出産を終え、娘の愛らしさに癒やされる日々を送っていた藍子。そこに、数か月前にLINEでもめた親友・希からのメッセージが届きます。一瞬ドキッとする藍子ですが、その内容はかつてのトゲトゲしいものとはまったく違う内容でした。
Ⓒママリ
ついに、待望のわが子を出産
予定日よりも少し早く、私は無事に女の子を出産した。生まれたばかりの娘が産声を上げた瞬間、愛おしさと感謝の気持ちでいっぱいになった。
祐樹は、涙でぐしゃぐしゃになりながら「藍子、よく頑張ったな…!」と私の手を握りしめてくれた。
退院して家族での生活が始まると、スマホのカメラロールは、あっという間に娘の写真で埋め尽くされていった。
突然届いた、連絡を絶った親友からの祝福メッセージ
そんなある日のことだった。(ピコンッ)とスマホの通知音が鳴る。何気なく画面を見ると、そこには「希」と表示されていた。心臓がドキリと跳ねる。恐る恐る、LINEのトーク画面を開いた。
「藍子!ご出産👶おめでとう💓」
あの日の会話の終わりはなんだったのだろう?そう思うほど、明るい言葉だった。希は共通の友人から私の出産について聞いたらしい。
「ありがとう!連絡うれしい😊」
「出産どうだった?🥺色々教えて~💓」
当たり障りない返信にも、すぐに既読がつく。もしや…と思ったら、連続でメッセージがきた。
「実は私も…💓また赤ちゃんができたんだ👶」
希の過去のつらい状況を知っているだけに、素直におめでたいと思った。
「おめでとう😊本当によかったね。体大事にね💓」
「ありがとう!なんか、この間はごめんね。私、藍子がうらやましくて。嫌な言い方しちゃったよね💦」
私は藍子の謝罪を受け入れた。きっと流産のショックで参っていただけなんだ。そう、きっと…。
「また親友に戻れる」本気でそう思ったのに…
それからは産院のことやベビーグッズのことなど
ママトークに花を咲かせていた。
頻繁に連絡を取っていたけれど、以前のように棘のある物言いはなくなって安心した。
「また元のように親友に戻れるんだ」
そう思うとすごくうれしかった。
しかし、心地よい親友でいられたのはこの期間が最後だった。
半年たち、希が無事に出産してしばらくたつと
また彼女の様子には変化が起きる。
そしてその変化こそ、私たちの関係を終わらせる
最後の火種になるのだった。
あとがき:状況によって態度が変わる人に振り回されることも
距離が開いたかと思うと、親し気なやり取りで関係性を戻そうとしてくる希。藍子はそれでも友人関係を続けたいと思っていましたが、現実はそれほど甘いものではなかったようです。
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嫉妬心で相手を攻撃する人との決別を描く作品
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本作では主人公・藍子と高校時代の親友・希の関係性が描かれます。高校時代は同じバレーボール部に所属し、信頼し合える親友として距離を縮めていた2人。しかし、その関係性は結婚・出産とライフステージを進めていくごとに変化していきます。
藍子は大人になっても希と昔のような付き合いができることを望んでいましたが、希は密かに藍子に対し嫉妬心をつのらせていました。藍子の暮らしに対して「自分よりも優れている」と劣等感をいだいた希は、徐々に藍子に対して意地悪な言動をするようになっていきます。
藍子は関係性を続けられるように付き合い方を工夫しますが、最後は決別を選ぶことに。大切な友人の1人を失う結果となった藍子ですが、作品内でさまざまな思いを巡らせた結果、納得して選ぶことができたようです。
藍子と希のストーリーから、大人になってからの人間関係・人付き合いについて改めて考えさせられる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










