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監修:清水なほみ

【医療監修】ノンストレステスト(NST)とは?目的や方法、グラフの見方を紹介

妊娠後期に入ると、分娩監視装置をつけてノンストレステスト(NST)を行うことがあります。ストレスの無い状態で胎児の様子を確認し、母体が出産を迎える準備ができているかどうかを見極める検査です。検査を行う時期は病院によって異なりますが、妊娠36週以降に行われる場合が多いでしょう。テストの方法やグラフの見方をご紹介します。

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ノンストレステスト(NST)とは?

ノンストレステスト(NST)とは、Non Stress Testの略で陣痛などのストレスが無い状態で行われる検査のことです。

胎児の心拍数や母体の子宮の収縮具合が波形状に表示される分娩監視装置を用いて行われ、胎児が元気であるかどうかを確認する目的があります。

分娩監視装置を装着して胎児の心拍を調べる検査のため、「胎児心拍数モニタリング」とも呼ばれることがあります。

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ノンストレステストを行う時期

妊婦 PIXTA

ノンストレステストを行う時期は病院によって多少異なりますが、基本的には妊娠36週以降に実施する病院が多いでしょう。テストを受ける場合は、通常の妊婦健診と併せて実施されます。

予定日を超過しているときや胎動が確認できないときは、何度かノンストレステストを行い胎児の状態を確認します。

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ノンストレステストの方法と所要時間

時間 PIXTA

検査は、仰向けで少し上半身を起こした状態で分娩監視装置をおなかに装着して行います。完全に仰向けになってしまうと、大きなおなかが血管を圧迫し母体が低血圧になってしまうことがあるため、上半身を少し起こし膝を立てた状態で仰向けになるようにします。

装置には胎児の心拍を確認するセンサーと、母体のおなかの張りを確認するセンサーの2種類が付いています。センサーがキャッチした情報はグラフ化され、そのグラフを基に医師が赤ちゃんと母体の状態を判断します。

所要時間は平均30~40分ですが、検査中に胎児が寝ていてグラフが反応しないなどの理由で検査時間が長引くことがあります。

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グラフの見方

グラフ PIXTA

ノンストレステストの結果は、分娩監視装置から出力されるグラフで確認します。2つの波線グラフが表示されていて、赤ちゃんの心拍と母体の子宮の収縮状況を表しています。

母体の状態を表すグラフは、子宮の収縮をキャッチすると山型に盛り上がります。妊娠後期や臨月に検査をするため、1回の検査中に何度かおなかが張っても問題ありません。前駆陣痛といって、陣痛の前にも多少の子宮の収縮が起こることがあります。

胎児の状態を表す項目

  • 胎児の心拍数が正常範囲内である
  • グラフの基線が細かく変動している
  • 胎動に合わせて胎児の心拍数が上がる「一過性頻脈」が20分間に2回以上ある
  • 胎児の心拍数が下がる「一過性徐脈」がない

赤ちゃんの心拍は110~160回/分が正常値で、胎児の心拍数が正常な場合は細かくギザギザな波形となります。また、胎動によって一時的に胎児の心拍数が上がることがあり、グラフ上では線が山型になっている場合は胎児が元気な証拠です。

胎児の状態が心配されるような場合は、ノンストレステストを毎日もしくは1日おきくらいの頻度で行うことがあります。

出典元:
  • 飯能産婦人科「分娩時の胎児管理法」(https://hannou-sanfujinka.com/blog/?p=2874,2018年5月25日最終閲覧)
  • 西島重光(著)「コンパス産婦人科」P311~315(メック出版,2013年)

ノンストレステストの費用

妊婦 費用 PIXTA

ノンストレステスト自体の費用は、500~3,000円程度です。通常の妊婦健診費用にプラスでノンストレステストの費用が必要です。妊婦健診を受けている病院によって異なるため、検査時に費用がかかるのかどうか事前に確認しておくとよいでしょう。

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出産に向けて行われるノンストレステスト

臨月 病院 PIXTA

ノンストレステストは、出産を控えた時期に胎児と母体の状態を知る上でとても大切な検査です。胎児の心拍数や母体の子宮の収縮具合を確認するため、ストレスのない状態で行われます。

30~40分ほどの検査となりますが、胎児の動きがみられず状態がわからないときはさらに時間がかかることがあります。そのため、途中で気分が悪くなってしまったり体勢がつらくなってしまったりした場合は医師や助産師に相談して、無理をしないようにしましょう。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

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