雰囲気であることがわかりますね。テントの数を増やす、観覧エリアに入れる保護者の制限、昼食の取り方の変更など、三隅小学校では徹底的に密を避ける対策を行ったようです。
また新ひだか町立山手小学校でも、リレー終了後は手のアルコール消毒を行う、徒競走は1コースずつ空けて開催するなどそれぞれの小学校が独自に運動会でのコロナ対策を行っています。
- 文部科学省「Q&A(学校設置者・学校関係者の皆様へ)」(https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00040.html,2022年6月9日最終閲覧)
- 浜田市「運動会における新型コロナ感染症対応について(お知らせ)」(https://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1599817954497/simple/osirase1.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
- 新ひだか町立山手小学校「運動会における新型コロナウイルス感染症対策ご協力のお願い」(https://www12.schoolweb.ne.jp/weblog/files/c20200080/doc/5031/78374.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
競技中や観覧中のマスクをどうする?
小学校ではさまざまなコロナ対策を行っていますが、観覧する立場であるママパパにとっては「観覧中のマスクはどうするの?」という疑問もあるのではないでしょうか。
2022年5月現在では、「屋外の密にならない状態ならマスクを外しても良い」という方針が国から出されていますが、やはりマスクをしないことに抵抗を感じる方もいるでしょう。
スポーツ庁からも「学校教育活動の際にはマスク着用」との方針がいまだに基本となっています。ただ暑い夏の時期にマスクをつけたまま外にいると、熱中症のリスクが高まることも事実。
マスクによるさまざまなリスクを検討すると、「子どもは運動中にマスクをつけなくても良い」という結論になるようですが、観覧するママパパたちはマスクを着用して観覧するのが良さそうです。ただ今の政府の意見を考慮すると、「自己判断で」ということになりそうですね。
- スポーツ庁「学校の体育の授業におけるマスク着用の必要性について」(https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/hakusho/nc/jsa_00011.html,2022年6月7日最終閲覧)
コロナ禍では小学校の運動会も様式が変更に
新型コロナウイルスの影響で種目やプログラムの変更、中止などが相次いでいる小学校の運動会。パパママとしてもさみしいことですが、小学校によっては運動会を延期している場合もあり、いつ開催されるかはまだ不透明な状況です。
感染拡大が深刻ではない地域では通常に近い形で開催する小学校もあるようですが、いずれにしても小学校ごとのルールに従って、手洗い・うがい・アルコール消毒・ソーシャルディスタンスなど感染予防の基本を徹底して観覧したいですね。