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監修:清水なほみ

【医療監修】コンドームの避妊率は?ゴムをつけても妊娠する理由とピルなどの避妊法

避妊方法にはたくさんの種類がありますが、どの種類でも避妊率が100%というものはありません。そのなかでも、日本でもっともポピュラーな避妊方法と言えるコンドームですが、その避妊率は約85%と言われています。使用するタイミングや方法によって妊娠する可能性があるため、コンドームだけでは十分に避妊できるとは言えません。では、コンドーム以外の避妊方法にはどのようなものがあるのでしょうか。ピルやIUDなどの方法について説明します。

PIXTA

コンドームの避妊率

日本では、避妊具の代表格であるコンドーム。男性器に装着することで避妊効果が期待できます。女性でも気軽に購入しやすいデザインのものが販売されているなど、低価格で簡単に手に入ることが魅力です。

しかし、コンドームの避妊率は100%ではなく、一般的な使用方法での避妊率は約85%と言われています。性感染症を防ぐことができるメリットがある一方で、使用方法が正しくなかったり、破れてしまったりするデメリットがあります。

妊娠を望まない場合、コンドームと他の避妊方法を併用するのがよいでしょう。

出典元:

コンドームをつけても妊娠することがある理由

寝室 amana images

コンドームをつけても妊娠してしまうケースは、以下のような理由が考えられます。

  • コンドームをつけるタイミングの遅れ
  • コンドームの破損
  • 性交後の精液の漏れ出し

コンドームを使用していても、正しいタイミングで装着できなければ妊娠する確率が上がってしまいます。

コンドームを付ける正しいタイミングは、射精直前ではなく勃起してからです。射精前でも、カウパー液と呼ばれる分泌物に精子が含まれており、それが膣に入ることで妊娠する可能性があるのです。

また、正しいタイミングで装着した場合でも、性交後に女性の膣に挿入したまま長い時間を過ごすと精液が漏れ出す恐れがあります。

射精後に小さくなったペニスとコンドームの間から漏れ出したり、抜く際にコンドームが外れたりしてしまうからです。射精後は速やかに性器を抜いてコンドームを外すようにしましょう。

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コンドーム以外の避妊方法と避妊率

避妊 PIXTA

コンドーム以外の避妊方法は、低用量ピルや避妊手術、ペッサリー、IUD(避妊リング)、殺精子剤などさまざまな方法があります。

それぞれ、どのように使用するもので、避妊率はどれくらいなのでしょうか。

低用量ピル

低用量ピルは経口避妊薬とも呼ばれ、女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)を配合した薬を毎日服用することで、排卵をおこさないようにする方法です。

毎日服用することが必要で、服用開始時に軽い体調不良が出る場合がありますが、生理痛が軽くなったり生理不順が改善したりするなどのメリットがあります。

正しく服用した場合の避妊率は約99%と言われていますが、飲み忘れると避妊効果が下がる可能性があります。

避妊手術

病院 amana images

避妊手術は、その名の通り妊娠できないようにする手術で、女性の卵管の途中を結ぶ方法と男性の精管を切除する方法があります。

副作用がなく、一度手術をすれば半永久的に避妊効果が期待できる一方、手術後に子供が欲しいと思っても非常に難しくなります。

ペッサリー

ペッサリーは、子宮の入口にゴム製のキャップを装着して、精子が入らないようにする方法です。医師に相談した上で、自分に合ったサイズのペッサリーを選び、性交渉の前に自分で装着します。

避妊率は約80%と言われていますが、自分で装着するため、正しく付けられないと避妊率は下がってしまいます。この方法は、現在ほとんど用いられていません。

IUD(子宮内避妊具)

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IUDは、プラスチックや金属でできた小さな器具を子宮内に入れ、受精卵が着床しないようにする方法です。一度装着をすると3~5年間は手間なく使用し続けることができますが、年1回は検診を受ける必要があります。

避妊率は約99%以上と言われていますが、人によっては不正出血や過多月経が生じる可能性もあり、位置がずれるリスクもあります。ホルモン付加タイプの子宮内避妊具は、1度挿入すると5年間有効で、月経量が減ったり月経痛が軽くなったりするため、治療の目的とかねて使用することも可能です。

殺精子剤

殺精子剤は、膣の中に精子を殺す薬品を入れて避妊する方法です。ゼリーやフィルム、錠剤などがあり、いずれも性交渉の前に膣に挿入します。

効果が表れるまでに5分~10分程度かかり、効果が持続する時間が約20分と短いため、その時間内で射精が行われなければ避妊効果はありません。

正しく使用した場合の避妊率は約75%と言われていますが、現在はほとんど用いられていない方法です。

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避妊のためには、コンドームと他の避妊具の併用を

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コンドームは、性感染症の予防に効果がある一方で、避妊の効果は100%ではありません。さらに、男性に協力してもらわなければ成立しない避妊方法です。

妊娠を望まない場合は、男性任せではなく、女性が自分の意思で避妊できるピルや子宮内避妊具などの確実な避妊方法を選択することが重要です。

ピルやその他の避妊方法に疑問や不安がある場合は、婦人科を受診して相談してみてくださいね。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

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