入園シーズンの春は 体調を崩しやすくもある
春、保育園に入園するお子さんも多い季節です。月に何度も病気で休む子が多いのもこの時期。保育園児を詳しく調査されている富山県小児科医会が富山市内で調べた年齢別保育園児の月あたり平均欠席日数では、0歳で1ヶ月に平均2.52日。これはあくまでも平均ですからね。
もっとたくさん休む子も(休まない子も)います。実際、我が家は第1子が最初の数ヶ月間、まともに登園できませんでした……が、下の子たちは休むことなく通っていました。
病気はコロナだけではない 子供のいつもを知る大切さ
現在は新型コロナウイルス感染症の心配もありますが、子供がかかる病気はそれだけではありません。子供のどこを見て、どんなことに気を付ければいいのか、見ていきましょう。
まず大切なのは、子供の普段の様子を知ること。「いつもを知る」ということがとても大切です。頭やおなかのかたさ、肌のハリ、便の感じ……鼻水が出ている子はどんな鼻水かな。いま一度、確認してみてください。みんな、その子その子で違います。
お熱の高さは状態の悪さと イコールではない
お熱だけが基準、ではありません。お熱だけに一喜一憂する必要はありません。だからといって、お熱を甘く見ていい、ということでもありません。子供の平熱がどのくらいなのか、コロナ禍ですのでご存じの方が多いとは思いますが、まずは平熱も押さえておきたいところです。
子供は病気にかかるもの。子供が小さいときに出会う病気はこんなにある。
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保育園を休む日はだんだん少なくなる
<年齢別保育園児の月当たり平均欠席日数>
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0歳児では月の欠席が平均して2日を超えていますが、2歳児では、月にほぼ1日まで減少しています。
●保育園症候群って……?
保育園に通い出して間もないお子さんは鼻水・咳症状が続いて中耳炎・気管支炎になったり、また保育園で病気が流行するとまだ免疫がないために罹患(りかん)してしまいます。「保育園症候群」とは集団保育に伴う感染関連の症状を広く指す言葉です。3歳頃を過ぎると丈夫になり休園日数も減ってゆきます。予防できる病気はワクチンでしっかり予防し、疾病時の休園・登園基準をかかりつけの先生とよく相談してください。
「食う・寝る・遊ぶ・出す」が いつもと同じにできている?
ではお熱だけではなくどこを見るかというと、「食う(飲む)・寝る・遊ぶ(ご機嫌)・出す(うんち・おしっこ)」をチェックします。これらすべてがいつもどおりにできていれば、急ぐ必要はありません。
これらができていないときに、ウェブサイト『こどもの救急』を確認します。お熱、咳のあるなし、などを選んでいくと、「救急車で病院へ」「お家で様子を見る」など判断の目安がわかり、看病のポイントも知ることができます。また、『小児救急医療電話相談』(#8000)も上手に活用しながら、受診が必要かどうか、見極めていきましょう。
みんなで一緒に育っていく! 強くなっていく!
お子さんが小さいうちに集団生活に入る、ということは、病気を多かれ少なかれ伝染しあうことになる、という認識は持っている必要があります。そして強くなっていく。成長に伴って、丈夫になっていく。
今までみたいにお家で過ごしていたような状態ではなくなりますが、園のみんなで影響を与え合い、一緒に成長していく場である、と捉えられるとよいですね。
入院や重くならないために できることとは
親にとっては、子供たちと遊べる楽しい週末。子供の体験を増やしてあげたい、と思う親が多いと思います。 子供たちが元気な時は、それが一番の楽しみですよね!
ですが、子供の様子の変化に気づいたら、予定の変更が大事になってきます。
咳が出始めている、鼻水がドロドロしてきている、微熱が続いている……そんなときに週末にキャンプの予定……これくらいだったら大丈夫かな、と大人の感覚で決行してしまうと、それは子供にとっては大きな負担になります。その週末は乗り越えられたとしても、また翌週から毎日8~12時間程度、保育園での生活が始まります。体調が悪い中で、日々の疲労が積み重なっていく、ということは覚えておきたいことです(大人もですね)。
いつもと少し様子が違うな、と気付いたときには(体調だけではなく、こころが疲れていそうなときにも)、週末は休ませましょう。そうすることで、また翌週から元気に登園できる気力・体力を養うことができるのです。
子供の体調に目を配りながら、コロナ禍であっても楽しく過ごせる工夫ができるといいですね。
子供の“いつも”を知っておく。 まずはこの4つをチェックしよう。
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これら4つを子供が「いつもと同じように」できているでしょうか? 普段から確認することで、万が一具合が悪くなったときにも対処しやすくなります。
保育園に連れていっても大丈夫? 迷った時の登園の目安
下の表は、具合の悪くなった時に保育園に行かせてよいかどうか、登園基準について富山県の小児科医会が作成したものです。悩んだときの目安にしてみてください。
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PROFILE
阿真京子
三児の母。特定非営利活動法人日本医療政策機構フェロー。一般社団法人日本医療受診支援研究機構理事。東京立正短期大学幼児教育専攻科非常勤講師。2021年、WEB上で「子どもと医療」プロジェクトをスタート。著書にFQ JAPAN増刊『親と医師で考えた 病院に行く前に知っておきたいこと』などがある。
FQ JAPAN VOL.62(2022年春号)より転載
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