Ⓒitsumama__
たまっていく「わが子の力作」を思い出に
保育園や幼稚園、学校では、子どもが絵や工作などを作りますね。行事や季節に合った作品はその都度持って帰ってきたり、1年を通して作品として園や学校に保管していることも。
作品の持ち帰りがあると「子どもが一生懸命作ってきた作品を捨てていい?」「全部残しておくのは難しい」「立体のものは特に置き場がない」など悩みは尽きないことでしょう。
この記事では、私の保育経験の中で考えた方法や、保護者から聞いた収納・保管方法をお伝えしていきます。
作品には「その瞬間の子ども」が詰まっている
収納・保管方法と合わせて、保育園・幼稚園での制作にこめられた意味を少しだけお伝えします。
制作はもちろん子どもたちによる力作なのですが、実は先生たちの熱意もこもっています。先生たちは季節・行事に合った題材をメインに、子どもの発達に合わせた内容、手順で制作内容を決め、必要な材料を用意、パーツを印刷、切る、貼るなどの下準備をしています。これらは子どもの昼寝の時間を含むすき間時間で準備しています。子どもたちが興味を持って楽しく制作できる内容を考えていますよ。
その保育者の思いに子どもたちの個性や表現が加わり、素敵な作品が完成します。子どもたちは制作を通して、季節を感じる、行事の楽しさを知る、自分を表現するなど、楽しみながら作品と向き合っています。そのときの年齢、考え方、気持ちの状態の時にしか作れない作品が完成しますね。
作り終わって持ち帰るころには子どもが興味を失うこともありますが、作品には「その時のわが子が詰まっている」と思っていただけたらうれしいです。保育者としても、制作を大切に保管してくれたエピソードを聞くと、すごくやりがいを感じます。
子どもも納得な厳選の仕方
大切な作品とはいえ、収納スペースは無限ではありませんよね。たまった作品とお別れしなくてはいけないとき、どんな言葉かけや選定をすればよいのでしょうか。私なりの考えをご紹介します。
「捨てる」ワードを「感謝」の言葉へ
選別して作品を残すとき、お別れする作品には「捨てる」というワードをできるだけ使わないようにしましょう。子どもは「捨てる」という言葉が苦手なことが多いように感じます。「下手だから捨てた」「いらないと言われた」という感覚にさせずにお別れできるといいですね。
おすすめなのは「ありがとうしようね」「さよならしようか」といった声かけです。作品を大切に、あいさつのような言葉でお別れできると、子どもが納得できるかもしれませんね。
子ども自身が選ぶ「オーディション方式」
子どもに選んでもらい厳選することや選択することを経験させてあげるのも手です。すべての作品は残せないという条件の中で、自分の作品を自分で選別するのも良いですね。
例えば「思い出BOX」「ありがとうBOX」の2つに入れていき「ありがとうBOX」がいっぱいになったら、さようならとします。なかなか捨てられずにいるお子さんには、愛着のある作品をある程度保管しておける方法が合いそうです。
できるだけ場所を取らない収納・保管方法
ここからは、できるだけ場所を取らない収納方法をお伝えします。
写真に撮る
作品を写真に撮り、写真で保管する手段です。立体作品も写真にとれば平面にできますよね。
アルバムにする
写真で保管する際、撮るだけで満足しないように、年度終わりには現像してアルバムにするのもいいですね。写真ではなく、A4サイズに印刷してA4の書類ファイルに保管すると、より大きく見ることができます。
紙の作品を長期で保管する場合はラミネートすると、よりきれいな状態で保管できますよ。
カレンダーにする
写真で保管した作品は、カレンダーにするのも素敵です。こいのぼりは5月、ひなまつりは3月などと季節の作品を月ごとにカレンダーの写真にして敬老の日にプレゼントするのも、喜んでもらえそうなアイデアです。
壁一面に貼って美術館ごっこ
年度末までの1年間保管しておき、最後に壁一面に並べて子どもと一緒に写真を撮る方法です。子どもの姿の成長と共に作品も残って見返すのも楽しくなります。その写真を大きめの写真にして飾ったりするのもすてきですよね。
お気に入りの一枚は廊下などに飾り、毎年1枚ずつ増えていくのも◎。子どもが何歳くらいで、どんな様子だった時の作品なのかを思い出せますね。
同じ形の作品BOXに収納する
ダンボールのような厚紙で作られたBOXや、プラスチックのA3サイズの収納箱など、1年ごとに追加で購入して保管する方法です。とにかく子どもの作った作品はそのまま残しておきたい!という方には、作品収納BOXもおすすめですよ。
PR
家庭に合った収納方法を見つけて
子どもがイメージを持ち、試行錯誤しながら作り上げた作品を大切にしながら、それぞれのご家庭にあった保管・収納方法を見つけてみてください。自分の作品を一緒に見たり大切にしていくことで自己肯定感も育てられます。そして作品を通して成長していることをお子さん自身が目で見て感じられるのも大事なことだと思います。
もちろんスペースの問題はあるので、時には処分することも必要でしょう。そんなときは、作品への感謝やプラスの声掛けで、上手に「さようなら」ができるといいですね。