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カウンセラーが伝えたい「子どもをたたいたり、怒鳴ったりしてしまったあなたに」

最近は子育て関係のパンフレットやポスターなどで「たたかない・どならない」「虐待は禁止」というものがよく見られ、認知されています。また、親からたたかれたり、怒鳴られたりして育った子どもの心には傷が残り、子どもが成長する過程で人間関係につまずくなどの問題が起きる可能性が指摘されています。そんな中で多くの親はたたいたり怒鳴ったりしたくないと思う一方、子育て中のストレスは容赦なく増え、ついカッとなってしまう方は少なくないでしょう。そのような方に、筆者がカウンセラーとしてお伝えしたいことがあります。

ⓒママリ

反省しつつ、これからに目を向けよう

今からできることは、「後悔」に気持ちの照準を合わせず、反省しながらこれからの関わりに気持ちを向けることです。なぜなら、たたいたことや怒鳴ってしまった過ちを認めながらも「怒鳴った以上に褒めるぞ!」と前向きな気持ちで反省する方が、よりポジティブな子育てができるからです。

子どもの前では、子どもが安らげるような優しい表情でいたいと思っていても、つい怒鳴ったりしてしまうこともあると思います。今からできることを一つずつ考えましょう。

子どもに「あなたは大切な存在」と伝えよう

スキンシップ PIXTA

悪かったと思ったら、まずは「強く言いすぎちゃったね。怖かったよね。ごめんね」などと素直に謝ることが、子どもへの大切なメッセージになります。

次に、子どもへのメッセージの核となるのは、「あなたはママにとって大切な存在だよ」ということ。子どもは「自分は大切な存在だ」と確信が得られると、時折親の行き過ぎた言動があったとしても、心が安定して成長できるというケースを、カウンセラーとしてこれまで多くみてきました。

普段から「○○ちゃんのこと、大好きだよ」「ママの子に生まれてきてくれてありがとう」とストレートに伝えるのが一番ですが、口下手な方なら、愛情を伝える内容の絵本を読んでみたりするのもおすすめです。

また、スキンシップもいいですね。たとえば、朝起きた時や寝る前にギュッとしたり、手をつないでみたり。体と体の触れ合いで、子どもは安心できるでしょう。

親がホッとするためにできる2つのこと

コーヒー 女性 手元 PIXTA

子どもに対するケアのほかに、親自身にもケアが必要です。これからのイライラや感情の爆発を防ぐために、次の2つのことをしてみてください。

1. 自分のキャパオーバーのサインを知る

人によってイライラの原因はさまざまですが、疲れているときや一生懸命頑張ったのにそれが報われない場面で「こんなにがんばっているのに、なんでわかってくれないの!」と怒りが爆発してしまう方が多いように感じます。

この「こんなにがんばっているのに!」という考えが浮かんだら、キャパオーバーのサイン。無理せず休んだり、一人で抱え込まずに誰かに頼ったりすることをおすすめします(もし身近に頼れる人がいなければ、カウンセリングを受けてみるのも一つだと思います)。

2. 自分の中の「べき」を減らす

休憩 PIXTA

自分の中に「親は○○すべき」「子どもは○○すべき」といったルールがあればあるほど子育ては苦しくなります。個人的には「これだけは絶対に守りたい」というもの以外は、多少目をつぶるくらいのゆるさがあってもいいと思っています。

基本的な生活習慣を守ることはもちろん大切ですが、子ども自身が自分は親にとって大切な存在だと信じられることもやはり大切です。「今やっていることは、イライラを爆発させてまでこだわり続けることなのか」を一度ていねいに振り返ってみると、こだわるポイントが減り、肩の荷が下りる方も少なくありません。

親が楽になってホッと安心すると、子どもとの関係性も心地よいものに変化します。

焦らず心地よいペースで子育てをしよう

スキンシップ PIXTA

子どもは一人一人、得意なことも苦手なことも、そして歩むペースも違います。そして、親の成長もそれぞれの状況やペースがあります。だからこそ、誰かの子育てとくらべて一喜一憂するのではなく、自分とお子さんの「今のペース」を認め、自分の子育てに集中することが大切だと感じています。そうすることで、イライラが爆発する機会が自然に減ると思います。

親子でできたことのよろこびを共有しながら、心地よいペースで子育てをしましょう。

著者:いまいちづこ

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