ノンストレステスト(NST)とは?
ノンストレステスト(NST)とは、Non Stress Testの略で陣痛などのストレスが無い状態で行われる検査のことです。
胎児の心拍数や母体の子宮の収縮具合が波形状に表示される分娩監視装置を用いて行われ、胎児が元気であるかどうかを確認する目的があります。
分娩監視装置を装着して胎児の心拍を調べる検査のため、「胎児心拍数モニタリング」とも呼ばれることがあります。
- 中原クリニック「妊娠判明から出産予定日決定まで」(http://www.nakanic.com/obstetrics/prenatalcare.html,2018年5月23日最終閲覧)
- オーククリニックフォーミズ病院「診察室・NST室」(http://www.oak-clinic.com/guide/examroom.html,2018年5月23日最終閲覧)
- セイントマザークリニック「検査内容・処置治療のご案内」(https://saint-mothers.jp/departments/inspection/nst.html,2018年5月23日最終閲覧)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10」P66(メディックメディア,2015年)
ノンストレステストを行う時期
ノンストレステストを行う時期は病院によって多少異なりますが、基本的には妊娠36週以降に実施する病院が多いでしょう。テストを受ける場合は、通常の妊婦健診と併せて実施されます。
予定日を超過しているときや胎動が確認できないときは、何度かノンストレステストを行い胎児の状態を確認します。
- 中原クリニック「妊娠判明から出産予定日決定まで」(http://www.nakanic.com/obstetrics/prenatalcare.html,2018年5月23日最終閲覧)
- あさぎり病院「産婦人科」(http://www.asagiri-hp.or.jp/sinryouka/sanhuzinka/tokushoku/sanka/ninpu_kenshin.html,2018年5月23日最終閲覧)
- オーククリニックフォーミズ病院「診察室・NST室」(http://www.oak-clinic.com/guide/examroom.html,2018年5月23日最終閲覧)
ノンストレステストの方法と所要時間
検査は、仰向けで少し上半身を起こした状態で分娩監視装置をおなかに装着して行います。完全に仰向けになってしまうと、大きなおなかが血管を圧迫し母体が低血圧になってしまうことがあるため、上半身を少し起こし膝を立てた状態で仰向けになるようにします。
装置には胎児の心拍を確認するセンサーと、母体のおなかの張りを確認するセンサーの2種類が付いています。センサーがキャッチした情報はグラフ化され、そのグラフを基に医師が赤ちゃんと母体の状態を判断します。
所要時間は平均30~40分ですが、検査中に胎児が寝ていてグラフが反応しないなどの理由で検査時間が長引くことがあります。
- オーククリニックフォーミズ病院「診察室・NST室」(http://www.oak-clinic.com/guide/examroom.html,2018年5月23日最終閲覧)
- 東京山手メディカルセンター「妊娠36週からのノンストレステスト(NST)について」(https://yamate.jcho.go.jp/ka_sanfujinka_nst/,2020年10月28日最終閲覧)
グラフの見方
ノンストレステストの結果は、分娩監視装置から出力されるグラフで確認します。2つの波線グラフが表示されていて、赤ちゃんの心拍と母体の子宮の収縮状況を表しています。
母体の状態を表すグラフは、子宮の収縮をキャッチすると山型に盛り上がります。妊娠後期や臨月に検査をするため、1回の検査中に何度かおなかが張っても問題ありません。前駆陣痛といって、陣痛の前にも多少の子宮の収縮が起こることがあります。
胎児の状態を表す項目
- 胎児の心拍数が正常範囲内である
- グラフの基線が細かく変動している
- 胎動に合わせて胎児の心拍数が上がる「一過性頻脈」が20分間に2回以上ある
- 胎児の心拍数が下がる「一過性徐脈」がない
赤ちゃんの心拍は110~160回/分が正常値で、胎児の心拍数が正常な場合は細かくギザギザな波形となります。また、胎動によって一時的に胎児の心拍数が上がることがあり、グラフ上では線が山型になっている場合は胎児が元気な証拠です。
胎児の状態が心配されるような場合は、ノンストレステストを毎日もしくは1日おきくらいの頻度で行うことがあります。
- 飯能産婦人科「分娩時の胎児管理法」(https://hannou-sanfujinka.com/blog/?p=2874,2018年5月25日最終閲覧)
- 西島重光(著)「コンパス産婦人科」P311~315(メック出版,2013年)
ノンストレステストの費用
ノンストレステスト自体の費用は、500~3,000円程度です。通常の妊婦健診費用にプラスでノンストレステストの費用が必要です。妊婦健診を受けている病院によって異なるため、検査時に費用がかかるのかどうか事前に確認しておくとよいでしょう。
- 蒼葉レディースクリニック「診療理念」(http://aoba-ladies.jp/medical/,2018年5月23日最終閲覧)
- 豊島病院「当院でお産を希望される方へ」(http://www.toshima-hp.jp/guidance/outpatient-care/childbirth/index.html,2018年5月25日最終閲覧)
- 桜台マタニティクリニック「診療費・分娩費」(http://www.sakuradai-mc.com/info-cost.php,2018年6月5日最終閲覧)
出産に向けて行われるノンストレステスト
ノンストレステストは、出産を控えた時期に胎児と母体の状態を知る上でとても大切な検査です。胎児の心拍数や母体の子宮の収縮具合を確認するため、ストレスのない状態で行われます。
30~40分ほどの検査となりますが、胎児の動きがみられず状態がわからないときはさらに時間がかかることがあります。そのため、途中で気分が悪くなってしまったり体勢がつらくなってしまったりした場合は医師や助産師に相談して、無理をしないようにしましょう。