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監修:いまいちづこ

上の子かわいくない症候群から抜け出すために、今日からできる3つのこと

下の子の誕生をきっかけに、上の子をかわいく思えなくなることがあります。このことは俗に「上の子かわいくない症候群」として表現されることがあります。カウンセラーとしての経験から、大切な存在である上の子に対して「うっとうしい」「かわいくない」と思ってしまうことに罪悪感を抱えている方は決して少なくないと感じます。今回はカウンセラーの視点から、上の子をかわいく思えないというお悩みから抜け出すための方法についてご紹介します。

PIXTA

上の子かわいくない症候群になる理由

上の子に対してかわいく思えないと悩むママは、頑張り屋な方が多いように感じます。たとえば「きょうだいができたからといって絶対に上の子には寂しい思いはさせたくない」「上の子にも下の子にも、できる限りのことをしてあげたい」という思いを強く抱かれています。しかし、現実は想像以上に忙しく余裕のない毎日で、理想と現実のギャップに苦しまれているケースがよく見られます。

また、忙しく余裕がないときには、上の子には「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」としての役割を期待してしまいがちです。その期待が裏切られるたびに、上の子のことを「(自分を)困らせる存在」としてとらえ、かわいく思えなくなる方もいます。

上の子かわいくない症候群から抜け出すには

親子 PIXTA

ここからは、自分が上の子かわいくない症候群だと感じたとき、その状態から抜け出すためにできることをお伝えします。

上の子に対してイライラする行動を振り返る

上の子の「性格」ではなく「行動」に注目しましょう。上の子に対してイライラが重なると「この子の性格が好きになれない」と思ってしまうことがあるかもしれません。しかし、少し視点を変えて「行動」そのものに目を向けると、実はほんの一部の「行動」に腹を立てていることがわかるでしょう。

また同様に、上の子のよいところや成長しているところにも積極的に目を向けることで、かわいさを再び実感できるようになります。

上の子との時間を大切にする

2歳 親子 PIXTA

上の子は「自分は大切にされている」と実感できると安心します。そうすると、行動が落ち着き、困った行動もみられにくくなるでしょう。

上の子の目がパッと明るく輝くことを、まずは1日1回行ってみましょう。もちろん今できる範囲のことで大丈夫です。たとえば、上の子の好きな朝食を作ったり、絵本を読んだり、一緒に歌を歌ったり踊ったりハグしたり。上の子が好きなことを取り入れてみてください。

理想を求め過ぎない

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自宅などで過ごす何気ない時間に、鏡でご自身の顔を見てみましょう。もし、こわばった顔をしているなら、今の生活を見直すサインかもしれません。

理想をもつことは素敵なことですが、現状からあまりにかけ離れた理想は自分を追いつめてしまいます。

また、家事も育児も一人で完璧にしなければならないと思えば思うほど、子どもにも厳しい目を向けてしまいがちです。余裕がない時は一人で抱え込まずに周りに頼ることをおすすめします。

状況が改善しない場合は専門家を頼って

カウンセリング PIXTA

カウンセラーとしての経験から「弟や妹と比べて自分は親から愛されなかった」という思いは、想像以上に心の傷として残りうると感じています。

子どもとご自身の心を守るためにも、思うように上の子と向き合えない状態が長く続くようでしたら、専門家に相談してみるのも一つだと思います。

上の子のために、親も自分ケアを

笑顔 子ども PIXTA

上の子かわいくない症候群になったと感じたら、上の子との向き合い方や、ご自身の家事や育児との向き合い方について見直してみてください。

また、親であるママやパパ自身も、心が喜ぶ時間を意識して取り入れてみましょう。自分のことは後回しでいいと考えている方もいると思いますが、私の経験上、親の心が満たされると、子どもとの関係性も心地よいものに変化していきます。大好きな音楽を聴いたり、今は無理でもいつかやりたいことを考えてみたり。できる範囲で、自分の心を満たす時間を取り入れてもらえたらと思います。

子どもにとって、親の心が穏やかであることはうれしいことだと思います。だからこそ、自分を責めずにこれからの関わりに目を向けていきましょう。

記事の監修

チャームポイントLab. 代表

いまいちづこ

早稲田大学で学部から博士課程まで認知行動療法を学び、女性に特有な心身の症状やライフスタイルの問題を専門に研究と支援を行っている。公認心理師・臨床心理士・専門健康心理士として、博士の専門性を生かしたカウンセリング・コーチングを行う「チャームポイントLab.」を2015年に開業し、多くのママの悩みをサポートしている。現在は、個別カウンセリング、夫婦カウンセリングの相談に応じながら、ペアレントトレーニング、カップルトレーニングの講座も行っている。また、NHK文化センターにおいても「女性のためのマインドフルネス」の講座を担当してきた。女性起業家として、また、小学生2人の息子の母親として、日常生活でできるメンタルの整え方や子育ての方法について具体的にサポートしている。

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本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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