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このお話の主人公は28歳の藍子。夫の祐樹とは籍を入れて半年ほどの新婚です。入籍後にじっくり準備して挙げると決めていた結婚式まであと1か月。幸せな式を想像して準備をしてきましたが、ある日の親友との会話でモヤモヤしてしまいます。
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幸せな結婚生活のある日、気になる連絡が
私は藍子。夫の祐樹とは、もうすぐ結婚して半年。5年間の社内恋愛を経た結婚生活は、穏やかで、1か月後には挙式を控えている。
「明日の夜、藍子が行きたがってたバーに行かない?」
「いいね、バルコニー席からの景色がいいんだって。天気どうかな?」
天気予報を見ようとスマホに手を伸ばすと、ある通知が目に入り、心がざわつく。
高校からの親友、希からのメッセージだ。私はトーク画面を開く勇気が出なかった。
「口コミあんまりよくないね」友人の発言にモヤッ
希は私より早く結婚していて、相手は2つ年上の智史さん。かなりの倹約家だそうで、希は結婚式を挙げていない。そんな希と、1週間前にもめてしまった。きっかけは他愛もない近況報告の電話だった。
「藍子、式の準備、進んでる?」
「うん!今日メイクの打ち合わせだったの」
「ふーん…ねえ、藍子が選んだ式場って口コミあんまりよくないんだね」
「え、そう…?」
どうしていきなりそんな話をするのか、私は戸惑った。
「まあ…あんまり口コミは気にしてないの。2人で決めた式場だし」
「ふーん、まあ、人それぞれだもんね。口コミ3.1って普通(笑)。藍子って感じ」
薄く笑う希の口調は、明らかに私をバカにしているように感じた。
「ちょっと、どういう意味?」
「やだ、ごめんごめん冗談。夫が帰ってきたから切るね」
通話を急に切った希とは、このとき以来連絡を取っていない。
「この間はごめん」友人の謝罪に安堵
スマホを見て固まる私を見て、祐樹が心配して声をかけてくれた。
「どうした?」
「希から、メッセージがきてて…」
「この間ちょっともめたって言ってたよね?でも、スピーチも引き受けてるんでしょ?」
「うん…」
祐樹に促された私は、大きく息を吸い、メッセージを開いてみた。
「藍子!この間はごめん!スピーチの相談をしたいんだけど…日曜にお邪魔してもいい?」
「ほら、大丈夫だって言ったじゃん」
祐樹が笑顔で言った。
「そうだね…この間は機嫌が悪かったのかも」
安心した私は、週末に希を家に招くことにした。あの日の揉め事はたまたまだと思いたかった。
でも、このときの私の考えは甘かった。これから希との関係性に決定的な亀裂が入るなんて、想像できていなかったのだ。
あとがき:相手の気持ちを考えない発言から、思わぬトラブルに発展することも
親友である藍子が選んだ結婚式場に対し、棘のある言い方をした希。意地悪な物言いにイラッとした藍子でしたが、のちに謝罪があったことから、深刻な人間関係トラブルになるなんて想像もしていなかったようです。
希のように相手の気持ちを考えずに話す相手といると、モヤモヤする瞬間があるものですよね。
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嫉妬心で相手を攻撃する人との決別を描く作品
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本作では主人公・藍子と高校時代の親友・希の関係性が描かれます。高校時代は同じバレーボール部に所属し、信頼し合える親友として距離を縮めていた2人。しかし、その関係性は結婚・出産とライフステージを進めていくごとに変化していきます。
藍子は大人になっても希と昔のような付き合いができることを望んでいましたが、希は密かに藍子に対し嫉妬心をつのらせていました。藍子の暮らしに対して「自分よりも優れている」と劣等感をいだいた希は、徐々に藍子に対して意地悪な言動をするようになっていきます。
藍子は関係性を続けられるように付き合い方を工夫しますが、最後は決別を選ぶことに。大切な友人の1人を失う結果となった藍子ですが、作品内でさまざまな思いを巡らせた結果、納得して選ぶことができたようです。
藍子と希のストーリーから、大人になってからの人間関係・人付き合いについて改めて考えさせられる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










