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監修:清水なほみ

【医療監修】不正出血とは?月経以外で起こる出血の原因や考えられる病気について

毎月の月経以外で出血が起こったという経験がある方はいるかと思います。通常出血しないはずの時期に少量でも出血が起こるということに不安を感じることもあるでしょう。不正出血にはいくつかの原因がありますが、排卵期に起こる排卵出血や、妊娠に伴う出血も不正出血の一つです。月経以外で起こる出血の原因や不正出血によって考えられる病気について詳しくご説明します。

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不正出血とは

不正出血とは、月経以外の時期に起こる性器出血のことをいいます。

鮮血のような出血だけでなく、おりものに少量の血が混ざっているような茶色っぽい出血も不正出血の一つです。不正出血には病気ではない出血もありますが、病気が原因で出血を起こしている可能性もあるため、月経時期以外での出血があった場合は早めに病院を受診しましょう。

不正出血には、病気が原因で起こる「器質性出血」とホルモンバランスの乱れによって起こる「機能性出血」があります。また、妊娠初期に受精卵が着床した際に起こる少量の出血や性行為によって膣部分が傷ついた際に起こる出血も不正出血です。

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器質性出血

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器質性出血とは、子宮や膣などの病気が原因で起こる出血のことです。不正出血の原因にはさまざまな病気が挙げられますが、出血が続く場合は病院で検査が必要です。

器質性出血では以下のような病気が考えられますが、出血が続く場合は早めに病院を受診しましょう。

膣炎、子宮頸管炎

膣炎は外陰部や膣部分に起こる炎症のことです。膣炎になると、膣の組織が赤く腫れてヒリヒリとした痛みを感じることや、おりものが増加して悪臭を伴うことがあります。膣の炎症が広がって子宮出口にまで及ぶと、子宮頸管炎による不正出血が起こることもあります。

膣炎、子宮頸管炎は、トリコモナス原虫、クラミジア、淋菌といった細菌感染によって起こる膣炎と、卵巣機能の低下や一般の細菌などによって起こる非特異性膣炎があります。トリコモナス、クラミジア、淋菌などの性行為による感染で起こるものは性感染症と分類されます。

子宮膣部びらん

子宮膣部びらんは、子宮頸部の入り口付近が赤くただれたようになる状態のことをいいます。子宮膣部びらんは病気ではなく、女性ホルモンの分泌が活発な20代~40代くらいの女性にみられる生理現象だと考えられています。

びらん部分の細胞は出血しやすいため、性行為など物理的な刺激を受けると出血したり血液混じりのおりものが出たりすることがあります。

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子宮筋腫

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子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍のことで、成人女性の4~5人に1人は子宮筋腫を保有しているとされています。

子宮筋腫で不正出血することはまれですが、粘膜下筋腫(子宮の内側にできる筋腫)や筋腫分娩(大きくなった子宮筋腫が子宮の外に出ている状態)などによって月経以外で茶色っぽいおりものが出たり、多少出血したりする場合があり、出血が続くような場合は適切な治療を受けることが大切です。

子宮頸管ポリープ

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子宮頸管ポリープは、30~50代で発症することが多い子宮から膣をつなぐトンネルの役割を持つ子宮頸管にできるキノコ状の良性腫瘍です。

子宮頸管の組織が柔らかいため、排便のいきみなど少しの刺激でも出血しやすくなります。茶褐色のおりものが出ることもあり、繰り返し出血が起こるような場合は切除手術を受けるとよいでしょう。

子宮頸がん、子宮体がん

子宮がんは、子宮にできるがんの総称で、主に「子宮頸がん」、「子宮体がん」の2種類があります。

子宮頸がんは、子宮の入り口付近にある子宮頸部にできるがんで30~60代での発症が多く、初期症状として性交時の出血が起こることがあります。早期発見で治療すれば子宮を温存できる可能性もあります。

子宮体がんは、子宮体部の内側の子宮内膜にできるがんで、40~60代での発症が多く自覚症状として不正出血があります。子宮頸がんに比べて発症する年齢は高めなため、更年期や閉経後に不正出血があった場合はすぐに病院に行くようにしましょう。

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機能性出血

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機能性出血とは、ホルモンバランスが乱れることで起こる出血のことを指します。病気が原因ではなく環境の変化や、思春期や更年期などホルモンのバランスが不安定な時期に起こりやすい出血です。

機能性出血は、一時的なものであればホルモンバランスが整えられることで改善されることがあるため、特に治療を受ける必要はありません。しかし出血量など状況に応じてホルモン剤の投与などの治療を受けることもあります。無排卵周期によってランダムな出血が続く場合は、ホルモン治療によって周期を整えた方がよいでしょう。

また、排卵期に少量の出血が起こる排卵出血(中間期出血)も不正出血の原因の一つですが、月に1~2日少量の出血があるだけであれば、通常は治療の対象にはなりません。

子宮内膜ポリープがあるせいで毎回排卵期に出血する場合は、ピルなどホルモン剤によって内膜を整えます。

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気になる症状が出たら放置せずに病院へ!

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月経以外で起こる性器からの出血は不正出血とみなされます。あまり気にしなくてもよい出血があれば、病気である可能性がある出血までさまざまです。

不正出血が続くときや繰り返し起こる場合は、早めに病院を受診して医師の診察を受けるとともに必要な検査を受けるようにしましょう。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

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