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「つぐみ」という名前の印象は?注意点も確認
子どもに付ける名前の1つに「つぐみ」を考えている場合、知っておきたいポイントが2つあります。1つは「意外と人とかぶりにくい」ということ、もう1つは「漢字の組み合わせなどによっては男性名としても使える」ということです。
「つぐみ」はかわいい女の子の印象、でも意外とかぶりにくい
「つぐみ」というと、一般的に、渡り鳥の「ツグミ(漢字表記で「鶫」)」を真っ先に連想する人が多いでしょう。ツグミは、寒い国からやってきて日本で越冬する渡り鳥です。くりっとした目で、ピョンピョン跳ねて移動したり、「キュッキュッ」という鳴き声を発したりするかわいらしい鳥の1つです。このため、「つぐみ」という響き=「かわいい」というイメージにつながるのではないでしょうか。
「つぐみ」という読み方の名前は、名前ランキングの上位には入っていません。したがって、同じクラスに同じ名前の子が…という状況は起こりにくいかもしれません。
ちなみに、「つぐみ」と響きの似ている「つむぎ」は近年人気上昇中。明治安田生命の「2021年の読み方ランキング」、たまひよの「2021年(令和3年)女の子 赤ちゃんの名前ランキング 読み」、前年度からランクアップしてどちらも3位に入っています。
同じ「つ」で始まり、「ウ・ウ・イ」と同じ母音が並ぶので、街で「つむぎちゃん」と呼ばれているのを、「つぐみちゃん」と聞き間違えてしまうこともあるかもしれませんね。
「つぐみ」は男の子の名前にも
続いて、2つ目の「漢字の組み合わせによっては男性名としても使える」という点について説明します。
「つぐみ」と聞くと、1989年に刊行されベストセラーになった吉本ばななさんの小説「TSUGUMI」を思い浮かべる人がいるかもしれません。こちらの小説は映画化もされました。この物語の主人公は「つぐみ」という病弱な美少女でした。このキャラクターのイメージで、特に40〜50代前後の世代で「かわいい女の子」を連想してしまう人は多いと思われます。
ですが、「つぐ」と読む漢字と「み」と読む漢字の組み合わせると、「つぐみ」は意外と男性名でも使えます。
例えば、「よしつぐ」や「まさつぐ」のように「つぐ」を漢字2文字の2文字目にする名前がありますが、その文字を1文字目に使うのです。「ひろみ」や「まさみ」といった、「み」が後に付く名前は男性でも使われるので、「つぐ」+「み」を組み合わせたものと考えると、必ずしも女の子に限定される名前というわけでもないのです。
- 明治安田生命「名前ランキング2021」(https://www.meijiyasuda.co.jp/sp/enjoy/ranking/index.html#/year/2021y/5,2022年5月16日最終閲覧)
- たまひよ「2022年 女の子赤ちゃんの名前ランキング100」(https://st.benesse.ne.jp/ninshin/name/girl/name-ranking/#yomi_g_detail,2022年5月16日最終閲覧)
「つぐみ」と読む名前に使える漢字
それでは、「つぐみ」と読む名前の漢字組み合わせには、どのようなものが使えるのでしょうか?
「つぐみ」と読む漢字:亜美
「亜」には以下のような意味を込めることができます。
上位や主たるものに次ぐ。次位の。準ずる。「亜将・亜聖・亜流・亜熱帯」また、「アジア(亜細亜)」を表す場合もあります。
「亜」は人名としては古くからよく使われる漢字なので、一見して、珍しい・難しいという印象はないでしょう。ただ、同じ漢字の組み合わせで「あみ」と読む人も多いことから、1回で「つぐみ」とは呼んでもらいにくいかもしれません。
ちなみに、「つぐみ」と響きの似ている「つむぎ」も人気の名前で、明治安田生命の「2021年の読み方ランキング」の女の子部門では3位、たまひよの「2022年 女の子赤ちゃんの名前ランキング100」では前年度1位、今年度でも9位に入るほどたくさんの人に選ばれています。
「つぐみ」と読む漢字:紬未
漢字の「紬」は、一文字で「つむぎ」と読む以外にも、女の子の名前に使われる漢字として近年人気があります。たまひよの2021年の「女の子の赤ちゃんの名前 使用漢字ランキング」ランキングで1位に入りました。
漢字の意味には、以下のようなものがあります。
繭から糸を引き出す。物事の糸口を引き出す。紬糸で織った平織りの絹織物。
「つむぐ」という意味から、人と人とのつながりや、時代を超えて受け継ぐ、といった願いも込めて使われることが多いようです。
また、和服の日常着に用いられる織物の名称から、「和風」と「親しみやすさ」のイメージを備えています。
さらに、2文字目に「未」の「終わりがなく、続いていること」という意味を組み合わせることにより、子どもの生涯を通じて、人との絆などが連面と続くさまに重ねることもできるのではないでしょうか。
「つぐみ」と読む漢字:緒心
「紬」と同じく糸へんの漢字で、「緒」という字も名のりで「つぐ」と読ませることができる漢字です。以下のような意味があります。
物事のはじまり。発端。いとぐち。ある事から引き起こされる思い。
こちらも「紬」同様、小さな糸から大きなものに広がっていく、というシーンを想起させますね。
2文字目に「心」や「実」を組み合わせることで、「多くの人の心と結びついて大きく育ってほしい」、「小さな物事の重なりから大きく実りある人生を送ってほしい」、といった意味を込めることもできそうです。
ですが、「紬」も「緒」も「つぐ」とは初見では読みにくい漢字のため、覚えてもらうのに最初は説明が必要かもしれません。
「つぐみ」と読む漢字:継実
「緒」と同じく糸へんを使った漢字ですが、「継」という漢字だと少しニュアンスが違ってきます。「継」は、以下のような意味を含む漢字です。
つぐ、糸をつぐ、つなぐ、つづく。前を承けて、のちにつらなる、かさねる、かける。世をつぐ、あとつぎ、よつぎ。
「継」は「紬」や「緒」よりもより直接的に、一続きの「つながり」や「連なり」を連想させます。名のりでなく訓読みで「つぐ」と読める漢字なので、どう読んだらいいのか分からない、という印象はあまりないかもしれません。
さらにいえば、大谷吉継や徳川家継といった戦国武将や将軍の名前でも見かけることから、どちらかというと男性的なイメージを持つ人がいるかもしれません。
「つぐみ」と読む漢字:嗣己
「嗣」は室町時代の武将、足利義嗣の「つぐ」です。画数も多く、特に古風な男性名でときどき見かける字ではないでしょうか。
あとをつぐこと。また、その人。あとつぎ。よつぎ。
意味はまさに「跡継ぎ」「後継者」ということで、時代もあったようです。「さね」「つぎ」「ひで」といった読みの名前に使われることもあります。
もし男の子に「つぐみ」と読む名前を付けるなら、2文字目は「己」や「実」などだと、違和感が少ないかもしれませんね。
ツグミと読む漢字:倫心
「倫」という漢字は、人の守り修めるべき道、倫理、秩序などを示す言葉であり、また「仲間」という意味も持っています。
名前にこの漢字を用いるのは、人として守るべき道を大事にして、仲間を思いやる気持ちを持ってほしいという願いが込められているのでしょう。
この漢字に「心」をあわせることで「つぐみ」と読ませることができ、倫だけよりやわらかい印象で、人の心に寄り添い仲間から信頼されるような人になってほしいという気持ちも伝えることができます。
- 株式会社DIGITALIO「精選版 日本国語大辞典「倫」の解説」(https://kotobank.jp/word/倫-659862,2023年1月31日最終閲覧)
ツグミと読む漢字:二望
「二」という漢字は、数字の2やふたつという意味がありますが、「次の」、「別の」、「ふたたび」などの意味もあり、「つぐ」という読み方をすることもできます。
そこに「望」という漢字を組み合わせることで、「次々に望みをかなえられるように」という願いを込めた「つぐみ」という名前をつけるのも素敵ですね。
一見しただけでは「つぐみ」とは読みにくいかもしれませんが、ほかの人とかぶることもあまりなく、次男や次女、第二子の子どもに漢数字の「二」を使いたい場合にもおすすめです。
- 株式会社ジテンオン「「二」の部首・画数・読み方・筆順・意味など」(https://kanji.jitenon.jp/kanji/064.html,2023年1月31日最終閲覧)
ツグミと読む漢字:愛巳
いつくしみ合う気持ちや生あるものを大事にするという意味を持つ「愛」という漢字に「つぐ」という読み方はありませんが、「愛を継ぐ」という意味から当て字として名前に使う人もいます。
「愛」は女の子の名前によく使われていますが、「巳」という漢字を組み合わせることによって、凛々しさや強さも感じられる名前になりますね。
「巳」という漢字にはへびという意味がありますが、名前に使われる際には「自分の意思や力で人生を切り開いてほしい」という願いが込められており、「愛」と組み合わせることで、他者をいつくしむ優しい気持ちと強さを兼ね備えた子になってほしいという気持ちを込めることもできるでしょう。
- 株式会社DIGITALIO「精選版 日本国語大辞典「愛」の解説」(https://kotobank.jp/word/愛-23564,2023年1月31日最終閲覧)
ひらがなの「つぐみ」も人気
特に女の子で「つぐみ」という読みの名前を付ける場合、漢字では読みづらい組み合わせもありますので、すべて「つぐみ」とひらがなで表記するのもおすすめです。
他にも、「つぐみ」と読める漢字の一例を、リスト形式で紹介しましょう。「つ」と「く」と「み」の漢字3文字というバリエーションもありますよ。
愛未/二実/麗珠/月海/告望/承実/亞美/鶴久美/乙美/亜海/次実/倫心/紡実/創心/都紅美/津玖実
- 小学館・デジタル大辞泉「デジタル大辞泉「亜」の解説」(https://kotobank.jp/word/亜-420498,2022年5月16日最終閲覧)
- たまひよ「2022年 女の子赤ちゃんの名前ランキング100」(https://st.benesse.ne.jp/ninshin/name/girl/name-ranking/#kanji_g_detail,2022年5月16日最終閲覧)
- 小学館・デジタル大辞泉「日本大百科全書(ニッポニカ)「紬」の解説」(https://kotobank.jp/word/紬-567097,2022年5月16日最終閲覧)
- 精選版 日本国語大辞典「精選版 日本国語大辞典「未」の解説」(https://kotobank.jp/word/未-607597,2022年5月16日最終閲覧)
- 小学館・デジタル大辞泉「精選版 日本国語大辞典「緒」の解説」(https://kotobank.jp/word/緒-448352,2022年5月16日最終閲覧)
- 平凡社「普及版 字通」「普及版 字通「継(漢字)」の解説」(https://kotobank.jp/word/継(漢字)-2786174,2022年5月16日最終閲覧)
- 精選版 日本国語大辞典「精選版 日本国語大辞典「嗣」の解説」(https://kotobank.jp/word/嗣-515185,2022年5月16日最終閲覧)
「つぐみ」という名前に対する先輩ママの声
「つぐみ」という名前に対して、女の子の名前としてはやはり「かわいい」という肯定的な印象が多いようです。
初見では読みづらいかもしれませんが、その分他の人とかぶりにくく、身近な人には一度覚えてもらえば、印象に残りやすい名前なのではないでしょうか。
「つぐみ」は漢字の組み合わせも多様!男の子にも
「つぐみ」と読む名前は、かわいらしい響きから女の子につけられる印象もありますが、漢字の組み合わせによっては、男の子にもぴったりな素敵な名前だということがわかりますね。
漢字の組み合わせバリエーションもたくさんあるので、使いたい漢字がある方も選択肢は広いのではないでしょうか。漢字の組み合わせでガラリと印象の変わることもある名前。その意味を調べていくと、親からの愛や願いが込められているのを感じられます。
名づけに悩んでいる方は、わが子に幸せになってほしいという願いや画数、バランスなどを総合して、「つぐみ」という名前を候補に入れてみてはいかがでしょうか。